12月13日は事始めの日です。
事始め、というのは、正月を迎える準備を始める日、ということです。
なぜ12月13日なのかということについては、詳しくは知らないのですが。
さて、祗園のそれは、師走の風物詩として、良く知られています。
踊りの師匠などに、お世話になりましたと、挨拶して回るわけです。
早くも「おめでとうございます」の声が飛び交うのは、何か不思議な感じですが。
仕事姿ではない舞妓さんたちは、楚々として、正装とは違った趣があります。
今日は日曜日ですので、祗園も多くの人がその姿を見ることができたことでしょう。
さて、その祗園、四条花見小路の東南角にあるのが、有名な一力。
今日も多くの芸舞妓さんの挨拶を受けたことでしょう。
この一力、江戸時代から続くお茶屋として知られています。
幕末には維新の志士も遊んだといわれ、近藤勇もその敷居をまたいだといいます。
しかし、この一力の名を天下に知らしめたのは、なんといっても忠臣蔵。
歌舞伎『仮名手本忠臣蔵』の中で、大星由良之助(大石内蔵助)がここで遊興する場面が描かれています。
これが幕府の目をくらませるための芝居、というのは、有名な話。
まあ、このエピソードの事実性は疑わしいのですが。
が、少なくとも一力が『仮名手本忠臣蔵』が作られた時代より人に知られていたというのは確かでしょう。
さて、その忠臣蔵の討ち入りの日が12月14日。
一力をはじめとして、実は、京都は忠臣蔵と縁の深い土地。
浅野家断絶後、大石内蔵助が隠棲したのが、京都山科の地なのです。
その山科には、大石内蔵助を祀る大石神社があります。
大石神社の境内に、大石桜と呼ばれる立派な枝垂桜があります。
大石内蔵助とは直接の関係はないのですが、これは本当に立派な枝垂桜です。
花は桜木人は武士、と言いますから、大石内蔵助を偲ぶのには、ちょうどよいかもしれません。
”あいらんど”