毎日新聞2018/06/06 11:38

シェークスピアの4大悲劇の一つ「オセロー」に登場するオセロー将軍とその妻を、アイヌ民族の男性や幕末の北海道で警備にあたる仙台藩士の娘として描き出した舞台「アイヌ・オセロ」が9、10の両日、東京都三鷹市の国際基督教大学で上演される。物語の根底に流れる人種差別を日本に置き換え、社会に一石を投じる。
東北地方を舞台にシェークスピアの作品を翻案して演じる劇団「シェイクスピア・カンパニー」が上演する。主宰の下館和巳・東北学院大教授が脚本を担当し、アイヌ民族で演出家の秋辺デボ氏と共同演出した。今年1月に仙台市で初演を果たし、今回が2回目。
下館教授によると、「オセロー」の根底には人種差別がある。「東北地方に置き換えるならアイヌ」と考え、秋辺氏の協力を得た。舞台にはアイヌ舞踏団の5人が参加し、アイヌの言葉や仕草も採用した。オセロー将軍をだますイアゴー役をアイヌと和人(アイヌ以外の日本人)の「ハーフ」とし、出自を隠している設定にした。
下館教授は「仙台藩は幕末、北方警備に携わったためアイヌとの関係が深かった。シェークスピアの時代とは異なり、複雑で分かりにくい現代の差別問題を提起したい」と話す。
開演は9日午後4時半と10日午後1時。一般3000円。電話予約(0120・240・540)。上演後に下館教授と秋辺氏の対談がある。来月14日には札幌市でも上演し、来夏のロンドン公演を目指す。【岡礼子】
【ことば】オセロー
シェークスピア(1564~1616年)の4大悲劇の一つで、嫉妬がテーマ。地中海に臨むイタリア・ベニスを舞台に、黒い肌のオセロー将軍が良家の白人の娘と結婚するが、オセローを妬む部下・イアゴーの策略で浮気を疑い、妻を殺害。後にだまされたことに気づいて自殺する。
https://mainichi.jp/articles/20180606/k00/00e/040/289000c

シェークスピアの4大悲劇の一つ「オセロー」に登場するオセロー将軍とその妻を、アイヌ民族の男性や幕末の北海道で警備にあたる仙台藩士の娘として描き出した舞台「アイヌ・オセロ」が9、10の両日、東京都三鷹市の国際基督教大学で上演される。物語の根底に流れる人種差別を日本に置き換え、社会に一石を投じる。
東北地方を舞台にシェークスピアの作品を翻案して演じる劇団「シェイクスピア・カンパニー」が上演する。主宰の下館和巳・東北学院大教授が脚本を担当し、アイヌ民族で演出家の秋辺デボ氏と共同演出した。今年1月に仙台市で初演を果たし、今回が2回目。
下館教授によると、「オセロー」の根底には人種差別がある。「東北地方に置き換えるならアイヌ」と考え、秋辺氏の協力を得た。舞台にはアイヌ舞踏団の5人が参加し、アイヌの言葉や仕草も採用した。オセロー将軍をだますイアゴー役をアイヌと和人(アイヌ以外の日本人)の「ハーフ」とし、出自を隠している設定にした。
下館教授は「仙台藩は幕末、北方警備に携わったためアイヌとの関係が深かった。シェークスピアの時代とは異なり、複雑で分かりにくい現代の差別問題を提起したい」と話す。
開演は9日午後4時半と10日午後1時。一般3000円。電話予約(0120・240・540)。上演後に下館教授と秋辺氏の対談がある。来月14日には札幌市でも上演し、来夏のロンドン公演を目指す。【岡礼子】
【ことば】オセロー
シェークスピア(1564~1616年)の4大悲劇の一つで、嫉妬がテーマ。地中海に臨むイタリア・ベニスを舞台に、黒い肌のオセロー将軍が良家の白人の娘と結婚するが、オセローを妬む部下・イアゴーの策略で浮気を疑い、妻を殺害。後にだまされたことに気づいて自殺する。
https://mainichi.jp/articles/20180606/k00/00e/040/289000c