抜海駅発行 普通入場券

1982(昭和57)年8月に宗谷本線抜海駅で発行された普通入場券です。


   

白色無地紋のB型大人・小児用券で、札幌印刷場で調製されたものです。

抜海駅は「最北の秘境駅」と言われている北海道稚内市抜海村のクトネベツ地区にある駅で1924(大正13)年6月に、鉄道省が現在の南稚内駅にあたる旧稚内駅まで天塩北線として開通させた際に開業した駅で、来年6月には開業100周年を迎えます。

御紹介の券が発行された当時は駅員が配置された交換駅になっておりましたが、2年後の1984(昭和59)年頃に荷物の取扱い廃止と出札および改札業務が廃止されて運転取扱いのみの駅になり、運転取扱要員だけが配置されていました。その2年後の1986(昭和61)年には、永山駅から南稚内駅間において運転士がRPCアンテナを使用して信号・分岐器を制御する電子閉塞という特殊な自動閉塞方式が採用され、運転要員を配置する必要もなくなり、完全な無人駅になっています。

現在、同駅は地元自治体である稚内市が駅の維持管理を行っておりますが、市は今月、来年度までは維持管理費を負担するが、2025年度以降は負担をせず、廃駅にする方針を表明しています。
大正時代からの木造駅舎は映画やドラマのロケにも使われ、列車利用以外の観光客も多く訪れる同駅ですが、観光資源としての駅の価値について市は否定的で、開業100年を迎えるの同駅の存続はかなり深刻なようです。

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