このところ体調を崩してしまい、予定していた万華鏡展にも行けず、ブログの更新もままならない状態でした。 そんな時はお気に入りの万華鏡を覗ければいいのですが、効き目の左目の具合が悪くてどうも楽しめません。 こんなこと、本当に初めてのことで、戸惑っています。
今日は中里保子さんのKatagamiシリーズの一点をご紹介します。
着物の染色のための伊勢型紙は、デザインの宝庫。 古典的な柄からモダンな柄までいろいろあって、万華鏡のデザインに「生かす」ことに中里さんはチャレンジしています。
細かく可愛らしい小花の散る模様を使ったこの作品は、型紙の下にさらに和紙を置いて、切り込まれた模様から少し色味が見えています。
サイドにも花模様のような質感のあるガラスを使って、趣向をこらしています。
装飾ハンダも型紙の雰囲気に合わせて、古びた落ち着いた色にしています。 ハンダはそのままだと銀色ですが、ステンドガラスの万華鏡で、外観に合わせて色を施すことをパティーナと言います。
ここも作家さんの個性の出るところですから、万華鏡をご覧になる時にちょっと注意してみてください。
この万華鏡でさらに魅力的なのは、このオブジェクトセルです。 透明なオイルの中に浮かぶガラスオブジェクトがとてもきれいで、惹かれました。 中里さんに伺ったところ、オブジェクトに使うガラスの種類にもこだわり、ひとつひとつ丁寧に創り上げたものだそうです。 伊勢型紙を使った作品、一つ一つ違うのですが、やはり伝統的な和の雰囲気にも合わせながら、現代万華鏡としての表現というところで、チャレンジなさっているんだなあと感じます。
17ポイントという細かい映像です。
写真では分かりにくいのですが、透明感があり、いろいろな色だけでなくガラスの質感までも重なり合うことで、美しい表情を見せています。
中里さんのそんな製作スタイルを取材した番組が5月5日 18時55分から19時 日本テレビ「わたしのLifeOn」で紹介されるそうです。 時間をかけた取材にもかかわらず、短い放映時間なのが残念。ノーカット版で見たいなあと思ってしまいます。 でも楽しみです。