万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

デスクトップに万華鏡

2007-09-30 00:09:53 | 万華鏡ブログ
アート万華鏡は飾っておくだけでも、その存在を主張するようなデザイン性のある作品も多い反面、持ち上げて覗くにも緊張感を覚えるような、デリケートな造りのものもあります。
この作品はフィル・コグヒルさんの木製の作品で、仕事の合間にでも、電話をかけながらでもちょっと取り上げて、気楽に覗いてくださいとばかりに、万華鏡を置く台に、同じ木材製のボールペンがセットされています。名刺やメモを差しておけるようになっており、デスクの上や受付などにちょっと置いたら、気が利いていますね。
コグヒルさんはステンドガラスの万華鏡からスタートした作家さんで、個性的で素晴らしいガラスの万華鏡を創っていましたが、アイディアやデザインの幅をさらに広げるために、木工による作品へと方向転換をしました。倒木や間伐材、廃材を使用した作品も多く、自然が生み出した美を万華鏡という形であらたに表現する喜びを感じながら一点もののユニークな形の作品を製作してきました。
最近ではオーソドックスな手持ち型の作品もいろいろ創るようになり、これも定番万華鏡のひとつです。
この作品はウォルナット材を素材とする、2ミラーの万華鏡ですが、何種類かの木材から選べるようになっています。もともとガラスが専門だっただけに、ガラスオブジェクトも美しく、とてもきれいな映像です。
何気なく手にとって覗いてみたら、万華鏡だった!なんて出会いもあるかもしれない作品です。
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万華鏡に人生の指針を見つけた作家マーシャ・クラークさん

2007-09-27 16:51:53 | 万華鏡ブログ
マーシャ・クラークさんの「Ra-Ta」は、オイルセルで2ミラー7ポイントの映像を展開します。彼女の映像は、しばしば「宝石をちりばめた」という風に形容されますが、オブジェクトセルにはマーシャさんならではのさまざまなものが含まれています。フィリグリーと呼ばれる金銀線細工、クロワゾンネと呼ばれる金と七宝を組み合わせた細工、ヴィンテージビーズ、クリスタル、メタルビーズ、チャームなどユニークなオブジェクトの数々は、ひとつひとつに存在感があるものばかりで、それらをセルの横から見ることができます。
細い筒の向こうに見える映像は、小さくまとまってきらきらする様子が、黒い穴の中に宝物を見つけたようです。時折見えてくるゴールドがゴージャスな雰囲気を醸し出します。
マーシャさんは、人のためになることをしたい、そしてアーティストになりたいという思いから自分の生き方を選びとってきた方です。修士号や学士号を得て、仕事の上でも成功を収めていましたが、重篤な病気の子供達のためにMake-A-Wish 基金を立ち上げ、リーダーとしても活動しました。今もいろいろな活動を支えながら、万華鏡を製作し、万華鏡が人々の心に安らぎと癒しを与えることを信じ、多くの場所でそのことを伝えるべく努力なさっています。越智宏倫さんの「万華鏡は心を癒す」という本にも、彼女の寄稿によるページがあります。
万華鏡作家としては歴史が浅いほうですが、その技術や表現力は高く評価されています。そして笑顔を絶やさない暖かい人柄で包み込んでくれるような作家さんです。
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エレガントな金属製の万華鏡

2007-09-26 23:56:03 | 万華鏡ブログ
浮き彫り模様の美しい、しゅす仕上げのニッケル材の細い筒は銀色の六角形。アイピースやオブジェクトセルの部分にはゴールドの輝きのある真鍮のアクセント。これはマーシャ・クラークさんの「Ra-Ta」という万華鏡です。マーシャさんの万華鏡は、エレガントなデザインとゴールドを多用する込み入った映像が特徴です。最近では、ガラスを使った作品も多いのですが、もともとは金属を素材とする万華鏡からスタートしました。
彼女が万華鏡に出会ったのは4歳ごろ。プレゼントにもらった赤い厚紙の万華鏡に魅せられました。とはいっても万華鏡作家になるまでには、曲がりくねった長い道のりがあったそうです。おとなになってから、買い物の途中で万華鏡キットを見つけ、子供時代の喜びを思い出したくなって作ってみたら、またその面白さに虜になり、1999年スコット・コールさんのもとで、本格的な万華鏡製作を学び始めたそうです。それからは多くの作家さんから学びながら、自分のスタイルを創り上げました。
作家としてのマーシャさんの信念には、それまでの人生での経験や数々の出会いから学んだことなどが込められ、彼女の作品には万華鏡に対する強い思い入れがあります。「万華鏡は体と心と精神のためのアート」とは、マーシャさんが良く語る言葉です。
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ビーズの色模様が楽しいスー・リオさんの万華鏡

2007-09-24 15:39:31 | 万華鏡ブログ
スー・リオさんの「Turf」ターフ(芝生という意味)という作品です。8月24日にご紹介した「Surf」サーフと同じスタイルで、小ぶりな愛らしい万華鏡です。少しグリーンがかったイリデッセントガラスと装飾に使われているグリーンのガラスや花模様のビーズが外観の特徴です。
この写真からみえるように、オブジェクトセルはオイル入りシリンダータイプで、カラフルで素材もさまざまなオブジェクトが、見るからに楽しそうです。小さなたくさんのビーズとワイヤー細工、そしてダイクロイックガラスの組み合わせから本当に可愛らしくて楽しい映像が生まれます。また重いオブジェクトや軽いオブジェクトという風にオイルの中でのバランスも考えて作られているので、極端に偏ることなく、外から見てもいつもきれいに見えるデザインになっています。
この小さめの四角い箱状の本体の中に2ミラーと3ミラーのふたつのミラーシステムが組み込まれ、その先にこの大きめのオブジェクトセルが置かれているので、回したり、少し傾けたりしながら色鮮やかな2種類の映像の変化を楽しめるのが嬉しい万華鏡です。
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モダンアートをデザインするキャロリン・ベネットさん

2007-09-21 18:24:46 | 万華鏡ブログ
キャロリン・ベネットさんはアクリル製、オイルタイプのリキッドサスペンションシリーズで有名ですが、今年新しいシリーズとして、ドライタイプの「フォトスコピックス Photoscopics」というシリーズを発表しました。
万華鏡と写真はいずれも彼女が長い間かかわってきたアートであり、彼女の人生から切り離すことができないものだったと言います。そのふたつのアートを結びつけた作品なのです。9種類のテーマがあり、それぞれ6枚の写真のコラージュからなるデザインを万華鏡の筒に巻いています。
ファインダーを通して捉えたさまざまなシーンから、写真家としてのベネットさんらしさを感じることでしょう。
ベネットさんの作品はモダンアートとしてのデザイン性を追求して、アクリル素材を使ってスマートに作りあげています。セルの側面には黒い格子を使い、透明な先端部から光を取り込みます。この黒い格子が外のデザインとしてアクセントになり、また映像にも映りこんで、通常の3ミラーシステムとはちょっと違った見え方になります。
絵を描くように色と形を組み合わせて内部映像を生み出しているとおっしゃっていますが、美術の教師だったという経歴も思い起こします。もちろん外の色とコーディネートされた美しい映像展開です。
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アートな万華鏡を創ってみよう!

2007-09-20 20:11:59 | 万華鏡ブログ
この夏、代官山に新しい万華鏡スポットが誕生しました。その名も「カレイドスコープ アートスクール」。日本の万華鏡作家の草分けの一人、山見浩司さんの指導が受けられる「創作」万華鏡コースです。趣味で作りたい人からプロの万華鏡作家を目指す人まで、いくつかのコースが用意され、この秋からいよいよスタートします。
自分で本格的な万華鏡を創るためには、材料のほか、多くの道具や窯なども必要ですが、消耗品以外の道具は貸し出され、またその人の技術に合わせての指導が受けられ、自分で創りたい作品を作れるのが、画一的な万華鏡教室より少し先を目指す人にありがたいコースです。ここから新しい作家さんが生まれる日も遠くないことと思います。
この写真は併設された万華鏡専門店Little Bearです。山見さんやお弟子さんの作品が並んでいて、手にとって覗くことができます。そのほか、山見さん考案のキットや万華鏡製作のための材料もいろいろ揃っています。いつも山見さんご自身がいらっしゃるので、相談しながらの材料調達ができるのが嬉しいですね。
万華鏡に囲まれ、工房の雰囲気も味わえる新しいタイプの万華鏡スポットとしてこれからも注目です。
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モノリス 幻想

2007-09-19 21:31:12 | 万華鏡ブログ
小嶌淳さん「モノリス」の第1作目2ミラーシステムの映像です。ミラーの第3面にある種のフィルムを貼っているので、反射を生み、幻想的なオーラのある映像になっています。小嶌さんの万華鏡ではオブジェクトセルの内部が見えないものが多いので、その独特の映像表現は、どこから生まれてくるのだろう?と、映像を見ながら想像する楽しみもあります。展覧会などで拝見する陶器製の大きな箱型の作品にいたっては、その不思議な映像に、いったいどうなっているの?と幻惑させられることばかり。不思議さを秘めた映像は、小嶌さんの作品の魅力の一つに違いありません。次から次へと変わっていく魅力的な色模様に引き込まれ、別世界を覗いている思いです。万華鏡を覗くとしばし現実を忘れ、幻想の世界へ誘われる・・・そんな魔力を秘めているように思えてなりません。
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小嶌淳さんの新作万華鏡(書き換えました)

2007-09-18 16:29:30 | 万華鏡ブログ
小嶌淳さんの木製万華鏡「モノリス」です。「おとなも楽しむ万華鏡」展に出品された新作で、小嶌さんの新たな挑戦です。無垢のウォルナット材をくり抜いて作ることにこだわったというこの作品は、加工の美しさはもちろんのこと、全体的なデザインも素晴らしくて目を惹きました。渋い光沢の真鍮の部品のひとつひとつが手作りで、正面にはアクセントとして、真鍮の鋲が3個並んだデザインが施されていますが、「3」という数にも作家さんの思い入れがあるようです。くり抜いた裏側は、一面に光沢の美しいイリデッセントガラスをはめ込んであるので十分な光を取り込み、光を通さず暗くなりがちな木製万華鏡の問題点をクリアしています。また質感の違うガラスと木の組み合わせが斬新なデザインで美しかったので、実は昨日までこのブログでその写真を使っていましたが、やはり正面をご紹介するべきかなあと思って、書き換えました。
「モノリス」というのは、スタンリー・キューブリック監督のSF作品「2001年宇宙の旅」に出てきた石柱状のなぞの物体。映画を見た小嶌さんに強い印象を与えたそうです。じっくりと暖めてきたアイディアを実現したとおっしゃるこの作品は、ミラーシステムやデザインなど、さらに幅を広げて行く予定だそうで、ますます楽しみです。
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紙の素材を活かす万華鏡

2007-09-16 17:23:43 | 万華鏡ブログ
今日も「おとなも楽しむ万華鏡」展から、ご紹介します。
リップルボード(片面に凹凸の入ったカラフルな片面ダンボール)を使ったスタイリッシュな「クラフト万華鏡」は田村慎一さんの作品です。写真では白をご紹介していますが、このほかに何種類か色のバリエーションがあります。
紙という素材の軽さと加工しやすさ、ダンボールの強さを活かしながら、クラフトデザインとして、かっこよく小粋な万華鏡に仕立てました。
オブジェクトセルは透明なガラスシリンダーで、中のオブジェクトは外の色とカラーコーディネートしたビーズやガラスなど、いろいろなタイプがあります。薄い菱形に組んだ4ミラーなので、2つの曼荼羅映像を中心に視野全体に色模様が広がります。この写真の作品のオブジェクトは、さまざまな色のリップルボードを細かく切ったもので、その紙の質感が独特の映像効果を生んで面白いと思いました。
田村さんの万華鏡にまた新しい素材が加わり、楽しみが一つ増えました。
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光で綴るものがたり

2007-09-14 20:38:25 | 万華鏡ブログ
東京渋谷Bunkamuraで恒例の「万華鏡展*光で綴るものがたり*」が今日から9月25日まで開催されています。この会場では毎年、国内外のアーティスト作品がゆったりとしたスペースに展示され、万華鏡の世界にどっぷりと浸かることができるので、楽しみにしています。 国際万華鏡協会のコレクションからも、著名作家によるさまざまな個性的な作品が展示され、そのほとんどを実際に覗いて楽しむことができる、大変贅沢な時間を過ごせる展覧会です。
この写真でご紹介したいのは中里保子さんのコーナーで、アメリカ、ザ・ブリュースター・カレイドスコープソサエティーのコンベンションで最優秀作品賞を受賞なさった「秋草」をはじめ、今までのコンベンションやコンテストの出品作はいずれも力作揃いで大変見ごたえがあります。ガラスのさまざまな表情を活かした作品、現代九谷焼作家さんとの共作など中里さんの万華鏡の世界を十分に見せてくれる企画です。(写真はあまりうまく撮れていなくてすみません・・・)
22日には中里さんデザインのフォトスタンド万華鏡のワークショップがありますので、作家さんから直接手作りの楽しさを教えてもらいたい人にお薦めです。
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