経済産業省による「クール・ジャパン戦略推進事業」というプロジェクトのひとつ、WAO cool Japan 工芸ルネッサンスプロジェクトに応募し、みごと審査を通過した沼尻のんさんの「麻衣花」という万華鏡をご紹介します。
モノ作り日本を応援するためのプロジェクトで、日本の工芸に取り組む多くの人から広く作品を募集し、一流アーティスト、クリエイターの審査を経て、ニューヨーク、パリでその入選作品を展示・販売するそうです。
Cool Japanを体現したモダンな万華鏡として認められたこの作品はいよいよ2月ニューヨークで展示・販売されます。 (2012年2月10日~12日 Capsule Studio 873Broadway #204
New York にて)
追加情報 パリ 展示会 2012年3月4日~6日 Hall des Maréchaux, Les Arts decoratifs(パリ装飾美術館 マレショオホール) 107、rue de Rivoli 75001 Paris
2009年、IKA展(万華鏡の公募展)で最優秀賞を受賞し、作家としての道を歩み始めた沼尻さんですが、その時の作品が麻糸を巻いたモダンなデザインの、日本の季節を表す万華鏡の連作でした。
万華鏡暦 と 映像
その後も素材を選びながら、現代的なデザインの作品を作りつづけていらっしゃいますが、今回の出品作は「和モダン」がテーマで シンプルな形です。 今回の「麻衣花」は、和の雰囲気を伝え、懐かしい感じがありながら、現代的な作品です。
今後の販売も視野に入れた小型の手持ち型の万華鏡で、麻糸の色とガラスオブジェクトの色合いで、一つ一つの世界を見せます。 筒全体を回して映像の変化を楽しみます。
ツートンカラーの本体は2色の麻糸を巻いていますが、 下の部分はナチュラルな色の麻糸、そして上の部分は染めた麻糸で、12色ほど用意されています。境目に金属のバンドを巻き、アクセントとしています。
日常的になじみのある麻糸がユニークな装飾となり、アート作品としての表情をしていますね。
2ミラーシステムを通して、6枚の花びらのような映像を生み出します。 一つ一つバーナーワークで創り上げ、繊細さを大切にしたガラスオブジェクト・・・ 外観の色とのコーディネートはもちろんのこと、日本人らしい繊細で優しい色味が特徴です。
いろいろな光を当ててみると、また違った味わいの映像が生まれます。覗いている時間が癒しになるように・・・との作家さんの思いも伝わることでしょう。
日本の万華鏡を世界に発信していきたいと常々思っておりますが、このような機会があれば、さらに万華鏡とは縁のなかった多くの方にも見ていただけることでしょう。 嬉しい限りです。