毎日新聞2018年6月16日 11時42分(最終更新 6月16日 11時47分)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/6b/47e5f0b162b790242aad1a006a501acf.png)
アイヌ民族の伝統儀式を10年間かけて、映像に残す取り組みが17日、千葉県木更津市で始まる。古式を知るアイヌが減り続ける中、自然と共に生きた暮らしを後世に伝えようと、同市在住のアイヌ民族の彫刻家、差間(さしま)秀夫さん(70)が仲間たちと計画。17日は同市内で公開する。
差間さんは北海道白糠町(しらぬかちょう)出身。コタンコロクル(村長)の漁師の家に生まれた。固有の言語、服装などの文化を奪った明治政府のアイヌ同化政策の影響が残る中で育った。
自身もアイヌの文化に無関心だったが、18歳の時に転機が訪れる。「イヨマンテ(熊祭り)」などのアイヌ文化の伝承者として知られる故日川善次郎氏(1911~90年)と出会い、感銘を受けた。日川氏に師事し、「イチャルパ(先祖供養祭)」「アシリカムイチェップ(初めて遡上(そじょう)するサケへの感謝祭)」など8種類の儀式を学んだ。祭具の制作から儀式の進行まで、全ての課程を十数年かけて習得したという。
「儀式を正確に伝承できないか」。1980年代から千葉県内で暮らすようになっていた差間さんは4年前からそう考え、北海道の仲間たちに協力を呼び掛けた。一つの儀式を執り行うには準備に約1年かかるため、8種類の儀式を10年かけて撮影しようと決めた。
初回は、新築する家の土地を清める儀式「アシリチセシリサンケ(地鎮祭)」を選んだ。祭具を作るため、ヤナギを調達することから始め、準備にやはり約1年かかった。
差間さんは「自然と共生してきたアイヌの伝統を今こそ多くの人に知ってほしい」と訴えている。問い合わせは差間さん(080・1151・7874)。【上遠野健一】
https://mainichi.jp/articles/20180616/k00/00e/040/260000c
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アイヌ民族の伝統儀式を10年間かけて、映像に残す取り組みが17日、千葉県木更津市で始まる。古式を知るアイヌが減り続ける中、自然と共に生きた暮らしを後世に伝えようと、同市在住のアイヌ民族の彫刻家、差間(さしま)秀夫さん(70)が仲間たちと計画。17日は同市内で公開する。
差間さんは北海道白糠町(しらぬかちょう)出身。コタンコロクル(村長)の漁師の家に生まれた。固有の言語、服装などの文化を奪った明治政府のアイヌ同化政策の影響が残る中で育った。
自身もアイヌの文化に無関心だったが、18歳の時に転機が訪れる。「イヨマンテ(熊祭り)」などのアイヌ文化の伝承者として知られる故日川善次郎氏(1911~90年)と出会い、感銘を受けた。日川氏に師事し、「イチャルパ(先祖供養祭)」「アシリカムイチェップ(初めて遡上(そじょう)するサケへの感謝祭)」など8種類の儀式を学んだ。祭具の制作から儀式の進行まで、全ての課程を十数年かけて習得したという。
「儀式を正確に伝承できないか」。1980年代から千葉県内で暮らすようになっていた差間さんは4年前からそう考え、北海道の仲間たちに協力を呼び掛けた。一つの儀式を執り行うには準備に約1年かかるため、8種類の儀式を10年かけて撮影しようと決めた。
初回は、新築する家の土地を清める儀式「アシリチセシリサンケ(地鎮祭)」を選んだ。祭具を作るため、ヤナギを調達することから始め、準備にやはり約1年かかった。
差間さんは「自然と共生してきたアイヌの伝統を今こそ多くの人に知ってほしい」と訴えている。問い合わせは差間さん(080・1151・7874)。【上遠野健一】
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