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おむすびの具や弁当の定番は「サケ」? それとも「シャケ」?

2020-12-14 | アイヌ民族関連
ウェザーニュース 2020/12/13 12:23

白鮭が出回る時期です。ところであなたは「鮭」をどう呼びますか? 鮭の切り身の画像を見てもらい、何と呼ぶことが多いか大規模アンケート調査を行ったところ、「シャケ」派が6割を超えていました。「サケ」と「シャケ」、なぜ2つの呼び名が生まれたのでしょうか。
62%が「シャケ」と呼んでいる
ウェザーニュースが、「『サケ』と『シャケ』、何と呼ぶことが多いですか?」というアンケート調査したところ、62%が「シャケ」と回答しました(2020年11月21〜22日実施、7982人回答)。「シャケ」が多数派だったのです。
地域別に見ると、全国的には少数派の「サケ」が優越していたのが甲信(60%)、北陸(57%)、中国(50%)で、他の8地域は「シャケ」が多数派だったのです。

「シャケ」は“江戸っ子訛り”?
「一般名称は『サケ』で、『シャケ』は地方名とされています。文献によると、その地方は東京で、いわゆる“江戸っ子訛(なま)り”と解説されています」と言うのは、歳時記×食文化研究所の北野智子さんです。
しかし、北野さんは“江戸っ子訛り”説に疑問を持ちます。“江戸っ子訛り”は「シ」と「ヒ」が入れ替わるので、「東」を「シガシ」、質屋を「ヒチヤ」と言ったりします。
「『サケ』が『シャケ』になるのが“江戸っ子訛り”なら、『鯖(サバ)』を『シャバ』、『秋刀魚(サンマ)』を『シャンマ』と言うかといえば、そういう記録はありません。“江戸っ子訛り”説は怪しくなりました」(北野さん)
「鮭」は「フグ」の古名だった
「漢字から由来を調べてみると、『鮭』は本来『フグ』と読み、河豚の古名でした。『鮭』のつくりの『圭』が『怒(いか)る』を表し、フグは怒るとマリのように腹が膨れる魚だからです。『サケ』の本字は『ナマグサ(生臭)』を意味する『鮏』で、『鮭』は俗字で後世の使用だといいます」(北野さん)
ちなみに、今の中国でサケは「三文魚」と表記されています。安っぽい魚のように聞こえますが、英語のsalmon(サーモン)から来ているそうです。
「シャケ」の語源はアイヌ語だった
北野さんがさまざまな文献を調べた結果、一つの結論に達しました。
「シャケの語源は、アイヌ語で“夏の食べ物”を意味する『シャケンベ』から来たというのが一番信頼できる説です。シャケは東北や北陸地方でも獲れましたが、一大産地といえば北海道です。江戸時代にアイヌとの交易でもたらされた『シャケンベ』が『シャケ』として流通していたと思われます」(北野さん)
旬の秋に獲れる鮭を「アキアジ」と呼ぶことがあります。この呼び名も、「秋の魚」を意味するアイヌ語の「アキアチップ」が転訛(てんか)したものだと北野さんが付け加えます。
「サケ」の地方名とされた「シャケ」が、実は「サケ」の本場の北海道の先住民族アイヌの「シャケンベ」が語源の可能性があるというのです。すると「サケ」という呼び名も、「シャケ」から来ているのかもしれません。
今が旬の鮭。その呼び名に思いをはせながら、美味を堪能してはいかがでしょうか。
» ウェザーニュース記事一覧
参考資料など
『飲食事典』(本山荻舟/平凡社)、『たべもの起源事典』 (岡田哲編/東京堂出版)、『たべもの語源辞典』(清水桂一編/東京堂出版)、『魚へん漢字講座』(江戸家魚八/新潮文庫)
https://weathernews.jp/s/topics/202012/070155/

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高知国際版画トリエンナーレ展 海外作品の強いメッセージ  

2020-12-14 | 先住民族関連
高知新聞 2020.12.12 08:44
吾川郡いの町の紙の博物館で開催されている「第11回高知国際版画トリエンナーレ展」には、12カ国27人の海外作家の版画が並ぶ。自国の文化や歴史、グローバルな社会問題をテーマに据えた作品は、強いメッセージを鑑賞者に投げ掛ける。26日まで。 
 1990年に土佐和紙の普及と文化発信を目的に始まった同展には、毎回多くの海外作品が集まる。2007年の第7回展には過去最多の77カ国から寄せられるなど、世界で広く知られる版画の公募展となっている。
 今年は41カ国・地域から1019点の応募があり、入賞19点と入選82点を会場に展示。海外作品はタイ、中国、ポーランド、アメリカなどの入賞6点、入選21点が並ぶ。
フランシスコ・ロブレス「THE ROOT IS PRECEDED」(エッチング、アクアチント、ドライポイント)
 入賞作で目を引いたのは、農夫として生きた祖父を描いたフランシスコ・ロブレス「THE ROOT IS PRECEDED」(メキシコ、佳作賞)。表情や服装に農夫の労苦を刻み、トウモロコシと古代遺物がその背景を表象している。作者のルーツにある先住民族への畏敬の念や白人に支配された歴史への思いがうかがえた。
 入選作では、権力者の武力と言論への向き合い方を描いたマルコ・トレンティン「TURNOVER GENERAL」(イタリア)。権力者は星条旗に口をふさがれ、中央には武器とマイク、下部には監視塔を挟んで座り込みをする人々と軍隊が描かれる。武力で言論を押さえつけるのではなく、他者への想像力こそが権力者に必要なものだと示唆している。
 温暖化や大気汚染、戦争など、破壊されていく地球をテーマにした作品も見られた。自然と人間の向き合い方を問うたシュールト・テゲラース「The burial of the fish」(オランダ)、広島の原爆をモチーフにしたクリスチャン・ダイデリックス「BLOODROOTS V(APOCALYPSE)」(南アフリカ)。モノクロームの版画に「今行動しなければ世界は破滅に向かう」という強い懸念がにじむ。
 審査員を務めた国立国際美術館の中井康之副館長は、「海外作品には、政治や社会へのメッセージを込めたものが多く、作品に力がある」と評価。「日本とは異なる文化や世界観も感じられる。国内作品とともに楽しんでほしい」と呼び掛けている。(楠瀬慶太)
https://www.kochinews.co.jp/article/420939/

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