東京都交通局 電車乗継券

昭和40年代中頃と思いますが、東京都交通局がかつて運行していた都電の乗継券です。


   

都電の一乗車単位の乗切り制運賃を採用していますが、目的地によっては一つの系統だけでは行けず、他の系統に乗換をしなければならないことがありますため、そのような場合には乗継券が発行されました。
乗継券には発行した日と時間が入鋏されて発行されるため、発行当日以外や、当日でもやたらに時間が経過した場合には効力がありません。

御紹介の券は27系統と32系統間の乗継券です。
27系統は赤羽駅から王子駅前を経由して三ノ輪橋まで、32系統は早稲田から大塚駅・王子駅前を経由して荒川車庫までとなっており、例えば32系統早稲田から27系統三ノ輪橋まで行く旅客は、27系統と32系統が共有で運転されている王子駅前~荒川車庫間のどこかで乗換える必要がありました。その際、先の電車を降りる時に乗換える旨を車掌さんに告げると、このような乗継券が発行されました。
このような場合の他、車両故障等で後続の電車に乗換えて貰う時にも発行されたようです。

現在、都電の27系統は赤羽駅から王子駅前間が部分廃止されて王子駅前から三ノ輪橋間のみとなり、2つの路線は「荒川線」として一つの路線にまとめられ、「さくらトラム」の愛称で運転されています。
そのため、今でも都電は一乗車単位の乗切り制運賃を採用しておりますが、早稲田から荒川車庫前ゆきに乗車して、その先の三ノ輪橋まで行く場合には「一つの路線」になりますため、乗継券は発行されず、再度運賃を支払って乗車することになります。

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