ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

ニホンオオカミは生存している?

2008-10-17 09:55:02 | 読書日記
今年は「最後のニホンオオカミ」が東吉野郡鷲家口で捕獲されて、100年目に当たります。
この記念年の明10月18日(土)、19日(日)の二日間にわたって、東吉野村ふるさと会館で「第3回ニホンオオカミフォーラム」が開催されます。



当日は貴重なビデオ放映や資料展示の他、外国産狼放獣問題(シカの食害で破壊される森林を守るために、外国産のオオカミを放つこと)の討論会も行われます。

主催者の「ニホンオオカミ・カワウソ研究会」代表で、奈良県野生生物保護委員会の代表でもある中尾敏夫さんから、8月にご案内を頂いていたのですが、あいにく地域の行事と重なって参加出来ません。

ニホンオオカミは、この鷲家口で捕獲され現在は標本となって大英博物館で展示されているものが最後とされてますが、その後も「姿を見た」人や「鳴き声を聞いた」人が何人もいると言います。



わが家の本棚からこんな古い(昭和42年刊)本を見つけ出して再読しました。
この著者もニホンオオカミの生存を信じ、台高、大峰を始め各地で体験談を聞き集めています。

その中でも昭和34(1959)年、南紀美山村でオオカミの仔が拾われて、祟りを恐れてすぐ山に返された話、その近くで昭和41年12月30日に今西錦司博士一行が雪中で吠える声を聞いたなど、興味深いものがあります。
野犬との見間違え、聞き間違えではないかと疑われますが、オオカミの口縁には独特の線紋があり(そのため口が裂けていると見誤られる)、鳴き声は犬とは比べようもなく凄いものだそうです。


上はこの本に出ていた徳川末期の「獣類写生帳」のオオカミ。
足に犬にはない「水掻き」があります。なお「足の指跡は狼は五つ、野犬は四つ」だそうです。

幻の動物の生存説には夢やロマンがあります。いつまでも日本の山野を走り回っていて欲しいものです。