万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

カラディモス作:雪の結晶万華鏡 Snowflake Kaleidoscope by Karadimos

2015-01-30 18:52:36 | 万華鏡ブログ

チャールズ・カラディモスさんは2ミラードライセルの万華鏡にこだわり、正確で完成された映像表現に定評のある作家さんです。 彼がテーマを持たせた万華鏡を創るのは、ブリュースター・カレイドスコープソサエティー・コンベンションでのサイレントオークション(*)のときぐらいですが、今回のプリズムでの万華鏡展のために、雪の結晶をテーマに、特別に作ってくださった万華鏡です。
白いガラスに透明なガラスで雪の結晶模様が飾られています。
(*毎年のコンベンションではテーマが決められ、それに沿って、オークション用に作家さんが1点ずつ創り、競り勝った人が手に入れることができます。1点物であり、いつもと違った特別な作品で、コンベンションの記念にもなるので、オークションは毎年とても盛り上がります。)

内部の映像も、普段はあまり見られない6ポイントです。 白い背景にきれいな6ポイントが見えています。

通常の作品より色の数は少ないですが、雪の世界の雰囲気が伝わってきますね。

黒いオブジェクトの使い方に個性を見せる作家さんらしく、映像デザインに活かされているのを見ると、さすがだなあと思います。 映像だけ見て、これはカラディモスさんだと分かるほど、彼の作品の特徴になっています。

通常とはちょっと違うのが、色使いでしょうか。 ヴィヴィッドな色を控えたこの色合い、このテーマにふさわしく、すごく魅力的です。 ガラスオブジェクトの表情、質感に工夫を凝らしているところはいつもどおりで、これもまた目を惹きます。

白いガラスの作品はカラディモスさんも数多く創ってきました。 一緒に飾られているのは以前の限定版の作品 「Embossed White」です。  素敵な組み合わせですね。

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雪の結晶 万華鏡展

2015-01-29 17:38:50 | 万華鏡ブログ

名古屋市の「プリズム」という万華鏡ギャラリーは、万華鏡ファンの仲間にはよく知られた場所です。万華鏡をこよなく愛するオーナーのいしこゆかさんが大切に集めたコレクションを中心に、万華鏡をゆったりと楽しめる空間がとても貴重な場所です。 12年間この場所で、素敵な万華鏡空間を提供し続けていらしたいしこさんですが、次のステップに進むべく、覚王山アパートにあるこの店を、今月いっぱいで閉じることになりました。
残念だけど、万華鏡の楽しみ、喜びを他の方法で伝えていってくれると信じています。

雪の結晶模様が大好きないしこさんは、毎年冬の時期に、それをテーマにして小さな万華鏡展を続けてきました。 今回は集大成ということで、国内外の作家さんから,本当にたくさんの、心のこもった素敵な雪の結晶万華鏡が集まりました。

雪の結晶は、自然が生み出す不思議と美に満ちています。 そう、万華鏡も不思議と美が魅力ですよね。 万華鏡のテーマにピッタリだし、そこから作家さんの創造へのチャレンジが始まります。

こんなにたくさん、同じテーマで揃った作品展はなかなかありません。 それぞれに工夫が凝らされ、同じものはひとつもありません。 あらためて、作家さんの創造性、アイディアに感動します。

今ではもう作られていない、限定版の懐かしい貴重な万華鏡もあります。 そんな中からデュレット夫妻の「スノーフレークス」です。

雪の結晶にインスピレーションを得て、彼らが生み出した映像は、そのきらびやかで冷たい表情が誰にも真似されない色合い、雰囲気を伝えています。 2種類の映像を楽しめる万華鏡です。

最後の万華鏡展を見に、たくさんの愛好家の方が集まってきていると伺いました。 お客様と同じ目線で万華鏡を愛し、温かい交流があったのだなと思います。 万華鏡だからこそ、可能な繋がりを感じます。 素敵な万華鏡のお店、きっと皆さんの心にずっとあると思います。

とても素敵な作品ばかりで圧倒される展示会から、上手く撮影ができたいくつかを、次回もご紹介したいと思います。 

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オブジェクトが奏でる万華鏡模様

2015-01-20 13:42:55 | 万華鏡ブログ

佐藤元洋さんの作品 2点をご紹介します。 大きい方が「二重奏」、小さい方が「白妙」です。
筒の形もすっきりとラインが美しい造形作品となっています。 流れるようなガラスの色合いがきれいで、静かに華やかさを醸し出しています。

「二重奏」というタイトルの由来は、映像にあります。2つのオブジェクトセルを内蔵していて、ミラーシステムに近い方のオブジェクトが生み出す模様の背景に、外側のオブジェクトセルの生み出す映像が重なることが、その名前の由来です。

ソフトな色模様は、覗き口から見て奥のセルから生み出されるもの、よりはっきりと見えるのが手前のオブジェクトセルに含まれるガラスオブジェクトです。

頂点の角度の狭い二等辺三角形に組んだミラーシステムで、大きな中心のマンダラ模様は11ポイント。 360度を22で割った角度ですが、計算上は16.363636・・・・度です。 ミラー組みは万華鏡の製作でも最も難しいところだと思いますが、作家さんは割り切れないはずの角度を自分の目と手加減で決めるのですね。 すごいです。

ソフトな色合いと繊細な模様の組み合わせが魅力の万華鏡です。 先端のオブジェクトセルの滑らかな回転にしたがって、ガラスオブジェクトのぶつかりう音がしゃらしゃらと心地よく聞こえ、次から次へと万の華が咲き誇ります。 一つ一つのオブジェクトが音符のようで、生み出されるメロディーとハーモニーが心地よく響く万華鏡です。

小さい方の作品「白妙」ですが、今回ご紹介するのは高台付きのものです。オブジェクトセルは下側にあり、トップの部分に覗き口があります。筒全体を回して映像の変化を楽しみます。

こちらはオブジェクトセルはひとつで、ミラーシステムに近いところにあるので、くっきりとガラスオブジェクトのひとつひとつが見えています。同じく、二等辺三角形のミラーシステムで、7ポイントの中心映像の周りにも細かい模様が囲みますが、上の作品とはミラーの長さがかなり違うので、見え方も違っています。 鏡の長さと幅のバランス、焦点距離との兼ね合い、覗き口のレンズなど、小さい作品ほど、きれいにみせる工夫が込められています。

一つ一つのオブジェクトの表情がよく見えて、作家さんのこだわり、熟練の技が感じられますね。

 

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万華鏡 光が紡ぐ華模様 II 展から #4

2015-01-13 14:53:06 | 万華鏡ブログ

東京国際フォーラムで1月18日まで開催中の万華鏡展から 今日は佐藤元洋さんの作品をご紹介します。
吹きガラスの万華鏡を専門的に製作なさる作家さんで、地元の仙台に工房を開き、活動なさっています。 ガラス工芸にはいろいろな技法がありますが、吹きガラスで万華鏡を創る方はとても少なく、その特徴を生かしながら、万華鏡としての品質を高める努力なさっているので、どの作品もそれぞれの味があり、見ごたえがあります。

大きめなパーラータイプの作品が3点並んでいます。 上の写真左の"Rinne"はアメリカのブリュースターカレイドスコープソサエティーコンベンションで発表した作品です。 虹色に輝くオブジェクトが特徴になっています。

 

奥の青い作品は "Mercury”  です。 筒は美しいブルー系のガラス、台座は透明なガラスに青い球体が飾られて、涼やかな万華鏡ですね。 外からはわかりませんが、オブジェクトセルが2重になっているタイプで、外側のオブジェクトセルが生み出す変化はソフトな色合いで変化し、内側のオブジェクトが生み出す変化はその上にくっきりと模様を映し出します。

細かくて繊細なガラス模様です。 そして色合いには和のセンスが感じられませんか? 

右側のピンク系のガラスの作品は"Binary" です。 この作品も台座に透明感のあるガラスを使って、軽やかな雰囲気を醸し出します。 先端のセルの回転も滑らかで、春のような色合いの優しくきれいな映像展開を楽しめます。

大きな華と小さな華の組み合わさった魅力的な映像にうっとりとします。

手持ち型の個性あふれる万華鏡も並びました。

この中から左奥にある「黒彩霧」という作品です。 初めてご紹介すると思いますが、オブジェクトセルが下のベース部分にあり、基調が黒のこの作品は珍しい感じがしました。

映像の背景も黒です。 グリーン系のオブジェクトにオレンジがきれいなアクセントになっています。 

新しい工夫の一つとして、この「黒彩霧」や白いガラスの「白妙」では覗き口のレンズがトップにあり、へこみがなく、きれいに磨かれてすっきりとした印象です。 

佐藤さんは秋に開催されるBunkamuraでの万華鏡展の際に、万華鏡のクラスを開講されています。リピーターも多いと聞くそのクラスのためにも、毎回新しい要素を加えて準備をなさいます。 定番の作品にも、細かい工夫を重ね、ますます魅力的な作品を生み出す作家さんです。

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万華鏡 光が紡ぐ華模様 II 展から #3

2015-01-11 21:41:19 | 万華鏡ブログ

東京フォーラムでの展示会から、今日ご紹介するのは細野朝士さんの万華鏡です。 

ステンレス製の筒はシンプルで、木製の台にアレンジされていたり、黒いケースに入れて飾りつけられていますが、万華鏡展と表示されていなかったら、一見して万華鏡だとわかる人は少ないのではないでしょうか? そこが細野さんの万華鏡の魅力です。

こだわりは内部映像の面白さと不思議さです。 シンプルな外観からは想像できないような千変万化の美しい色模様が展開します。 
今回の映像は、この展示会のために製作なさった佐藤元洋さんとのコラボレーションのものを載せています。 佐藤さんのガラスオブジェクトは細野さんのオブジェクトセルに合うように作られています。 偏光万華鏡に佐藤さんのガラスオブジェクトを入れることで、また一味違う映像表現になっています。

2ミラー、3ミラーがあり、オブジェクトの色合いも同じではなく、並んでいる作品それぞれに違って面白く、見比べていると時間が経っていくことを忘れるほどです。

定番作品とは違ったことを試みるコラボレーションを楽しみながらも、細野さんらしいユニークな作風で、魅力ある万華鏡の数々です。

細野さんは製作なさるときに白い壁面に向けて映像をチェックしながら作られるそうです。繊細な重なり合いがきれいに見えます。

明るい自然光のある場所で見ると、また違った輝きが見られますね。

見飽きることのない映像の変化に魅せられる細野さんの万華鏡がたくさん見られる展示会です。 ぜひ手にとって覗いてもらいたいなと思います。 1月18日まで開催しています。

 

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万華鏡 光りが紡ぐ華模様 II 展から #2

2015-01-09 15:58:27 | 万華鏡ブログ

青い光りに満ちた万華鏡。 ノーベル賞で話題になった青色LEDですが、この作品展でも、青く浮かび上がる5点の作品が目を惹いています。 桐林恭子さん・亨さんご夫妻の万華鏡です。 アクリルを素材とし、斬新なデザインで数年にわたって作り上げてきた作品が並び、その現代的でクールな世界を見せています。

 

今年発表なさった最新作は右端にあります。 アクリルの透明性がデザインに生かされ、青い光が美しさを添える素敵な作品ですね。

この万華鏡は上から覗きます。 台座にあるノブを回すと映像が変化します。 とても角度の狭い二等辺三角形に組んだミラーシステムからは、青く輝く細い糸で織り込まれたような美しい映像が生み出されます。

照明を内蔵する作品が増えて来ましたが、これもLEDが普及したことで、使い方にも幅が出て来ました。 ブリュースター卿の発明した万華鏡の時代にはなかった素材、技術を取り入れた現代万華鏡の新しいスタイルです。

手にとって覗くタイプの作品も並びました。 アクリルの素材にレースや表情のある紙などを組み合わせて、いろいろなシリーズの作品があります。 比較的軽いので、どなたにもお薦めできる万華鏡です。

映像は外の雰囲気に合わせて、とても美しく表現されています。 それぞれに違った色合い、素材の組み合わせがあり、じっくり探すときっと相性の良い作品に巡り合えることでしょう。

この作品展は18日まで開催しています。 独自の作風を持つ4人のグループ展ですので、楽しみも4倍です。

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万華鏡 光りが紡ぐ華模様 II 展から #1

2015-01-07 19:01:12 | 万華鏡ブログ

昨年末から有楽町の東京フォーラムで開催中の万華鏡展にお邪魔しました。
4人の現代万華鏡作家さんのグループ展ですが、それぞれに個性あふれる世界を展開していて見ごたえのある万華鏡展になっています。

このブログでもそれぞれの作家さんの作品について、少しだけご紹介させていただこうと思います。 
最初は小林綾花さんです。 金属工芸の技術を生かした万華鏡が中心ですが、鮮やかな色合いの樹脂を使った作品にもチャレンジなさっています。

上の作品は「記憶のレコード」シリーズの作品で、エジプトの象形文字が刻まれています。中にはブルーの輝きが印象的な妖しい美しさの映像が展開します。 

次は「スノースコープ」という作品で、刻まれているのは雪の結晶模様です。

もちろん内部に展開するのはキラキラする6ポイントの雪模様。

どの作品も、スワロフスキーのクリスタルや宝石などをオブジェクトにふんだんに使い、テーマに合わせて美しいきらめきのある映像世界を生み出します。 

他にも、多種にわたる小林さんの作品が並びました。 ペンダント形の小さいものもあります。
筒の素材も、いろいろな表情を見せる金属のもの、木製のもの、樹脂を固めて作ったものなど、ご自分の世界を万華鏡に込めながら、その世界を広げつつあることを見せてくれました。 

万華鏡は飾るアートでもあり、映像を楽しむアートでもありますが、もう一つ付け加えたいのが、私たちの心、気持ちに訴えかける力です。 それは作家さんが込めた思いが届くということかもしれません。 覗くたびに違う色模様は、万華鏡と覗く人の心のキャッチボールかなとも思います。 今年もそんなキャッチボールを楽しむ方が増えますよう願って、いろいろな作品をご紹介できたら良いなと思います。

会期:12月27日から1月18日まで
時間:10時~20時 (最終日は17時まで) 
フォーラム・アートショップ  03-3286-6716 
東京都千代田区丸の内 3-5-1 東京国際フォーラム B棟1階

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ゴールドの輝き・・・映像の記憶

2015-01-06 22:39:30 | 万華鏡ブログ

2015年のスタートを飾る万華鏡は、ゴールドをテーマにしたマイケル・コリアさんの作品です。定番の「カラースピリット」シリーズの中から「ブラック ブリング」です。 このシリーズは、ブルー、グリーン、ピンク、レッド、パープルなど外側に使った色で、内部の映像も統一されているのですが、黒を外側のデザインに使ったこの作品だけは、ゴールド系のキラキラしたオブジェクトを使って、ゴージャスな雰囲気の映像になっています。

筒の材質は強化プラスチックで、飾りけのないデザインですが、大きなオブジェクトセルの中のたっぷりと入れられたさまざまなオブジェクトがゆっくりと動くと、映り込む映像は限りなく変化していきます。

ゴールドの他にも銀色やきらきらしたもの、独特の光沢のオブジェクトを使い、表情豊かな映像展開です。

「ブラック ブリング」は、その映像がちょっと大人っぽくて、お洒落な万華鏡だなと思っていたのですが、コリア工房はもうじき万華鏡の製作をやめるという連絡があり、この作品も新たに製作されることはないようで、とても残念に思っています。
今までに製作され、万華鏡ファンのもとに届いたであろう彼らの作品が、いつまでもその輝きと魅力で大切に楽しまれることを願ってやみません。
そして、こんな作品があったことを忘れたくなくて、ブログにその記憶を残そうと思いました。

 

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