20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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『夏のトビラ』(ひぃふぅみ)

2008年09月09日 | Weblog
(社)日本児童文学者協会で主催している、「23期児童文学学校」の卒業生の有志の皆さんで作られた同人誌『ひぃふぅみ』が、このたび終刊を迎えられました。
 13年にわたられた「ひぃふぅみ」の実績は児童文学の世界で、存在感を放っていました。
 終刊号は『夏のトビラ』
 麦わら帽子をかぶったうしろすがたの少女が、湖畔のコテージに佇んでいる写真の表紙です。
 表紙タイトルにぴったりの、初々しく夏らしい写真の表紙です。
 同人誌というより、おしゃれな雑誌の表紙みたいです。

 私はその同人誌に、二度ほどお邪魔しています。代表のUさんからお送りいただいたお手紙によると、1996年4月と2006年9月だったそうです。
 
 力のある方たちの揃っていらした同人で、毎回、ずっしりと読み応えのある作品群と出会えるのを、とても楽しみにしていました。
 いまでも覚えているのが、その1996年、港区の図書館での合評会にお邪魔したときのことです。合評を始めようと原稿を取り出した瞬間、皆さんの作品についてあれこれを講評として書いてきたノートがどこにも見あたらないことに気づきました。
 どうやら不覚にも、自宅の机の上に忘れてきてしまったようでした。
 あのときの焦りまくった気持ちを、私は今でもしっかりと覚えています。
 そんな青ざめた私の顔を、心配そうにのぞき込まれていた皆さんのお顔と共に。

 最後の同人誌『夏のトビラ』を、私はいま、皆さんの新たな旅立ちのしるしとして受け止めています。
 夏のトビラを開けた瞬間、そこに挟まれてあった同人の皆さんのお写真に写ったまっすぐな眼差しと、ひかり輝いている笑顔を見つめながら。

 2008年8月23日。
 この日は、終刊の日であると同時に「ひぃふぅみ」の皆さんの次のステージへの旅立ちの日でもあります。
 次のステージでのご活躍をわくわくしながら見守らせていただきたいと思っております。
 代表のUさん、そして皆さん。この『夏のトビラ』を、ぜひくさんの人たちにお読みいただきたいですね。
 
コメント (2)
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