20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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絵本 きらめく

2008年09月12日 | Weblog
 朝日新聞の夕刊で、すでに12回(今夜で13回目)にわたり、「ニッポン人脈記」の(絵本 きらめく)がシリーズで掲載されています。
 
 これがとてもおもしろい。
 私は毎日、夕方になるとこのシリーズを楽しみに、新聞受けをのぞく習慣がついてしまっているくらいです。
 日ごろ存じ上げている絵本画家の皆さんのご紹介かしらと思いきや、さにあらず。このシリーズの基本テーマは「人脈」です。ですから、単なる紹介にとどまることなく、とても幅広い視野からの「絵本」についてのあれこれが語られているのです。絵本の裏側や歴史などを知ることができ、とてもおもしろいシリーズになっています。
 しかし読んでいて思うのは、同じ児童書である「児童文学・読み物」は、なぜ、こういった形できらびやかに登場させてもらえないのだろうかということです。
 
 2000年、子ども読書年に発足した「子ども読書推進会議」(野間佐和子代表・他に運営委員は松居直氏、猪熊葉子氏、笠原良郎氏、小峰紀夫氏など)というのがあります。私は発足当初から、そこに企画委員として参加していました。(ここ二年は、K理事代表が出席してくださっています)
「子ども読書推進会議」は子どもの読書環境の整備ということで生まれた、児童書に関わるあらゆる団体で組織されたものです。
 具体的な取り組みのメインになっているのが、全国規模で展開される「絵本ワールド」です。
 この「子ども読書推進会議」には、電通や博報堂といった大手の広告代理店なども企画委員として会議に加わっていらっしゃるので、「絵本ワールド」もその人たちが中心に参画しています。
 いつだったか、児文芸の元理事長のOさんと、その会議の席で、「児童文学、読み物についても、そういった企画をいつか取り組んでいただけないでしょうか」という提案をしたことがありました。
 しかし、児童文学といった読み物より、絵本の方が、ある意味子どもたちへの吸引力があるようで、返答はあいまいなまま立ち消えになってしまいました。

 同じ児童書の世界の人間として、こうして絵本の世界が、その人脈もふくめて取り上げられることは、大変喜ばしいことです。うれしいことです。
 しかしあらゆる場面に絵本は入っても、「児童文学」という文字だけは概して、ひとカケラも入ってこないことに、一抹の寂しさを感じるのは、私だけでしょうか?
 
コメント (2)
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