ペンギン夫婦の山と旅

住み慣れた大和「氷」山の日常から、時には海外まで飛び出すペンギン夫婦の山と旅の日記です

秋晴れの金剛山(2013.09.20)

2013-09-21 20:44:35 | 山日記

今朝も素晴らしい青空が拡がっている。7時に水越峠に着いたが林道ゲートの前にはすでに3台の車とバイクが置いてあった。身支度をして林道(ガンドガコバ線)に入り、南に行く。舗装と地道、緩い登りとほぼ平坦な道を何度か繰り返していくと、右手の水オロシ谷の流れが次第に近づいてくる。


赤紫色のツリフネ、黄色のキンミズヒキ、オタカラコウ、白いヒヨドリバナなどを見ながら歩く。大阪から奈良へ府県境を越えるところが越口で、「祈りの滝」へ通じる道がある。私たちはまだ通ったことはないが、今朝、「祈りの滝」で登り支度をしていた人を車窓から見た。こんな早くから下ってくる二人組の青年に聞くと、なんと4時半にスタートしたそうだ。ここでカヤンボまでの中間点、さらに緩く登って「金剛の水」を過ぎてカヤンボの橋に着くまでに、単独行の男性二人に出会った。


橋でダイトレ道と分かれて西に折れる。右手が開けて大和葛城山を仰ぐ。山頂の高原ロッジがよく見える。


相変わらずツリフネやキンミズヒキの多い道を行って少し山道らしくなり、T字路になったところで左に行く。左に狼谷を見下ろす処を過ぎ、またヒノキ植林の中の広く歩き易い道になる。大きく二三度、カーブすると少し開けた草地で、ベンチが置いてある。歩き始めて約1時間半。ここで初めて腰を下ろして水分を補給した。ここから傾斜のきつい山道になるが、僅か10分足らずで楽に太尾塞に着いた。太尾道と合流して尾根道を行くが、ここから六道の辻までが今日唯一の登りらしい登りだった。


涼しい木陰の道を大日岳へ登る。まだ穂が赤いススキの原から見る河内平野は靄に霞んでいた。社務所へ降りる四つ辻で右に折れて国見城址上の広場へむかう。


ミカエリソウがたくさん咲いているが、余程美味しいのか、ほとんどの株の葉っぱが虫に喰われている。社務所前の広場や国見城址からは賑やかな人声が聞こえるが、ここは無人で空のベンチがずらりと並んでいる。10分ほど腰を下ろして、スモッグが被さる様な大阪南部の市街地を眺める。


城址へ降りて、居合わせた青年にカメラのシャッターを押して貰い、転法輪寺へ。


行者堂へ手を合わせ、牛王を撫でたあと石段を登って本堂へ詣でる。今日は五眼六臂のご本尊・法起大菩薩をしっかり拝めた。


無人の葛木神社に参拝して、裏参道をブナ林へ下り一の鳥居へ。ケーブルへの道と分かれると、いつもより道が抉られていたり、木の枝葉がたくさん落ちているので「台風18号の後だからかな」と話していると、郵便道の入口に通行止めの表示が出ていた。今日は郵便道にせずに良かった。

パノラマ台への道は長い急な木や石の階段が延々と続く。後から来る夫婦連れの声が、ずっと同じ間隔で聞こえている。やっと急坂が終わって、道が右に回るところにベンチがある。ここから前は葛城山が正面によく見えたのだが、植林が進んで少し移動しないと見えなくなった。近くに「金剛山・葛木神社まで1.0km、水越峠まで4.0km」の道標がある。ここからは平坦な尾根道で、ところどころに昔からの町石や新しい「ダイアモンドトレール」を見ながら下る。道が分岐して「すぐに合流します」と表示がある個所が少しゴロゴロしているだけで、緩やかに下っていくと最後に一寸した急坂があって少し開けた、昔「パノラマ台」と呼んでいたところに来る。


ここで山頂から峠への距離の中間点で、木の間越しに御所や五条の町並みを見下ろすところに新しい立派なベンチができていて、近くで地下足袋姿の人が木を削っておられた。声をかけてベンチを使わせて頂き、軽い昼食を済ませる。後から来ていた夫婦連れも、声をかけて下って行った。


カヤンボへの急な下りでは、ところどころにヤマジノホトトギスが咲いていた。中には何輪も連なって咲いている花もある。橋を渡ってからの、帰りの林道歩きはやはり長く感じた。カンカン照りで中天からの日差しがきつく、ときどき陽が雲に隠れたり、木陰があったりするとホッとする。この時間から登ってくる人も何組かあり、暑さで大変だろうと同情する。ようやく林道ゲートと休憩舎が見えると、いつもの場所にトリカブトが美しく咲いていた。7月に太尾を登り北尾根を降りたときに比べると、涼しくなったおかげで楽に登れて、快適な半日の山歩きだった。




<コースタイム>水越峠07:10…カヤンボ07:47…太尾塞登り口08:35~08:45…太尾塞08:52…六道の辻09:10…大日岳09:25…国見城址上09:40~09:50…葛木神社10:05…一の鳥居10:12…元パノラマ台11:00~11:15…カヤンボ11:33…水越峠12:15