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先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

苫小牧のIR、市が構想公表

2018-06-15 | アイヌ民族関連
北海道新聞06/15 05:00
 【苫小牧】苫小牧市は14日の市議会総合開発特別委員会で、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致に向けた「苫小牧国際リゾート構想」を公表した。IRを核とする国際リゾートエリアを新千歳空港に隣接する植苗地区に選定。空港や国道とのアクセス道路整備、道央道のインターチェンジ新設を盛り込んだ。
 IRを北海道観光のゲートウエー(玄関)と位置付け、1万5千平方メートル以内のカジノ、収容5千人の国際会議場、千~2千室の宿泊施設、3千席程度の劇場、アイヌ文化体験施設などを整備。開業は最短2024年を想定し、来場者数は年間600万~839万人、売上高は1200億~1600億円を見込む。
 ギャンブル依存症対策として研究機関の設立や、IR事業者の必須条件に「依存症対策の実行能力」を掲げた。市は構想をIR事業者などに示し、整備申請主体の道を通じて国に誘致を働きかける。(若松樹)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/199582

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名乗れぬ土壌生む差別 アイヌ民族、道の把握数1・3万人に減少

2018-06-15 | アイヌ民族関連
北海道新聞06/15 05:00
 〈解説〉道のアイヌ民族の生活実態調査で把握された昨年のアイヌ民族の人数は、約1万3千人にとどまり、調査の度に減り続けている。背景には個人情報の保護意識の高まりに加え、今も根強く残る差別が、自らアイヌ民族と名乗ることに二の足を踏む土壌を生んでいる。
 道が45年前から行う調査で把握したアイヌ民族の人数は、前々回の2006年まで2万3千~2万4千人台で推移。ところが、前回の13年は約1万7千人に激減し、今回さらに減った。
 道はアイヌ民族への支援策として、高校や大学への進学奨励費や農林漁業対策費など関連予算を毎年計上。生活向上に一定の効果はあったとみられるが、10年前は約20億円だった予算額が、昨年度は約10億円と半減。
 アイヌ民族の生活相談員は「道の財政難は分かるが、アイヌへの支援が打ち切られている」と感じる。
 一方、「日本は単一民族国家」「アイヌ民族なんて、今はもういない」と民族の存在を否定する差別的言動も街頭やネット上で増幅。北海道アイヌ協会幹部は「こうした差別が、出自を打ち明けることをためらわせている」と指摘する。
 専門家の間では「民族の血を受け継ぎながら、調査対象から漏れた人は数万人以上」との見方がある。
 生活格差が残るのに支援の規模が縮小され、民族としての存在は明らかなのに否定される理不尽。問題への無理解が、アイヌ民族の実態把握を困難にしているのではないか。行政だけでなく私たちにも、数字に表れない人びとに寄り添う姿勢が求められる。(村田亮)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/199579

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アイヌ民族把握数1万3118人 道調査「差別受けた」2割超

2018-06-15 | アイヌ民族関連
北海道新聞06/15 05:00
 道は、昨年度行った道内に住むアイヌ民族の生活実態調査の結果をまとめた。把握できたアイヌ民族の人数は約1万3千人で、5年前の前回調査より3500人以上少なかった。前回に比べ、居住地域平均との格差は縮小傾向にあるが、それでも生活保護率は4ポイント高く、大学進学率は12・5ポイント低かった。2割以上が「差別を受けたことがある」と回答。今も格差と差別が残る実態が浮き彫りとなった。
 道はアイヌ民族への支援策などを検討するため1972年以来、おおむね7年に1度のペースで調査を実施。政府がアイヌ民族に関する新法の2020年制定を目指しているため、今回は当初予定より前倒しして昨年11月に行った。
 調査は道内の各市町村に委託し、地元アイヌ協会などの協力を得て実施。63市町村(前回の13年調査比3自治体減)に、5571世帯(同1309世帯減)、1万3118人(同3668人減)が住んでいることを把握した。専門家は人数の減少について、個人情報保護の意識が高まり、自治体が把握できない人が増えたことなどが原因とみる。
 人口千人当たりの生活保護の受給者数を示す保護率では、アイヌ民族は36・1‰(パーミル)と前回調査に比べ8・7ポイント減、大学進学率は33・3%で、同7・5ポイント増だった。ただ、63市町村平均の保護率は32・1‰、大学進学率は45・8%で格差は依然としてある。
 一方、道委嘱の調査員が、対象者のうち671人に面接したところ、156人が「差別を受けたことがある」と回答。このうち「最近3、4年」と答えた人が11人いた。差別を受けた場面は職場や学校が多い。
 20年4月に胆振管内白老町に開設するアイヌ文化の復興拠点「民族共生象徴空間」に対し、「よく知っている」「知っている」は計40%、「あまり知らない」「まったく知らない」は計55%だった。
(村田亮)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/199576

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インスタ映え!道東に来て LCCピーチ、釧路―関西8月就航前にサイト 釧路、阿寒など特集

2018-06-15 | アイヌ民族関連
 和商市場の勝手丼、アイヌコタン登場
北海道新聞06/15 05:00
 釧路―関西線を8月1日に就航させる格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーション(大阪)は、若い女性を中心とする観光客を誘致するため、道東の観光地を動画や写真で紹介するPRサイトを開設した。釧路、阿寒、北見・網走の各地域を効率的に巡るモデルコースと、それぞれの見どころや食を紹介し、道東へのリピーター獲得を狙う。
 道東観光はこれまで長期滞在が主流だったが、「低運賃のピーチを利用して何度も足を運んでもらいたい」(同社)と、2泊程度の短期で周遊しやすい3エリアのコースを特集した。
 キャッチフレーズは「思った以上に大自然!ひがし北海道~人生観変わります~」。会員制交流サイト(SNS)で発信したくなるような「インスタ映え」する各地域の見どころをまとめた1分間の動画、おすすめスポットのアクセス方法や体験メニューを掲載した。
 釧路編では海産物をふんだんに使った釧路和商市場の勝手丼や、モダンな外観が目を引く港文館が登場。阿寒編では独特の建物やモニュメントが並ぶ阿寒湖温泉のアイヌコタンを、北見・網走編ではハッカを使ったオリジナルアロマクリーム作り体験を紹介している。
 サイトはhttp://www.flypeach.com/destination/higashi_hokkaido/index.htmlで閲覧できる。
残り:263文字/全文:699文字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/199490

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離島・蘭嶼を舞台にした台湾映画、アジア太平洋映画賞にノミネート

2018-06-15 | 先住民族関連
中央フォーカス台湾2018/06/14 13:26

(台北 14日 中央社)台湾東部の離島・蘭嶼を舞台にした映画「只有大海知道」がオーストラリアの映画賞「アジア太平洋映画賞」にノミネートされたことが分かった。ヘザー・ツイ(崔永徽)監督は、知らせを受け取った直後は理解できなかったと話し、ノミネートは光栄だと喜びを明かした。
同作は蘭嶼の小学校3校に在籍する児童が参加するパフォーマンス隊「小飛魚文化展演隊」の実際の物語を基にした作品。ツイ監督が6年をかけて完成させた。これまでドキュメンタリーを手掛けてきたツイ監督にとって、初の長編フィクション作品となる。主演で教師役のホアン・シャンホー(黄尚禾)以外は全て、蘭嶼に住む台湾原住民(先住民)タオ族の人々が地元住民を演じる。
製作のきっかけは、蘭嶼に住む台湾原住民(先住民)タオ族の子供がステージ上で伝統舞踊を披露する際に、タオ族の文化を象徴するふんどしを履くのを拒否した事件を知ったこと。ツイ監督は文化的アイデンティティーの重要性を感じ、撮影を決めたという。
ツイ監督は、映画を通じて蘭嶼が直面する問題を知ってほしいと願う。先月上旬には蔡英文総統に意見書を提出し、文化が失われつつある蘭嶼の現状への理解を求めた。
同作は15日に台湾で公開される。
(鄭景ブン/編集:名切千絵)
http://japan.cna.com.tw/news/aart/201806140003.aspx

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現代より魅力的? 「縄文」フリーペーパー、単行本続々 近く映画も全国公開

2018-06-15 | アイヌ民族関連
東奥日報6/14(木) 12:01配信
「縄文」をテーマにしたフリーペーパーや本の刊行が国内で相次いでいる。いずれも縄文時代の文化や世界観を現代人の生活、生き方に重ね合わせているのが特徴だ。謎が多いからこそ、想像を膨らませて楽しめる-。従来の考古学にとらわれない自由な縄文の見方が若い世代を中心に広がっている。新たな“縄文ブーム”が、青森県などが目指す「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録の後押しとなるか?
 おしゃれな女性が土偶のポーズを取る、ファッション誌のような表紙が目を引く。「縄文ZINE(ジン)」(ニルソンデザイン事務所発行)は、2015年に創刊した「縄文」がテーマのフリーペーパー。火炎土器、貝塚、アイヌといった特集のほか、現代じみた縄文人が会話する「立話、最近の縄文人」や漫画などの笑える企画も。昨年1月には青森県の委託を受け、青森の特集号も発行した。
 現在は年2回のペースで毎回3万部を発行し、全国の博物館や書店、飲食店などで配布している。ターゲットは、従来の縄文ファンには少ない20~30歳代の男女だ。
 編集長は、東京都でデザイン事務所を経営する望月昭秀さん(46)。「縄文はダサい、古い、お勉強という世間の思い込みに、思いっきり対抗しようと思った」といい、デザインや写真、イラストにもこだわる。「縄文時代の楽しみ方は千差万別。何しろ他の時代のように、事件や人物で読み解くことができないから」と魅力を語る。
 縄文人が現代人の悩み相談に答える、望月さんの単行本「縄文人に相談だ」(国書刊行会)は、多くの新聞や雑誌で取り上げられるなど話題に。7月にはビジネス書「縄文力で生き残れ」(創元社)も刊行予定だ。
 一方、県内でも今春、縄文のフリーペーパーが生まれた。「あおもり縄文女子」(県世界文化遺産登録推進室発行、総合企画・協同)のターゲットは女性。赤をポイントに使ったメーク、長い髪を「お団子」にまとめたヘアアレンジ、貝や天然石のアクセサリーなど、現代の女性が取り入れられる縄文ファッションを専門家が提案した。
 同誌の企画・取材をした青森市の企画家・シマナカヤストモさん(48)は「縄文と現代は似ている。どちらも平和な時代で、おしゃれをする文化があることに着目した」と話す。同誌は1万部作製。「かわいい」と評判で、県外からも問い合わせがあるという。
 県世界文化遺産登録推進室の一戸佳子主査は「縄文愛好家のツイッターなどでは『青森は縄文の聖地』と言われている。県内の人も縄文遺跡を自分たちのものと捉え、世界遺産になるんだという思いを持ってほしい。縄文フィーバーが広がり、さらに盛り上がっていけば」と期待を込めた。
 今夏には、縄文をテーマにした映画も全国公開される。山岡信貴監督(52)=大阪府出身=のドキュメンタリー映画「縄文にハマる人々」だ。
 山岡監督は青森県を含む全国約80カ所の遺跡・博物館を取材。映画では作家のいとうせいこう氏、グラフィックデザイナーの佐藤卓氏ら26人のインタビューのほか、土器や土偶など約千点にのぼる遺物を紹介し、現代人が縄文に魅せられる理由や、縄文文化の謎に迫る。県内では青森市の青森松竹アムゼで上映予定。
 縄文に興味はなかったが、カメラを回すうちに縄文の「半端ない分からなさ」に引かれていったという山岡監督。「分からない距離の分だけ、いろんな可能性を感じる」という。
 「青森は独特の洗練された感じがある。亀ケ岡の土器や土偶は、現代でも商品になるくらいきっちり仕上げられていて、他の地域とは異質。日本が縄文という世界史的にも特殊な文化を抱え、その中心が間違いなく青森だったことを実感してほしい」と語った。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180614-14120158-webtoo-l02

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若者照準「縄文ブーム」世界遺産登録後押しに

2018-06-15 | アイヌ民族関連
北海道新聞06/14 09:52
 「縄文」をテーマにしたフリーペーパーや本の刊行が国内で相次いでいる。いずれも縄文時代の文化や世界観を現代人の生活、生き方に重ね合わせているのが特徴だ。謎が多いからこそ、想像を膨らませて楽しめる-。従来の考古学にとらわれない自由な縄文の見方が若い世代を中心に広がっている。新たな“縄文ブーム”が、青森県などが目指す「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録の後押しとなるか?
 おしゃれな女性が土偶のポーズを取る、ファッション誌のような表紙が目を引く。「縄文ZINE(ジン)」(ニルソンデザイン事務所発行)は、2015年に創刊した「縄文」がテーマのフリーペーパー。火炎土器、貝塚、アイヌといった特集のほか、現代じみた縄文人が会話する「立話、最近の縄文人」や漫画などの笑える企画も。昨年1月には青森県の委託を受け、青森の特集号も発行した。
 現在は年2回のペースで毎回3万部を発行し、全国の博物館や書店、飲食店などで配布している。ターゲットは、従来の縄文ファンには少ない20~30歳代の男女だ。
 編集長は、東京都でデザイン事務所を経営する望月昭秀さん(46)。「縄文はダサい、古い、お勉強という世間の思い込みに、思いっきり対抗しようと思った」といい、デザインや写真、イラストにもこだわる。「縄文時代の楽しみ方は千差万別。何しろ他の時代のように、事件や人物で読み解くことができないから」と魅力を語る。
 縄文人が現代人の悩み相談に答える、望月さんの単行本「縄文人に相談だ」(国書刊行会)は、多くの新聞や雑誌で取り上げられるなど話題に。7月にはビジネス書「縄文力で生き残れ」(創元社)も刊行予定だ。
 一方、県内でも今春、縄文のフリーペーパーが生まれた。「あおもり縄文女子」(県世界文化遺産登録推進室発行、総合企画・協同)のターゲットは女性。赤をポイントに使ったメーク、長い髪を「お団子」にまとめたヘアアレンジ、貝や天然石のアクセサリーなど、現代の女性が取り入れられる縄文ファッションを専門家が提案した。
 同誌の企画・取材をした青森市の企画家・シマナカヤストモさん(48)は「縄文と現代は似ている。どちらも平和な時代で、おしゃれをする文化があることに着目した」と話す。同誌は1万部作製。「かわいい」と評判で、県外からも問い合わせがあるという。
 県世界文化遺産登録推進室の一戸佳子主査は「縄文愛好家のツイッターなどでは『青森は縄文の聖地』と言われている。県内の人も縄文遺跡を自分たちのものと捉え、世界遺産になるんだという思いを持ってほしい。縄文フィーバーが広がり、さらに盛り上がっていけば」と期待を込めた。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/199284

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台湾・高雄市政府原住民事務委員会の関係者 象徴空間運営本部で意見交換

2018-06-15 | アイヌ民族関連
苫小牧民報2018/6/14配信

 台湾の高雄市政府原住民事務委員会の関係者が11日、白老町内のアイヌ民族文化財団象徴空間運営本部を訪れた。象徴空間の開設に向けた準備やアイヌ民族を取り巻く現状などについて、同運営本部の職員と意見交換。双方ともに「これからも交流を続けていきたい」と話した。
 1997年に高雄市で開催された原住民フェスティバルを機会に旧アイヌ民族博物館が原住民族との交流を続けてきた。今回は、2024年に高雄市に国立原住民族博物館が開設されることが決まったことを受け、道内のアイヌ民族関連施設などを視察することを目的に、委員会関係者2人と高尾氏原住民族大学の講師2人が11日に本道入り。最初の視察地として白老町を訪れ、象徴空間の開設に向けた準備を進める同運営本部の職員らと交流を深めるとともに、意見交換を行った。
 アイヌ民族の伝統衣装に身をまとった職員らが出迎え、同委員会の陳海雲・教育文化主任は「このような歓迎に感謝したい」と語るとともに、一行のメンバーらが着用した民族衣装なども披露。高雄市には16の原住民、言語が方言を含め42あること、大学では、言語や服飾、産業や集落の作り方などを学び合っていることなどを紹介した。
 また、象徴空間の概要や検討を進めている体験プログラム、アイヌ民族を取り巻く現状などについて職員から説明を受け、陳さんは「今後も互いの文化を深めていけたら」と話した。
https://www.tomamin.co.jp/news/area2/14025/


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通史編を読む/7 一大産業センター 中世後期の下北半島 /青森

2018-06-15 | アイヌ民族関連
毎日新聞2018年6月14日 地方版
 本州の北端に、振りかざした斧(おの)のように突き出している下北半島。中世には田名部と呼ばれ、糠部(ぬかのぶ)(14世紀以降は糠部郡)の一部であったが、馬産地として名をとどろかせた一戸から九戸とは区別されていた。しかし、中世後期(14~16世紀)には独自の発展をとげていた様がうかがわれる。
 まず、半島の東の突端、下北郡東通村尻屋にある浜尻屋貝塚を見たい。この遺跡は14~15世紀を中心とする貝塚であり、国指定史跡にもなっている。注目されるのは、エゾアワビの殻の大量出土である。カマド状遺構も伴っており、アワビを煮て、乾燥させたのではないかと推定されている。オットセイやアザラシの骨、それらを狩るためにアイヌ民族が用いた銛頭(キテ)も出土している。
 こうしたことから浜尻屋貝塚には、和人の求めに応じて本州アイヌの人々がアワビを加工し、出荷した遺跡という評価が与えられている。能登半島産の焼き物も出土し、日本海沿岸地域との関係もうかがわせた。今も昔もアワビは高級食材である。その加工品を遠隔地まで出荷し、大きな収益をあげていたのであろう。
 建物の棟上げの際に製作される棟札(むなふだ)にも興味深いものがある。1486(文明18)年8月21日の日付をもつ、東通村田屋熊野神社所蔵の「熊野三所権現宝殿建立棟札」には、「田宣」(田名部)の住人平太郎満正なる鍛冶の名が見える。また、1553(天文22)年6月吉日「徳城寺堂宇造営棟札」(八戸市小田八幡宮所蔵)には、釘鉄を田名部から取り寄せたと記されている。
 これらは下北半島で製鉄業や鍛冶が盛んであったことを示唆するものであり、天然の良港が多いことも考えあわせると、造船とも関連する可能性がある。中世後期の下北半島は、一大産業センターであったといっても過言ではない。
 さて当時、下北半島を支配していたのは、八戸(根城)南部氏である。同氏ゆかりの史料では、1457(康正3)年に下北半島を舞台として大きな反乱が起こったとされている。蠣崎(かきざき)蔵人(くらんど)の乱である。「通史編1」では、蠣崎蔵人の存在に疑問を投げかけ、乱の実態についても新しい解釈を示してみた。関心のある向きには、ぜひ通史編を手にとってご覧いただきたい。=次回は20日に掲載<元青森県史編さん専門委員・東北大学教授・柳原敏昭>
 ■メモ
 中世後期の下北半島については、通史編1の第九章第一節「室町時代の北奥」を参照してください。
https://mainichi.jp/articles/20180614/ddl/k02/040/125000c

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東北版「オセロ」で知るシェークスピア劇の本質

2018-06-15 | アイヌ民族関連
ニュース屋台村6月 14日 2018年
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第135回
◆仙台藩が統治する「蝦夷地」
6月9日に国際基督教大学(東京都三鷹市)で行われたシェイクスピア・カンパニーによる「アイヌ 旺制露(オセロ)」は、シェークスピア劇を仙台藩が統治する「蝦夷地」に舞台を置き換えただけではなく、そこから立ち上がる劇の本質がくっきりと浮かび上がり、観(み)る人を圧倒した。
東北人である私にとっては、何か共有できる感覚に膝(ひざ)を打ちつつ、自分を見つめなおす新鮮な感覚でもあった。
原作「オセロ」はベニス軍を率いる黒人の将軍オセロとベニス元老議員の娘デズデモーナの結婚により、表面的には忠実な部下を装うオアゴーの「憎しみ」渦巻く心境を動機付けとした企てでオセロの副官キャシオとデズモーナの不倫関係をでっちあげ、オセロを信じ続けるデズモーナをオセロは自らの手で死に至らしめる悲劇である。シェークスピアの四大悲劇の1つで、最も分かりやすい展開といわれている。
◆笑いも誘う宮城弁
これをアイヌと仙台藩の関係になぞり設定した舞台は江戸時代末期の万延元年(1860年)、現在の北海道南東部にあたる地域である。現地の「司令官」である旺征露(オセロ)はアイヌ人で「仙台藩エトロフ脇陣屋筆頭御備頭(おそなえがしら)」の地位にあり、仙台藩ネモロ脇陣屋御微備頭、草刈番匠の娘、貞珠真(デズマ)と結婚する。
そこに策略をめぐらすのが旺征露の部下でエトロフ脇陣屋付旗持、井射矢吾(イイヤゴ)だ。この悲劇が宮城の方言で繰り広げられるのだが、軽快な言葉のやりとりに時には笑いを誘われる場面も少なくない。
宮城の言葉は幼い頃から聞きなれた私には懐かしく耳にすーっと入ってくるが、おそらく知らない人には難解であったかもしれない。それでも独特のリズム感のセリフ回しと、物語の進行を追えば、何となく理解できたような気になるから、舞台も悲劇も成り立つから面白い。
◆差別ではなく嫉妬
セリフ回しの中で頻繁に出てくるのは、新聞・放送用語では差別用語として決して一般メディアでは使われない言葉たち。「土人」「アイヌのくせして」など。
今回の共同演出を手掛けたアイヌ民族である秋辺デポさんは「NHKじゃあるまいし」と話し、自らが差別された経験から「差別は隠そうとするから、また差別が起きるのです」とストレートな言葉で劇を表現した思いを語った。
さらにイイヤゴがなぜ憎しみを抱き、オセロを貶(おとし)めたのかを「嫉妬(しっと)」であると解説した。イイヤゴはアイヌとの混血であり、同じ血が流れるオセロに対する嫉妬が憎しみになったという。オセロは差別をめぐる物語だとの認識の中で、私ははたと膝をたたく。
四半世紀以上も前、ある有名な経営者が東北人を「熊襲」と発言したことに腹を立てた大人たちに「なぜだろう」と思い、その後「差別というもの」を探した私の、それは明快な答えだった。
◆南三陸に劇場建設を
シェイクスピア・カンパニー主宰で演出・脚本を手掛ける下館和巳・東北学院大教授は「被災地である南三陸に木造の劇場を建てるのが夢です」と話す。
「劇場建設」を掲げてシェイクスピア・カンパニーが発足したのは1992年。東北地方の言葉と歴史を生かした作風でシェークスピア劇をアレンジし注目を集め、「恐山の播部蘇(マクベス)」は2000年に英国エディンバラ演劇祭で上演され、2006年の「破無礼(ハムレット)」も東京などで好評を博した。しかし2011年の東日本大震災で活動休止に追い込まれ、2012年5月に活動を再開した後は「新ロミオとジュリエット」(2013年)、「新リア王」(2014年)、「新ベニスの商人」(2015年)は被災地をめぐった。そして劇場建設の夢は「被災地に建てること」が加わった。
これなら、きっと出来る、と思いつつ、楽しみながら観ていきたいと思う。
引地達也(ひきち・たつや)
一般財団法人福祉教育支援協会専務理事・上席研究員(就労移行支援事業所シャロームネットワーク統括・ケアメディア推進プロジェクト代表)。コミュニケーション基礎研究会代表。精神科系ポータルサイト「サイキュレ」編集委員。一般社団法人日本不動産仲裁機構上席研究員、法定外見晴台学園大学客員教授。毎日新聞記者、ドイツ留学後、共同通信社記者、外信部、ソウル特派員など。退社後、経営コンサルタント、外務省の公益法人理事兼事務局長など経て現職。
http://www.newsyataimura.com/?p=7501

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台湾・台東県で伝統を守り、自然と共存する民族の文化に出会う

2018-06-15 | 先住民族関連
OTEKOMACHI 2018.6.14
 台湾・台東県の風景をさらに特徴づけているのが、「台湾原住民」の伝統的な文化です。17世紀以降、中国大陸から多くの漢民族が台湾に移住しましたが、それ以前から暮らしている先住民族のことを台湾ではこう呼びます。金峰郷(チンフォンシャン)にある美しい村を訪ねました。
観光地としても人気を集めるパイワン族の村
 台湾の全人口に占める「原住民」の割合は約2%で、台湾当局が認定しているのは16部族。その多くが東部に居住しています。彼らは漢民族の人たちと同じように近代的な生活を送りながら、独自の文化や芸術を伝承しています。なかには、それらを観光資源として旅行者を受け入れ、生活風景の見学などを受け入れているところも。金峰郷もそのひとつです。
 台東県の中心地、台東から電車で約2時間半。金峰郷の太麻里(タイマーリ)駅の周辺には、パイワン族やルカイ族、プユマ族の集落があり、多くの観光客が訪れています。
 太麻里駅で電車を降りて目にするのは、広大な太平洋と、果物のライチやハーブの一種「ローゼル」が育つ緑の畑、そして、その合い間に点々と立つパイワン族のカラフルな家々。日本からは距離がありますが、この美しい風景を見ると、「ここまで来てよかった!」と心から思います。
 この絶景もさることながら、私がここを訪れた理由は、パイワン族の人々に会いたかったから。以前、取材で訪れ、その美しい文化や伝統を守る姿勢にすっかり魅了され、再びここまでやって来たのです。
 金峰郷で宿泊したのは、畑と海を見下ろす高台に立つ新興(シンシン)村にある小さな宿、「吉廬夫敢藝文民宿」。近代的な鉄筋コンクリート造りの一部に、伝統的な石積み工法を採用し、パイワン族の物語や歴史を刻んだ彫刻や壁画を随所に施した、インパクトのある建物です。
 こちらのオーナー、パイワン族のウツズさんこそ、私が一番会いたかった方! ハンサムなジェントルマンで知的な方ですが、パイワン族伝統の衣装をまとうと、とても勇ましく、伝統と受け継ごうという情熱を感じます。
 宿の1階には、パイワン族の美しい衣装が飾られています。彼らの民族衣装は「台湾原住民」のなかでも最も装飾が多く、ビーズや貝が縫い付けられた刺繍ししゅうはとても鮮やか。
 そのなかに、カタカナが彫られた木の板がありました。これは家系図です。パイワン族は文字を持たないため、日本統治時代に教え込まれたカタカナを表音文字として使っていた時代の名残りなのだそう。まさか、ここで日本語を見つけるとは。
 客室はカラフルなパイワン族の衣装を反映しつつも、かわいらしい雰囲気。必要なものはすべてそろっていて快適です。夜になってテラスに出ると、頭上には星空が広がり、眼下には家々の明かりが点々と灯ともっていました。
●吉廬夫敢藝文民宿
カラフルなルカイ族の村を、1日散策
 金峰郷には、五つの村があります。新興村にあるパイワン族の「吉廬夫敢藝文民宿」に泊まった翌日は、隣にある嘉蘭(カアルワン)村で、ルカイ族主催の1日集落探訪ツアーに参加しました。ルカイ族を紹介してくれたのは、パイワン族のウツズさん。部族は違っても、ネットワークが築かれているようです。
 まずは、村の中心地で入村式。訪れた人たちを家族として迎える儀式で、ここで悪い憑つきものを落としてから村に入るよう、そして楽しい旅となるよう、ルカイ族の言葉でお祈りをしてくれます。言葉は分からないけれど、緑が香るなかで禊みそぎをしているような、神聖な気持ちになりました。
 次に訪れた、頭目たちの集会所では、偶然にも、幼稚園児が村のお祭りに向けて伝統的な踊りを練習中。色鮮やかな伝統衣装をまとった子どもたちが元気に迎えてくれました。集落では、普段は私たちと同じようにインターネットやスマートフォンを使って生活していますが、こうして伝統も守っているのです。これはとてもステキなこと。
 集会所には、伝統的な石積み工法の家も残されていました。中に入ると、ひんやりと涼しくて、思いのほか広々とした空間がありました。敵の侵入を見張るために作られた穴や、暑い時は涼しく、寒い時は温かく暮らす工夫も見られて、興味津々。
 嘉蘭村にはいくつかの集落があり、それぞれにリーダーである頭目が存在します。ツアーでは、頭目のご自宅も訪問することができました。壁に描かれているのは、集落に伝わる伝説や、先祖から伝わるルール。一見すると現代アートのようでとてもカラフルですが、そこには大切なメッセージが込められています。
 嘉蘭村ツアーでは、ランチ、ディナーともに村内の食堂でいただきます。メニューは、スーパーフードのキヌアをたっぷりと混ぜたお米や、村で育つオーガニックの野菜、豚のくん製、みそ汁など、私が今まで食べた台湾料理とはずいぶんと異なりますが、滋味に富んだとてもおいしいものでした。
 ちなみに、本来は同じ部族であれば、一つの大皿から分け合って食べるのが習慣。客人が来たときは、食べる仕草しぐさやマナーから、相手の性格を読み取ることもあったといいます。
 「ありがとう」は、パイワン族の言葉で「マサル」、ルカイ族の言葉で「サーパオ」。旅をしている途中、私は何度、この言葉を口にしたことでしょう、自然と共存し、工夫して生きる人々の暮らし。この旅では、今を生きるためのヒントを得ることができるように思います。
https://otekomachi.yomiuri.co.jp/escape/20180614-OKT8T87808/

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米先住民の元海兵隊員死去サミュエル・ホリデー氏

2018-06-15 | 先住民族関連
福井新聞2018年6月13日 午後0時45分
 サミュエル・ホリデー氏(第2次大戦に従軍した米先住民ナバホ族の元海兵隊兵士)AP通信などによると11日、西部ユタ州で死去、94歳。死因など詳細は不明。
 太平洋戦争中の1943年、19歳で米海兵隊に入隊。通信内容を日本軍に知られないようにするため、ナバホ族の言葉を使う暗号通信兵「コードトーカー」として従軍し、米軍の勝利に貢献した。米映画「ウインドトーカーズ」(2002年)のモデルになった暗号通信兵の生存者は10人以下と伝えられている。(ロサンゼルス共同)
http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/600844

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コロンビア ガレラス山で火山性地震M4.9 建物損傷 死者2人 噴火の前兆か?

2018-06-15 | 先住民族関連
ハザードラボ2018年06月13日 12時20分
 南米コロンビアで日本時間12日午後、ナリニョ州のガレラス火山を震源とするマグニチュード(M)4.9の地震が発生した。地元メディアによると、地震発生直後にエクアドルとの国境近くで2人の死亡が確認されたという。
 米地質調査所(USGS)によると、地震が発生したのは日本時間12日午後6時35分、コロンビア南西部ナリニョ州の都市サン・ホアン・デ・パスト市の南9キロに位置するガレラス山。
 地元メディアによると、カメーロ・ロメロ州知事は会見で、「国境近くのブリセーニョ町で2人の住民が死亡した」と発表したが、死亡したときの詳しい状況などは伝えられていない。
 コロンビアの国立災害管理当局(UNGRD)やナリニョ州政府によると、火山周辺では複数の民家や金融機関などの建物が損傷を受けていることから、緊急対策本部を開設し、被害状況の確認を急いでいる。
 フアン・マヌエル・サントス大統領は自身のSNSでも2人の死亡を明らかにし、「被災者の家族と連帯を表明する」とコメントした。
 標高4276メートルのガレラス火山は、山頂の地形がガレー船に似ていることから、16世紀のスペインの統治者がつけた名前で、先住民族の間では、「炎の山」を意味する「Urcunina(ウルクチーナ)」と呼ばれていた。
 歴史に残る最初の噴火記録は16世紀にさかのぼるが、1988年以降、活動が活発化しており、1993年1月には現地調査に訪れた研究者グループとガイド9人が小規模噴火に巻き込まれて死亡している。
 2010年8月の大爆発は、マグニチュード4クラスの地震が発生し、火砕流が発生していることから、コロンビア国内で最も危険な火山のひとつとされる。
http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/2/5/25175.html

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プユマ族出身の陳、プロ先発初勝利 “台湾の大谷”として期待の20歳

2018-06-15 | 先住民族関連
中央フォーカス台湾2018/06/13 17:24

(台北 13日 中央社)台湾プロ野球、中信の陳琥投手が12日、中部・台中市内で行われた富邦戦に先発した。5回2/3、6安打3失点とまずまずの投球だったが、打線の援護もあって今季2勝目を挙げた。2016年の入団以来、先発での初白星となる。試合は中信が9-4で勝利した。
陳は台湾原住民(先住民)プユマ族出身の20歳。高校時代は強豪校・穀保家商(新北市)のエース兼4番として活躍しており、台湾の大谷翔平になることを期待され、プロ入りした。だが、1軍初登板は3年目となる今年3月下旬のことで、野手としての出場はいまだになかった。
この日は、元阪神で中信の鄭凱文投手が陳の後を継いで2番手として登板。1回1/3無安打無失点で今季2ホールド目を挙げた。
(黄巧ブン/編集:羅友辰)
http://japan.cna.com.tw/news/aart/201806130005.aspx

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