梅雨入りが宣言されたのか、されてないのか。
それさえも記憶にないくらい晴天が続く北陸の六月。
何も予定のない日曜日の午後。
しかも快晴、せっかくだからと初夏らしい風景を探しに越前海岸へ出てみることにした。
石川県南部から福井県敦賀市にかけての海岸線は国定公園に指定されているほどで、
この時期の午後は海と空がとけあってまぶしくも美しい風景が広がる。
中でも、東尋坊は全国的にもよく知られているが、
切り立った崖が日本海に沈みこむことでつくられる雄大な自然の眺めが特徴といえる。
その海岸線に沿って走るのが国道305号線で、
あるところでは高台から、またあるところでは波打ち際からと
海と空の景色を様々な表情で眺めることができる。
一方で、沖合に良質の漁場を持つ越前海岸にはいくつもの漁港が栄え、
漁業を生業とした町が海の原風景をつなぐように点在している。
それぞれの港には、冬の越前ガニに代表されるように、新鮮な海産物求めて観光客がひっきりなしに訪れることから
その沿道には土産物店や料亭などが軒を連ねている。
つまりは、ひと筋の海岸線に荒々しい自然と人の営みが数珠つなぎのように混在していて
それが越前海岸を観光地としても魅力的なものにしているのだと思う。
さて、そんな漁港のひとつが三国港。
福井県一の川、九頭竜川の河口に開けたこの港は
冬でも荒れた外海の影響を受けることなく大型の漁船が何隻も停泊できることから、
福井県はもちろん、北陸でも有数の港である。
この日、快晴にもかかわらず、立っていられないほど風が強く、
外海の波は高くうねっていたが、それでもここはこの穏やかさ、良港の由縁だ。
漁の合間、ひと気のない静かな漁港。
午後の順光を受け、やさしく光る水面に高く澄んだ空。
思い通りの初夏の風景に出合った思いである。
折にふれての選曲。
記事と関連があるわけではないが、ドライブの間、流れていたタワー・オブ・パワーのバラードを。
Tower Of Power - So Very Hard To Go (つらい別れ)
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