1986年から2000年まで制作されていた「Paragon F.T.シリーズ」の1点で、「Honeycomb(蜂の巣)というタイトルです。残念ながらストローブさんはもう万華鏡の制作はなさっていないのですが、今見ても十分に新鮮さを感じるのがすごいと思います。 F.T.というのはフロントターナーの略で、先端部が回るタイプという意味です。 白い背景のオブジェクトセルには、フレームワークによるガラス細工やアンティークの時計の部品が入っています。この作品の特徴は、正三角形に組んだ3ミラーシステムに、Honecomb(蜂の巣状)の模様が映り込むところです。白い背景に生えて、透明感と躍動感を感じる映像が展開し、黒いラインによって、映像にメリハリがつくのが面白いと思います。
1986年から2000年まで制作されていた「Paragon F.T.シリーズ」の1点で、「Honeycomb(蜂の巣)というタイトルです。残念ながらストローブさんはもう万華鏡の制作はなさっていないのですが、今見ても十分に新鮮さを感じるのがすごいと思います。 F.T.というのはフロントターナーの略で、先端部が回るタイプという意味です。 白い背景のオブジェクトセルには、フレームワークによるガラス細工やアンティークの時計の部品が入っています。この作品の特徴は、正三角形に組んだ3ミラーシステムに、Honecomb(蜂の巣状)の模様が映り込むところです。白い背景に生えて、透明感と躍動感を感じる映像が展開し、黒いラインによって、映像にメリハリがつくのが面白いと思います。
外観のスタイルは変わらないのに、映像にいろいろな景色を映し出すことができるのは、オブジェクトの形や質感の選び方、組み合わせ方によるものでしょう。ブルーと白の世界が美しく、ゆったりと変化していく様を見ていると、安らぎを覚えます。
いつか水族館で見とれてしまったあの不思議なクラゲを思い出す万華鏡です。 ついでに海水浴で刺されていたかったのもクラゲだったなあなんて思い出しました。
キルト作家ポーラ・ナーデルスターンさんは、万華鏡の映像にインスピレーションを得て作品を創作することで有名な作家さんです。昨年ニューヨークでの半年にわたる個展を成功させ、キルトだけでなく、万華鏡というアートについても人々の関心を集めました。
彼女が縫い上げた作品は購入することはできないのですが、今回初めての試みとして、新作のいくつかを限定版アートプリントとして発表し、販売もすることになりました。とても美しいのでご紹介したいと思います。 上の作品には「Nuance」(ニュアンス) というタイトルが付いています。
そして次の作品は「Rainbow Christmas」(レインボウクリスマス)だそうです。
写真はご本人の許可を得て、ウェブサイトに載っているものから使わせていただきました。興味のある方はのぞいてみてください。
でもそれ以上にすごいのが、大きな色鮮やかな映像です。万華鏡の映像は大きかったり、小さかったり、広がったりといろいろな見え方がありますが、ある万華鏡で最大に映像が見えることを考えたら、こんなやり方があるのかなと思います。
幅7.5cm 長さ13cmほどの箱型で、横長の大きな覗き口が特徴です。箱の幅いっぱいに細長い二等辺三角形に組んだ3ミラーシステムが入っていると想像してみてください。そのミラーの反射する映像は、頂点に大きな中心映像ができ、その周囲を飾る映像がずっと広がっていきます。中心の映像はミラーシステムの頂点のところ、映像の端の方にありますが、ずっと広がっていき、びっくりするほどの大きさを感じます。箱の奥行は13cmですから、映像の焦点距離を合わせるために、覗き口にレンズを入れてあります。
先端に水平につけられたオイルシリンダーには、たくさんのカラフルなガラスやビーズが入っていて、外から見ても楽しくきれいですが、、このレンズとミラーシステムを通して見ると、本当にすごい「色の爆発」です。 癒し系ではなく、元気をくれる万華鏡ですね。
中里保子さんが大切に創り続けている「蝶文様」という作品、創るたびに美しい個性的な内部映像を生み出し、同じものはひとつとありません。美しいガラスの曲面に描かれた蝶の文様は、表と裏にそれぞれに図案を変える手の込んだ作品です。
赤と黄色の2層になった特殊なガラスを使い模様を削って浮き出させた技法は、以前「秋草」という大作や手持ち型の作品でも取り入れられましたが、和の万華鏡の新しい表現であり、ユニークな感性を感じます。
昨年7月にもご紹介したのですが、本当に美しい作品なので、新しい映像とともに再びご紹介したいと思います。 ミラーシステムは先の広がったテイパード2ミラーで、映像が大きく映りこみます。 映像の隅々までよく見えるので、ミラーの組み方やオブジェクトの表情など、細部までいつも以上に気を配っての製作です。
赤を中心とした優雅な映像は、ボディーの色とも雰囲気が合っています。
でも中里さんの別の蝶文様では、次のような、(中里さんの言葉を借りれば)「アジアンテイストのマルチカラー」での映像表現もあるんです。そしてどちらもドラマチックな映像の変化が魅力的で、見応えのある万華鏡です。 ひとつひとつの「蝶文様」という作品を通して、映像表現の可能性を広げていく試み、その際限のない可能性に圧倒されそうです。 いろいろなガラス製作の技術を持っていらっしゃる中里さんの万華鏡作品の中でも、画期的な作品と言えるのではないかと思います。
これは、ザ・シーパロット工房の「Solaris(ソラリス)」という限定版(2003年発表)の万華鏡です。 箱型のボディーに装飾の黒いガラス棒とガラスジュエルがデザインされ、たっぷりとオブジェクトの入ったオイルシリンダーを回転させて楽しむこの万華鏡は、スー・リオさん、ボブ・リオさんの定番のスタイルですが、さらに、カーブを描く金属のスタンドが本体に付いていて、置いた状態のまま万華鏡を覗き、映像を楽しめるパーラータイプになっています。
オイルシリンダーの中には虹色のガラスビーズやガラス細工、メタルピースなどがゆったりと動き、彩りの美しい8ポイントの映像を生み出しています。いつもながら豊かな色彩とそのバランス、輝きに圧倒され、目を奪われます。
ザ・シーパロット工房の万華鏡はガラスの美しさを生かした外のデザイン、内部映像とも素晴らしく、きらきらと夢のある映像を見せてくれます。 今、二人の作家さんはそれぞれ独立した工房を持ち、別々の道を歩んでいますが、基本的なスタイルや考え方は貫いて、それぞれの作品に反映させています。
今日は寒さがひとしお厳しく感じられました。そこで今日ご紹介するのは、少し前の作品ですが、ザ・シーパロット工房の四季シリーズから「Winter(冬)」です。
この四季シリーズは今までに、「夏」(2006年8月1日)、「秋」(2006年9月5日、6日)、そして「春」(2007年3月1日、2日)とご紹介してきましたが、今回やっと「冬」が登場です。本体のガラスは白のイリデッセントガラスで、うっすらと虹色の光沢がかかっています。飾りのガラスジュエルも虹色に輝くダイクロイックガラス。大きなオイルセルの中には白のビーズや輝く素材など、さまざまな大きさ、形のオブジェクトが浮遊し、外から見てもキラキラと美しいです。
このシリーズの特徴のひとつは、2ミラーシステムの第3面に季節を表す絵が描かれていることです。 この「冬」では、葉を落とした冬木立が中心映像の周りをぐるりと囲んでいます。少し暗い冬の空を背景に木立の姿がきれいに映りこんで、冷たい空気まで運んできそうな作品です。
オブジェクトセルは脇の取っ手を回転させて映像の変化を楽しみますが、軸の回転の方向で、湧き出るような映像になったり、吸い込まれるような映像になったりします。大きなオイルセルなので、たくさんのオブジェクトが混じり合い、多彩な色模様を見せます。寒い冬の日ですが、部屋の中で万華鏡を覗いて、目と心をリフレッシュさせてみてはいかがですか。
タイトルは「カレイドスコピック」。「千変万化する万華鏡の内部イメージをガラスとメタルで表現しました。」との説明がありました。
中里さんはガラスアートの中で、もともとパネル作品(ステンドグラス)の製作を手がける作家さんでした。平面から立体(万華鏡)へと製作の幅を広げ、最近では万華鏡作家としての活動が中心ですが、今回は万華鏡をテーマに平面の作品を製作なさいました。斬新な切り口のデザインは、まさに中里さんの構築する現代万華鏡の世界です。
次の作品は「フレンドシップ作品」で参加者が1点ずつ「宇宙」というテーマでパネルを作り、それを集めたグループ展示になっているのですが、そのうちの中里さんの出品したパネルです。めのうを使ったガラスデザインは少し前の中里さんの万華鏡でも取り入れられていましたが、その斬新さ、ユニークさに驚いたことを思い出しました。
このブログを読んでくださる方も少しずつ増えてきてありがたいことです。いつまで続くかな?と思いつつ、今年も「万華鏡のちから」に引っ張られていくような気がしています。
2010年にはアメリカで3年ぶりにザ・ブリュースター・カレイドスコープソサエティーのコンベンションがあります。そして日本でもいくつかの万華鏡展が企画されています。新しい、魅力的な作品との出会いがあることを大いに期待しています。
今日の映像は久しぶりにキテルソン夫妻の万華鏡「スパンキー」の映像です。やっぱりうっとりとしますね。彼らはアメリカで初めて会った万華鏡作家さんでした。空港からのバスで偶然乗り合わせたのですが、顔だけは写真で知っていたので、どきどきしながら、思い切って声をかけたところ、とても優しく応えてくれて感激しました。やっぱり作家さんの人柄や、万華鏡に対する思いいれなど知ることができると、作品の魅力が倍増します。そんな部分もお伝えしていけたらいいなあと思っています。