京のおさんぽ

京の宿、石長松菊園・お宿いしちょうに働く個性豊かなスタッフが、四季おりおりに京の街を歩いて綴る徒然草。

初夏の香

2011-05-18 | インポート

先日5月15日には京都で行事がいろいろ開催されました。

皆様は京都の5月15日は「葵祭り」のイメージでしょうか?
嵐山一帯では三船祭りがおこなわれていますし、お酒の神様で有名な松尾大社でも松尾祭(還幸祭)がおこなわれています。

三船祭は5月14日の車折神社(くるまざきじんじゃ)例祭の延長神事(行事)として昭和御大典を記念して昭和3年より始められた祭りで、毎年5月第3日曜日に嵐山の大堰川(おおいがわ)において、御座船・龍頭船・鷁首船など20数隻を浮かべて、御祭神である清原頼業公が活躍された平安時代の船遊びを再現する。三船祭の拝観者は約10万人に及ぶものです。そして、松尾大社還幸祭には、三御旅所に駐輦されていた神輿と月読社の唐櫃とが、西寺跡の「旭の杜」に集合し、ここで古例による西の庄の粽の御供、赤飯座(あかいざ)の特殊神饌をお供えして祭典をした後、列を整えて 途中朱雀御旅所に立ち寄り、ここでも祭典、次いで七条通りを西に進み、西京極、川勝寺、郡、梅津の旧街道を経て、松尾大橋を渡り、本社に還御されます。
それぞれに神事としての信仰と人々の心がこもっているもので、今年は特に東北地方大震災の復興祈願も人々の心の中から発信されていました。
さて、京都の三大祭りとされる「葵祭り」は、賀茂御祖神社(下鴨神社)と賀茂別雷神社の例祭で、515日に行われる。古くは賀茂祭、または北の祭りとも称し、平安中期の貴族の間では、単に「祭り」と言えば葵祭のことをさすほど有名であったとされています。

午前10時半に御所をの健礼門前を出発総勢500名余の行列の長さは約1キロに渡り牛車などが揺られながら進んでゆく様子は源氏絵巻の中から抜け出たようだと観光客にも人気が高い祭りですよネ。
(もちろん都人の暮らしには欠かせへんどすえ)

祭の起源は、今から約1400年前の欽明天皇の567年、国内は風雨がはげしく、五穀が実らなかったので、当時賀茂の大神の崇敬者であった、伊吉の若日子に占わせたところ、賀茂の神々の祟りであるというので、若日子は勅命をおおせつかって、4月の吉日に祭礼を行い、馬には鈴をかけ、人は猪頭(ししがしら)をかぶって駆競(かけくらべ)をしたところ、風雨はおさまり、五穀は豊かに実って国民も安泰になったと伝えられているようです。

行列の参加者はもちろん、牛車に至るまで葵の葉に飾られ、この祭りの象徴となっているのはもちろん皆様もよくご存じの通りです。
「葵」は正式にはフタバアオイといい、山の清流のほとりや深い杉並木の中に自生していますが刈り取った後は長く保存ができないため、祭に必要な葵は、北山の奥深い谷で一気に刈り取られるとか、地元の人々に支えられて伝統行事は守られているんですネ。

                                           修

Aoi