JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
東京都交通局 築地市場から170円区間ゆき片道乗車券
平成30年10月6日、魚河岸の名で親しまれていた東京都中央卸売市場築地市場(築地市場/つきぢしじょう)が、豊洲の新市場への移転のため、幕を閉じました。巨大都市東京の食生活を支えて開場以来83年の歳月を経た日本を代表する市場ではありましたが、施設の老朽化や2020年のオリンピック・パラリンピックに向けて建設されている都道環状2号線を通すための苦渋の決断の末の移転であったのではないかと思います。
築地市場の下には東京都交通局(都営地下鉄)大江戸線が通っており、隣接して築地市場駅が開設されています。築地市場の移転に伴って同じく東京都交通局が運営する都営バスは築地中央市場前停留所が廃止され、築地市場正門前停留所は国立がん研究センター前に改称されますが、地下鉄駅については当面の間、駅名改称の予定はないとされています。恐らく、駅名を改称するために駅名票等の看板類は勿論のこと、IC乗車券のデータ等を更新するためには莫大な費用が掛かるため、敢えて今のタイミングで改称することは避けているのだと思われます。
大江戸線が開業した昭和12年12月12日に築地市場駅で発行された170円区間ゆきの片道乗車券です。
黄色東京都交通局高速鉄道用地紋のB型金額式大人専用券となっています。当時都営地下鉄では主要駅には最短区間用の硬券乗車券の設備がありましたが、大江戸線の新規開業駅については開業記念の時に発売されたものの、後に設備されていなかったような気がします。
裏面です。
都営地下鉄の硬券乗車券は裏面にも発駅名と金額が記載され、発行駅名が裏面に記載されていました。
市場が閉場となった10月6日のお昼過ぎ、築地市場駅は特別混雑していませんでしたので、駅長事務室で閉場記念に同駅から勝どき駅までの区間で特別補充券の発行の可否をお聞きしましたところ、快く発行して頂けました。
隣駅は勝どき駅か汐留駅となりますが、ここでは勝どき駅を選択しました。
ちなみに、汐留駅は平成12年の開業当初は駅そのものは完成していましたが、周辺が再開発中で駅へのアクセス道路が未開通のため駅の開業は見送られて汐留信号所ととして開業し、周辺の開発が一段落した平成14年11月に駅に格上げされています。