隔月に行なっている、今夜はその読書会です。
今回は、合宿もあったし、どうしようかしらと話し合った結果、やりましょうと。
テキストは『夢見る帝国図書館』(中島京子・新潮社)です。
中島さんは、直木賞作家です。
その彼女には、「フォーラム・子どもたちの未来のために」の、初めての京都でのフォーラムの際も、基調講演をやっていただきました。
そのときも、このご本のことをご紹介しましたが、我々書き手に実に、様々な刺激を与えてくれるご本です。
人物形象、取材、構成、こだわるということ。
中島さんの問題意識がぎゅっと詰まりながら、それが物語に溶け込んでいます。
折々に挟まれる、帝国図書館のお話。ファンタジーめいていますが、これも、この作品を書く上で、こうした形で残していくぞ、というさまざまな取材をされた、中島さんの決意のようなものを感じます。
今夜は、合宿に続いての読書会なので、参加者が少ないかもしれません。
でも、こうして丁寧に取材しながら、ご自分のこだわりを、人物に、そしてストーリーに溶け込ませていく。
その時間をかけた「作り」から、学ぶことの多い作品だと思います。
出版不況のため、自転車操業的に、本がどんどん出ている時代。
だからこそ、書き手はじっくり「書きたいもの」と向き合い、ブレずに時間をかけて書き上げる、ということを、このご本は教えてくれていると思います。
ちなみに、中島さんに「売れてるでしょ?」と、京都の二次会の居酒屋で伺ったら、「少しずつの増刷ですけど、結構、版を重ねています」と。
面白いものは、やはり面白いですもの!