20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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『美しい日本語』(山下景子・幻冬舎)

2008年09月30日 | Weblog
 数年前にベストセラーになった本です。
 俳句を作る参考になればと、発売と同時に買って書棚につっこんでいました。
「美しい日本語」の表題どおり、この本にはとにかく美しい日本語が溢れています。

 今日で9月もおしまいです。
 blogに「9月尽」と書くのもあまりにも味気がありません。そこで、9月のおわりをこの本はどんなふうに書いているかしらと、久しぶりに書棚からひっぱりだしてみました。
 そこで見つけたのが「鹿鳴草」(しかなぐさ)という言葉です。
 これは秋の七草でもある「萩の花」の異名だそうです。記述によると、「萩」というのは、大陸から流れてきた文字が変形したものではなく、日本人が考え出した漢字なのだそうです。そんな国字が生まれるくらい、古来から日本人は萩を愛でていたようです。

 亡くなった父が好きだったのが、その萩の花でした。
 父の愛した萩が、「江戸絞り萩」という、粋な名前だったということを調べ出したのは弟です。
「親父のセンスの良さに感心した」
と、そんな言葉を添えて。
 それは父が亡くなって10年がたった、ある秋の日のことでした。

 明日から10月。
 夏から咲いていた萩も、そろそろおしまいの季節です。
コメント (4)
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