万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

万華鏡幻想空間  Midnight Garden by Mitsuru and Yuriko Yoda

2012-09-29 23:47:36 | 万華鏡ブログ

依田満さん、百合子さんご夫妻の万華鏡展が9月27日から10月8日まで開催されています。 東京国際フォーラム アートショップ内のギャラリーでの展示で、ご夫妻が何年もかけて開発してきた投影式万華鏡の世界を楽しむことができます。 富良野や札幌、長野善光寺、島根県浜田市などで開催されてきましたが、東京で本格的な投影式万華鏡による空間演出を見られるのは、何と初めてのことだそうです。

今回も影絵との組み合わせや、いろいろなものに投影された万華鏡模様を堪能できる空間が創られました。 その部屋に入ると、美しい色合いの模様がさまざまな流れとなって、目に飛び込んできます。 それらの一つ一つを見れば、それは万華鏡の映像ですから、絶えず変化し続け、次はどんなふうになるんだろうとわくわくする気持ちになります。 上の写真は扉を開いた隙間から覗いたら見えるような演出が楽しい投影です。モビールの蝶がお花畑を飛び回っているようですね。

白い大きな風船には、こんな色模様が・・・映像変化しながら流れるさまは面白く、小さな投影式の万華鏡の中から、あふれ出る色あいに感動します。

そしてスクリーンとその周囲に映し出された段差のある映像も、筒の中に見えるのと同じように変化し続けます。 

この展示会には投影式万華鏡のほかに、依田さんのエネルギーを注いだ大作の万華鏡作品が展示されています。 
たとえば、「古代の天球儀」 という作品。 この万華鏡の由来は、以前に当ブログでご紹介していますので、クリックしてご覧ください。
各部品の美しい連動が、万華鏡としての美しさを生み出しています。

次は「天と地のエネルギー」という作品。 本当にエネルギーを感じる万華鏡です。

宇宙空間に浮かぶ金平糖のようなお星様は、いかがでしょうか。

Midnight Garden という副題のついた万華鏡展は、本当に花や星に満ち、ストーリーを想う影絵の演出もあって、独特の雰囲気を持つ空間になっています。 東京という街の真ん中で、迷い込んだら不思議な世界だった・・・なんて体験をする人がたくさんいたらいいなあと思います。

この会期が終わると、東京国際フォーラムはIMFの世界総会の場に変わります。 一般の人は立ち入り禁止になるそうですが、展示は続きます。
その会議に参加なさる世界各国の方にも、このMidnight Garden に迷い込んで、ぜひ見ていただきたいなあと思っています。

 

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和蝋燭と万華鏡と

2012-09-23 11:28:52 | 万華鏡ブログ

渋谷、東急Bunkamuraギャラリーで開催中の万華鏡展から、高林千稔さんの作品です。
今回もディスプレイ全体が作品という感じで、新作を含めた、木工の作品が並びました。
和蝋燭の「ゆらぎ」のもとで、作品を見る楽しみを提案する展示になっています。 もちろん会場には十分の照明があり、また火を灯すことも難しいのですが、高林さんのアトリエでは、実際に和蝋燭のともし火の揺らぎの下で万華鏡を楽しむ機会も提供なさっているそうです。

今回新しく取り入れたスタイルは、曲げ木(日本の伝統工芸でもある曲げわっぱなどに使う)の技術で創られた万華鏡です。 さまざまな種類の木を、さびと木くずで染色したものを使うそうです。
「Dirty Trail 」というタイトルのこの作品、ネーミングともに斬新な万華鏡ですね。 

この作品も和蝋燭の揺らぎのもとで見るのが、一番高林さんの世界を表現しているとか。 いつかそんな機会があればと思います。

こだわりのある白のオブジェクトは、特にその揺らぎでいろいろな表情を見せるそうです。

 

色のあるオブジェクトも陰影のある白と組み合わされて、印象的な映像になっています。

幻想的な雰囲気が伝わってきますね。

同じ曲げ木の万華鏡で手持ち型「It Does't Matter Which」もあります。
その奥にある 「Look of the Sky 」シリーズは、特に、大切に作りつづけているシリーズ。
オレンジ色のトップで手前に並ぶのは「Dearest」 
いずれもオブジェクトセルをスムーズに回転させる部分は、色味とデザインを変えた金属のローテイターで、万華鏡ごとの個性となっています。

奥に並ぶのは種類の異なる薄い木材を巻いた「Montain Side」 ザクッとした感じです。
手前の作品は、寄木の万華鏡で、丸いのは「Buddy Ball」、その後ろに、「Frame」 と 「Dr.Funk」(横向き) こちらは滑らかで柔らかい感じ。

木工の万華鏡には外観だけでも、それぞれの作家さんの個性がよく現れると思いますが、それに加えて、高林さんの映像への想いが強く感じられました。 

 

 

 

 

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色彩が織りなす夢幻空間  Bunkamura万華鏡展

2012-09-19 22:09:25 | 万華鏡ブログ

9月15日から30日まで東京、渋谷の東急Bunkamura ギャラリーで開催中の万華鏡展に伺いました。 恒例になったこの万華鏡展は、扱う万華鏡の点数も多く、またなかなか見ることのできない大型の限定版作品なども展示されていて、大変見ごたえがあります。

「色彩が織りなす夢幻空間」というサブタイトルの付いた万華鏡展ですが、今日ご紹介するのは、まさに、その「夢幻空間」を見せてくれる羽石茂さん・泉さんご夫妻の作品です。
装飾ハンダの流れるようなラインで覆われたステンドガラスの万華鏡は「月の響(ピンク)」という作品です。 万華鏡のボディーから支えや台座まで一体感のあるデザインで、目を惹かれました。 淡いピンク色の光沢ガラスに合わせてハンダも色づけしています。
手前にハンドルがあり、先まで手を伸ばさなくてもオブジェクトセルを回転させることができます。

やはり手前にあるスイッチを動かすと、内蔵された照明の色合いが変わります。

シンメトリーの整った大変美しい、夢のような映像が展開します。 オブジェクトは泉さんの担当だそうですが、外観の雰囲気をさらに高める映像ですね。 パーラータイプの万華鏡には替えのセルも用意され、夢幻の世界をさらに広げます。 

次にご紹介するのは「Paralel Universe パラレルユニヴァース」です。 玉虫色の光沢のあるガラスの筒を覗くと、そこには宇宙が広がります。

 

これも手前にオブジェクトセルを回すハンドルと照明を切り替えるスイッチがついています。テイパードミラーシステムで、覗くと球体の映像が見えるタイプですが、それに加えいくつかの工夫があります。

輝く球体を覆う紫のネット、中から広がるカラフルなライン、光の当て方で変化する景色が目の前で展開します。

背の高い優雅な姿のパーラータイプの2点は、「Aquarius アクエアリアス」です。こちらも装飾ハンダで美しいラインが描かれたお洒落な万華鏡ですね。

手前のピンクの方は、8ポイントの映像で、とても華やかです。

奥の白っぽい方はとても細かい18ポイントの映像ですが、くっきりと細部まで美しいです。

オブジェクトセルを拝見すると、色鮮やかで多彩、質感も異なるさまざまなものが組み合わされています。 一つのセルだけでも際限ない色模様ですが、さらにセルを替えて、楽しみが増える万華鏡です。

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コレクター冥利

2012-09-13 23:28:04 | 万華鏡ブログ

昨日ご紹介した日本万華鏡博物館は、万華鏡コレクター大熊進一さんのプライベート博物館ですが、世界的に見ても類を見ない特別な場所です。 というのは、 コージー・ベーカーさんが亡くなって、彼女のホーム・ミュージアムがなくなり、コレクションが分散されてしまった今、万華鏡の歴史を見せるミュージアムは、ここにしかないということなのです。

ここにしかないものがもう一つあります。 それは「ベアーズ」万華鏡です。
大熊さんの経営する会社の社章である熊のマークを取り入れた万華鏡を作家さんに依頼して作ってもらったコレクションです。
今年はミュージアムの移転・新装開館を記念して、チャールズ・カラディモスさんやマーク・ティクルさんからも届きました。
左側がティクルさんのお得意のシャドウボックス万華鏡です。筒の中に見えるのはベアーズのマークだけですが、実は万華鏡という作品です。 ミラーのイリュージョンですが、ミラーに周りの景色が映り込んでしまってわかりにくいですね。
右側はカラディモスさんの万華鏡。 いつものスタイルにベアーズのマークが前と後ろにフュージングされています。 オブジェクトにも、脚のデザインにもベアーズが見えています。映像もアップリケしたみたいで楽しいですね。

山見浩司さんのベアーズ万華鏡は、外側に万華鏡を覗くガラスの熊さんがついています。
中にも繊細なマンダラ映像の周囲には黒いラインで描かれた楽しい模様が繰り返します。

依田満さん・百合子さんのベアーズ万華鏡は、筒を傾けるとスイッチが入り、電動で明かりと音楽とオブジェクトセルの回転が始まり、目の前にやさしい音と映像の世界が広がる万華鏡です。
デザインも美しく、仕組みも素晴らしい作品です。

中村明功さん・あや子さんのベアーズ万華鏡は、ちょっと変わった形と、手描きのノスタルジックな絵が万華鏡への素敵な誘いになっています。 

そして中に展開するのは不思議な動きのある映像です。 その動きは残念ながらご紹介できませんが、その一瞬だけでもご覧ください。

中里保子さんは、受賞作「Kaleidoscope History Book」の小型版で、本の形をしたベアーズ万華鏡です。 古色蒼然とした雰囲気が素敵ですが、すべてガラスと金属で創っています。表紙にちゃんとマークも名前 Japan Kaleidoscope Museum も入っていますね。

べアースのマークが美しい映像の周りに・・・温かい気持ちが伝わるようですね。

壁にかけられていたのは、若林さんのベアーズ万華鏡。 近づくとセンサーで両目に万華鏡模様が浮かび上がる仕組みです。

田村慎一さんはダンボールで創りました。 顔の部分が蓋になっているので、外すと覗き口が現れます。

角敏郎さんのベアーズ万華鏡は今年の製作ではありませんが、ソーラー電池で動く、最先端な万華鏡です。ソーラーパネルに光を当てると、裏側のオブジェクトケースが回転し、右と左の眼から2種類の映像が見えます。

このほかにもまだまだ魅力的なベアーズ万華鏡がありましたが、いろいろな話をうかがっているうちにあっという間に時間が経ってしまいました。 また次回を楽しみにということで、今回はここまでです。 それにしても、いろいろな万華鏡の作家さんに自分だけの万華鏡を製作してもらえるなんて、コレクター冥利に尽きますね。

 

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日本万華鏡博物館 新たなスタート

2012-09-12 16:31:55 | 万華鏡ブログ

9月10日に渋谷から川口市に移転してオープンしたばかりの「日本万華鏡博物館」を訪問しました。
この博物館は館長の大熊進一さんが、こだわりを持って収集したコレクションの集大成です。 特筆すべき点は、万華鏡の歴史を目の前で見ることのできる点でしょう。

  
万華鏡史を語る貴重な万華鏡3点です。 右前の万華鏡は、ブリュースター卿が発明し、1820年代に、スコットランドの業者に製作のパテントを与えたという大変貴重な万華鏡、発明当初から完璧な美しさを見せていたことが推察されます。  
またたく間にヨーロッパで広まり、1840年代フランスでおそらく貴族が特別に注文製作したのだろうと思われるジュエリー万華鏡(左前)はゴールドにトルコ石やダイヤモンドをデザインしたきれいなもの。大切な人へのプレゼントだったのかしら。 
日本に万華鏡が入って間もなく、琳派を思わせるデザインで日本で作られたと思われる万華鏡(奥)は、海を渡り、また縁あって日本に戻ってきたという・・・ 思わず遠い昔に思いを馳せて、これらの万華鏡をめぐり、その時代どんなストーリーがあったのか、想像をかきたてられる作品ばかりです。

そして多くの日本人にとって、子どもの頃の思い出としてなじみのある紙筒の万華鏡が並んでいます。 単に懐かしいというだけでなく、これらの存在にはその時代を映すという意味があります。

 

大熊さんが手に入れた日本のある時期の万華鏡の多くは海外のネットオークションや海外へ行ったときに立ち寄った店の片隅から手に入れたものです。 それは戦前、戦後に日本からアメリカに輸出された子供向けの万華鏡。日本では戦争を経て、失なわれてしまった万華鏡たちでした。 日本製のこれらの万華鏡は、だからこそ、大切に保存して伝えていくという気概を大熊さんはお持ちでした。 日本でもこのような素朴な万華鏡で遊んだ子どもがたくさんいたのでしょうね。
アメリカではスティーブン社という会社がたくさんの子供向けの万華鏡を販売し、ベーカーさんが万華鏡のルネッサンスという大きな動きをもたらすまで、万華鏡の歴史を細々と繋いでいましたが、そのことを示す万華鏡もたくさんありました。 


これもコレクションです。 万華鏡がこんな風に駄菓子屋さんやおもちゃ屋さんでも売られていた時代がつい最近まであったことをちゃんと残しておきたいと集めたものだそうです。

小さな博物館ですが、壁面いっぱいに並べられた万華鏡の数を考えても、また、大熊さんの解説付きの見学や万華鏡製作体験も可能で、とても中身が濃いです。

ブリュースター・カレイドスコープの会員となってコンベンションに参加なさった大熊さんが求めてきた素晴らしい作品の数々は、1990年代から2000年代に創られた秀逸な、そして貴重な万華鏡です。 アメリカの万華鏡ルネッサンスという時代を具体的に示す展示品です。
人々に驚きと感動をもたらしたあの時代の万華鏡は、今でも驚くほど斬新だし、作家さんが万華鏡のルネッサンスの流れの中で、自分らしさを主張し、挑戦する思いが感じられます。

日本の作家さんの創られた万華鏡も、たくさん展示されています。 しかも"ベアーズ" オリジナル作品がいろいろ。 他では絶対に見られない、アイディアとユーモアと友情に包まれた微笑みを誘う万華鏡です。

万華鏡博物館のドアの上に飾られたステンドガラスにも大熊さんの想いが込められています。
それは万華鏡の"華" です。 古代から花(華)の文様はいろいろな文明において見られるもので、それは人々に受け入れられ、伝えられてきた模様です。 それらと万華鏡の「華」に通じるものを感じ、大熊さんは、東大寺や正倉院に残された宝相華の文様、イスラムの花の文様、西洋の教会の薔薇窓のデザインなどを組み合わせ、簡素化した図案でこのシンボルの製作を依頼し、博物館の入り口を飾ることになさったそうです。

万華鏡の歴史を学び、希望者は万華鏡製作体験もできるユニークな万華鏡博物館のウェブサイトは http://nihonmangekyouhakubutsukan.jimdo.com/ です。

なぜ万華鏡に惹かれるのか、何が面白いのか・・・万華鏡のいろいろな面を見せてくれる場所として、特に万華鏡に興味のある方にはお薦めしたい博物館です。 予約して訪問してください。

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中里保子さんの花の万華鏡 Flower Kaleidoscopes by Yasuko Nakazato

2012-09-09 20:10:30 | 万華鏡ブログ

えすぱすミラボオさんの万華鏡展は終わってしまいましたが、今日は展示されていた中里保子さんの作品をご紹介します。

上の写真は「はなみずきの頃」。以前にもご紹介したことがあったかと思いますが、ガラスと金属を使ったデザインが何度見ても素敵なので、また登場です。 いろいろなガラスをはめ込んだドラム型のオブジェクトを水平方向に回転させて、映像の変化を楽しみます。
ミラーシステムにも工夫があり、奥行きのある映像になっています。 カメラでは前の花の模様に焦点があっているため、奥がぼやけてしまいましたが、実際は奥行きもくっきりと見えています。
人間の目はすごいものだなあと思いますね。

きれいな花盛りのはなみずきです。

次は薔薇の万華鏡です。 こちらも金属の薔薇と、紅色のグラデーションが美しいガラスとの組み合わせで、目を惹く素敵な万華鏡です。 覗き口も薔薇の花びらの形です。



映像は細かい花が咲き乱れています。 大きな球面からピンク色のラインが伸びるユニークな映像です。


次は陶器に描かれた白薔薇が優雅な雰囲気の手持ち型の万華鏡。 辻優子さんとのコラボレーション作品です。

こちらも奥行きのある映像表現で、花が重なり合う様子が美しいです。

最後は被せガラスをサンドブラストして削り、花を浮き上がらせた「ゆうな」です。
筒はカーブのある2面を合わせたオーバル型で、ゆうなの花の柔らかさ、ふくらみを感じさせます。

先端の透明なオブジェクトセルには偏光フィルターを境に二分され、それぞれに偏光素材とバーナーワークによるガラスオブジェクトが入っています。 回転させるその時々で、映り込む映像の印象も変わるのが特徴です。 下の映像は偏光素材の虹色が映り込んだものです。 

「ゆうな」は、シリーズで創られていますが、1点ずつ花の表情も、オブジェクトも違っています。
中里さんの生み出す花の万華鏡の世界、それぞれに魅力ある姿と映像展開で、何度見てもそのたびに感動を覚えます。 

中里さんは、流山市の万華鏡ギャラリー「見世蔵」の立ち上げから今まで継続的に協力をなさって、スタッフの方と協力しながら、地道な万華鏡普及のための活動を重ねて来ました。 地元でも万華鏡の愛好家が増え、展示会も開催されるようになりました。
10月10日(水)から14日(日)まで、「中里保子とGlass-Stationの仲間たち」展が流山市の「杜のアトリエ黎明」で行われ、ご自身の受賞作品や新作、中里さんのもとで万華鏡製作をなさっている方たちの作品が展示されるそうです。 また10月14日には、「中里保子の万華鏡出張工房」が開催され、バーナーワークによるオブジェクトづくりを見学できるそうです。 楽しみですね。

問い合わせ: 万華鏡ギャラリー見世蔵  流山市流山2-101-1 04-7103-2817

会場: 杜のアトリエ黎明  千葉県流山市流山 6-562-2 電話 04-7150-5750

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豊かな発想と熟練の技術が生み出す万華鏡 

2012-09-07 21:09:45 | 万華鏡ブログ

「えすぱすミラボオ」さんの万華鏡展から。

今日は美しい映像からご紹介します。 
どこまでも均整の取れた3ミラーの映像が続くのは、山見浩司さんの「ジュエル」です。 山見さんの映像は、いつも本当に美しくてうっとりとしますが、使われるオブジェクトの組み合わせによるものだけではなく、ミラーの組み方によるものと思います。
この作品は先の方に行くにしたがって、広がりを持たせた筒とさらに大きなオブジェクトケースとの組み合わせで、立てた姿もすっきりとしていながら、安定感のある万華鏡になりました。

中のミラーも先に行くほど広がりのある特別なミラーシステムで、大きくて, バランスの良い映像が広がるのです。

次は重なりのあるマンダラ映像がくっきりと美しい作品です。

2枚のホイールを回しながら楽しむ万華鏡で、前後の組み合わせにより、さまざまな色模様が展開します。 光を通すガラスの美しさを生かしたホイールはそのままでも美しいですが、万華鏡の中でさらに生み出されるアートとその変化に魅せられます。 光沢を抑えたガラスを細くカットして組み合わせた和風の趣の本体と、きらきらするガラスホイールとの組み合わせも素敵です。


そして隣に映っている「Space Teleido スペーステレイド」は、アクリル製で、光沢のある筒、とてもユニークなテレイドスコープです。 景色を万華鏡模様に変えてしまうのがテレイドスコープですが、景色の前に見えるのは、たくさんの色の光線! びっくりします。

山見さんはステンドガラスだけではなく、様々な素材を使い、鏡の面白さを体現する万華鏡を考案されています。 発想の豊かさで、万華鏡の世界を広げていらっしゃると思います。

 

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ガラスの詩

2012-09-06 22:40:23 | 万華鏡ブログ

9月8日(5:00PMまで) 開催中の えすぱすミラボオさんの万華鏡展から。

今日ご紹介するのは、佐藤元洋さんの吹きガラスの万華鏡です。 黒い地に銀箔が散る「螺鈿」は、「アイリス」や「ピュア」などの明るい柔らかい色とは一味違った、落ち着いた雰囲気のお洒落な作品です。

黒い背景のオブジェクトケースで、ブルー、グリーン、ターコイズ、白などの手作りのガラスオブジェクトが織りなす美しい映像です。 先端でオブジェクトケースがスムーズに回転するのが、気持ち良いです。
 

ブルーの地に銀箔が散る作品は「銀詩」という素敵なタイトルがついていました。
こちらもオブジェクトケースのスムーズな回転が心地よい作品です。

オブジェクトケースは全体が透明なので、背景が明るくなります。
佐藤さんの作品では珍しく、銀線細工のオブジェクトが入っています。 透明感のあるガラスとの組み合わせが新しい印象ですね。 

 

この美しい色模様は、ガラスで奏でるハーモニー、それとも、心に響く詩(うた)でしょうか。

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個性と個性のコラボレーション

2012-09-05 22:10:15 | 万華鏡ブログ

「えすぱすミラボオ」さんの万華鏡展から。
ヨーロッパの城にある搭のような万華鏡です。 独特の質感がそんな雰囲気を醸し出している喜多里加さんの陶の筒に小嶌淳さんが創り上げた万華鏡。  トップの部分が外れるようになっていて、そこからそっと中を覗きます。

隠された宝物のような煌めきのある映像が見えています。 本体に外から光を入れるところはなく、オブジェクトも外からは見えません。 スイッチを入れると電動でオブジェクトが動き、内側からの照明がきれいな映像を浮かび上がらせます。

マンダラ映像の周囲は、オブジェクトや光の色を反射して、揺らめくオーロラのようです。 小嶌さんの映像には独特の輝きがあり、オブジェクトの選択にも独特の感性が働いていますね。

手持ち型の定番 、「アルケミスト」の小型バージョンです。 

定番と言っても、ご覧のように筒の模様、表情はみな違っていて、ミラーシステムやオブジェクトセルの様子もそれぞれです。 こちらは外から光を取り入れ、手で回す万華鏡ですが、中の映像にはやはり独特の輝きがあります。

次は丸くて可愛らしい作品。

卵のような形が可愛らしい万華鏡です。 ドライセル、3ミラーシステム。 正面からの光をうけて映像を映し出す、オーソドックスな3ミラーシステムの作品です。

個性と個性が相乗効果を生み出す魅力的な万華鏡たちでした。

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ステンドガラスの万華鏡 競演

2012-09-03 22:08:47 | 万華鏡ブログ

えすぱすミラボオさんの万華鏡展から。
上の写真は、中村和正さん・ミエ子さんご夫妻の「雪国の青空」という作品です。 ガラスを切ってハンダで繋ぐステンドガラスの万華鏡のパーラータイプです。 そこに組み込まれたユニークなミラーシステムによって、こんなに立体的な面白い映像を見せています。

ミラーシステムに変化を加えることで、生まれてきたこの映像は、ホイールを回すと色模様を変えますが、美しい青い光の筋だけはいつも見えています。 不思議な世界を覗くようです。

次は伊藤美津江さんのパーラータイプの作品。 全体に明るいきれいな色使いで、台も支えも透明感のあるガラスを使って、とても爽やかな印象です。 2枚のガラスの板を通過するように万華鏡の筒を置くデザインも新鮮なアイディアですね。

中の映像はテイパードミラーシステムに変化を加えたもの。 マンダラ模様がいろいろな方向に向かっているような立体的で不思議な映像です。

オーソドックスなステンドガラスのデザインを貫く細井厚子さん。 ハンダのラインがアクセントとなった、シンプルでお洒落な万華鏡です。 

今回拝見したのは、「暗室の薔薇」という作品です。  細井さんの作品は、ぐるぐる回しながら見るのではなく、筒を止めたまま、オブジェクトがセルの中で動くのをじっと見つめる万華鏡です。 どこからともなく現れてきたガラスのオブジェクトを見つめていると・・・

静かに大きな花が開き、そして消えていきます。 その優雅な流れの中に身を置くような気持になります。

ステンドガラスの万華鏡の筒に愛らしい花を描いた木村えみ子さんの作品。 アルミ製のテレイドスコープにも可愛らしい花が描かれています。 

どちらも花束の代りにプレゼントしたら、花よりも長く、ずっと楽しんでもらえそうですね。

いろいろなステンドガラスの万華鏡、その個性を楽しんでいただきたいと思います。

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