この映像はデヴィッド・コリアの「トリオ」の映像のひとつです。名前が語っているように、この万華鏡には何と3種類のミラーシステムが内蔵されています。5ポイントの曼荼羅映像を生み出す2ミラーシステム、三角形のパターンが広がる3ミラーシステム、そして長方形の映像が格子状に広がる4ミラーシステムです。アイホール(覗き口)が3つあり、ひとつの大きなオブジェクトセルを見るわけですが、大きい分、オブジェクトの種類、色合いも多彩で、それぞれ違った万華鏡を見ているようです。オイル入りセルで光を横から取り込むタイプ。オブジェクトはガラス、セラミック、金属、プラスティックなどが使われ、映像はクリアーでしかもとても立体的です。この映像は、4ミラーシステムのもの。 ポップな楽しい感じですね。この万華鏡は楽しみがたくさん詰まっている割には手ごろな価格で人気があります。コリア・カレイドスコープスの工房で生産される量産タイプの万華鏡は、いずれも高品質で、映像もきれいなのが嬉しいです。デヴィッド・コリアは特に木工の技術を生かした万華鏡で有名ですが、布、プラスティック、金属、陶器などを使った量産タイプの作品も手がけています。彼はクリエイティブな精神とビジネスセンスを生かして「手ごろな値段で高品質な」万華鏡を生産し、「誰もが楽しめる上質な万華鏡」を提供することに成功しました。
チャールズ・カラディモスの新作「アンビアンス」です。彼の作品の基本はスランピングという技法で外部の形を作っていますが、今回の作品はアンティークガラスと呼ばれる吹きガラス工法によるアートガラスがアクセントとして白い本体にはめ込まれています。そしてこの作品の最大の特徴は、オブジェクトセルの背景に、そのアートガラスが使われていることです。今まではほとんどが白っぽく半透明か、無色透明のガラスをオブジェクトセルの背景に使っていましたが、最近このような透明感のある色のついたものを使った作品が出てきました。オブジェクトセルを回すとオブジェクトの動きと共にこの背景のガラスも回ります。鏡の中に映りこむパステルカラーの色合いがそのたびに変わるわけで、映像全体の雰囲気が変わっていきます。「アンビアンス」というタイトルの意味は、ある特定の状況で生み出される雰囲気、ムードのこと。万華鏡を覗いているとその意味がよくわかります。映像の雰囲気の変化が面白みになっているのですね。そして何といっても彼の映像のすばらしいのは、オブジェクトの完璧なシンメトリー。
ドライセルなので、オブジェクトセルを回すたびに、心地よいガラスの動く音が感じられます。チャールズ・カラディモスはコージー・ベーカーの引退後、ザ・ブリュースターカレイドスコープソサエティーの代表者(3名)のひとりとして、万華鏡製作だけではなく、万華鏡界の発展のためにがんばっています。
ドライセルなので、オブジェクトセルを回すたびに、心地よいガラスの動く音が感じられます。チャールズ・カラディモスはコージー・ベーカーの引退後、ザ・ブリュースターカレイドスコープソサエティーの代表者(3名)のひとりとして、万華鏡製作だけではなく、万華鏡界の発展のためにがんばっています。
昨日に続いてウィル・スミスの万華鏡です。海や水をモチーフにしたパーラー型や手持ち型のシリーズのほかに、彼のトレードマークであるファウンテン(噴水)シリーズのひとつ「HANA」をご紹介します。噴水といっても、水が噴出すのではなく、モーターを使って水が流れ出す仕組みになっているのです。中心に浮かんでいる大きな「花」は特別あつらえのダイクロイックガラスのボウル。水の流れで回転し幻想的な輝きを見せます。そして、その流れはそのまま台の側面を流れ落ちます。柔軟性があり角度や向きを調節できる支柱で取り付けられた2ミラー、3ミラーのテレイドスコープでその回転するガラスの「花」を見ると夢の中の世界に浸れるそうです。そして耳にはやさしい水の流れの音が聞こえます。「私はいつも水の美しさとパワーに惹かれてきた。水の流れは人の気持ちを和ませる効果があり、その水の動きとカレイドスコープの生み出す美が心を穏やかにしてくれる。そして、カレイドスコープは心を自由にする」と彼は言っています。最近は自作の大型の万華鏡をいくつか持って巡回展を主催し、その楽しみを伝える活動もしているようです。
海を愛する万華鏡作家、カリフォルニア在住のウィル・スミスから新作の情報が届きました。工房名はカレイドスコープと波を表す「カレイドウェイブ」、海洋学とアートを学び、一貫して水や海をテーマに万華鏡を製作してきました。この作品は「ウェイブ・ダンス」という限定版です。スマートで現代的なデザイン、アクリルと金属とハワイ産の木材コアウッドを素材とするユニークな万華鏡です。彼の万華鏡の特徴は水の流れや動きを大きめなアクリル製のセルに表現すること。流れの中に浮かぶホログラフィックホイル、リボンなどのオブジェクトが水のきらめきを表現します。
もともと透明なアクリル素材を生かしたディスプレイ用の台やケース、箱などを製作する会社を興しただけあってアクリルの扱い方は手馴れたもの。万華鏡のチェンバーとして、造り、デザインとも秀逸だと思います。チェンバーをスムーズに回転させる工夫も取り入れています。
こんな万華鏡を窓辺に飾って海の波を感じ、中を覗いて、ひととき海の中に遊んではいかがでしょうか。この万華鏡はパーラー型になっていますが、取り外して手に持って楽しむこともできます。2ミラーシステムで7ポイントの映像が、あなたを誘うのはカリフォルニアの海でしょうか。ハワイの海でしょうか。
もともと透明なアクリル素材を生かしたディスプレイ用の台やケース、箱などを製作する会社を興しただけあってアクリルの扱い方は手馴れたもの。万華鏡のチェンバーとして、造り、デザインとも秀逸だと思います。チェンバーをスムーズに回転させる工夫も取り入れています。
こんな万華鏡を窓辺に飾って海の波を感じ、中を覗いて、ひととき海の中に遊んではいかがでしょうか。この万華鏡はパーラー型になっていますが、取り外して手に持って楽しむこともできます。2ミラーシステムで7ポイントの映像が、あなたを誘うのはカリフォルニアの海でしょうか。ハワイの海でしょうか。
昨日ご紹介したスパンキーの内部映像です。外部のラベンダー色に合わせてラベンダーのほか、白やブルー、グリーン、ピンクなどを配したオブジェクトがオイルセルの中でゆっくりと動きます。6ポイントの映像は雪の結晶にも似て、その完璧なシンメトリーが目に心地よいと思います。ペギーの作るオブジェクトは形や色合い、バランス、全ての面がよく考えられており、その結果生み出される映像は多くの人を惹きつけてやまない魅惑的な変化を見せてくれます。人はなぜ万華鏡に惹かれるのでしょうか?
「カレイドスコープルネッサンスは科学とアートの融合に留まらず、知覚と精神の融合をもたらす」とコージー・ベーカーさんは言っています。万華鏡の映像アートは見る人の魂に直接訴えて、その人の考えや、感じ方や、反応に影響を及ぼします。一日のうち、ほんの少しの時間を割いて、「耳をすませて聴くような見方で」静かに万華鏡を覗き、そのバランス、ハーモニー、統一感を感じることで、気持ちが落ち着き、心を開くことができると彼女は述べています。そこに映し出されるシンメトリーや色の調和、その瞬間だけの美が生まれては消え、また別の美が生まれるという永遠性に、人知を超えた神の意思を感じるとさえ言っています。アメリカ人の宗教観かもしれません。皆さんはどんな風に万華鏡の魅力をとらえていらっしゃるでしょうか。
「カレイドスコープルネッサンスは科学とアートの融合に留まらず、知覚と精神の融合をもたらす」とコージー・ベーカーさんは言っています。万華鏡の映像アートは見る人の魂に直接訴えて、その人の考えや、感じ方や、反応に影響を及ぼします。一日のうち、ほんの少しの時間を割いて、「耳をすませて聴くような見方で」静かに万華鏡を覗き、そのバランス、ハーモニー、統一感を感じることで、気持ちが落ち着き、心を開くことができると彼女は述べています。そこに映し出されるシンメトリーや色の調和、その瞬間だけの美が生まれては消え、また別の美が生まれるという永遠性に、人知を超えた神の意思を感じるとさえ言っています。アメリカ人の宗教観かもしれません。皆さんはどんな風に万華鏡の魅力をとらえていらっしゃるでしょうか。
ラベンダー色の大理石模様のような陰影が素敵なステンドガラス製の万華鏡「スパンキー」をご紹介します。万華鏡にかかわるようになってから、ガラスにもいろいろな種類や表情があることを知るようになりました。その多様な中から、どのガラスを選び、どのように万華鏡に作り上げるか、作家の個性となって現れるわけですが、この万華鏡の作者、ペギー&スティーブ・キテルソンも自分たちのスタイルを貫きながら、ガラスの美しさの表現を追求してきました。この「スパンキー」は、彼らの定番の万華鏡のひとつですが、ガラスの色の選択肢は多く、好きな色を探せる楽しみを提供してくれます。材料となっているアートガラスは1枚の板状になっていますが、カットする場所によって色合いや陰影が違っています。ですからスランピングという技法で時間をかけて出来上がった作品も、全く同じものはあり得ません。均一でない面白さがあります。アートガラスは時に割れ目ではない、細い亀裂のようなラインが入っていることがあります。これも表情のひとつなのです。定番作品でもユニークさを追求して、ひとつだけのお気に入りを探すのも楽しみ方のひとつでしょう。この万華鏡に合いそうなテーブルセンターを見つけて置いてみました。
今日もスー・リオの万華鏡映像をご紹介します。限定版の作品「フローラ」の内部映像です。スーは、外部のデザインにダイクロイックガラスをふんだんに使ったもの、昨日のようなオブジェクトのシリンダーにダイクロイックガラスを取り入れたものなど、ダイクロイックガラスの魅力を、その作品に余すところなく表現してきましたが、この「フローラ」万華鏡では、その魅力が内部のデザインに生かされています。ここでダイクロイック(2色性)ガラスの説明をしておきますね。ガラスの表面に真空空間で金属のごく薄い層を付着させたもので、その技術は航空宇宙産業で開発されたものです。光が表面で反射したり、重ねられたガラスの層を屈折して通ったりするため、深みのある色合いと、きらめきのある光沢とが融合して魅力的な輝きを見せるガラスです。 そのダイクロイックガラスを3角形に組まれたミラーシステムの1枚に使っているのです。その結果先端部からオブジェクトセルを通して入ってくる光の当たり方によって変化する輝きが、2ミラーの曼荼羅映像を取り囲む幻想的なオーラになっています。中心となる映像は花がテーマで、春らしい明るさ、透明感に満ちています。万華鏡の内部で光が遊び、花が咲く感じです。ガラスのいろいろな魅力を味わえますね。
昨日のプティ・ハミングバードですが、やはり明るい日光のあるところの方がガラスが美しいので、写真を替えました。 良かったらもう一度ごらんください。
昨日のプティ・ハミングバードですが、やはり明るい日光のあるところの方がガラスが美しいので、写真を替えました。 良かったらもう一度ごらんください。
昨日、内部映像をご紹介したスー・リオの「プティ・ハミングバード」です。ミラーシステムを内蔵する本体は黒い光沢のあるガラス、アクセントの、羽ばたくハミングバードはダイクロイックガラスが、装飾はんだでデザインされた手の込んだもの。2ミラーシステムと3ミラーシステムの2つの種類の映像が楽しめます。圧巻はオブジェクトのガラス細工をちりばめたシリンダーです。ダイクロイックガラス、玉虫色の光沢のガラス、透き通ったガラス、きらめきのあるガラスジュエリーなど、色合いも形状もさまざまなガラスオブジェクトが、一見無作為に(実はバランスをよく考えられて)シリンダー状に形作られ、銅色のパティーナを施した装飾はんだでまとめられています。黒い本体、可愛らしいハミングバードの装飾、きらびやかなシリンダーが組み合わされて、手作りのガラス万華鏡の魅力を十分に伝える作品となっています。豪華できらびやかなこのオブジェクトをミラーシステムを通してみると、芳醇なワインの香りが感じられるような、豊かな深い色合いの映像が、外部とは違った趣を楽しませてくれます。 この両方のアートとしての表現を堪能して欲しいというのが、作家スー・リオの願いです。万華鏡は見る人の存在と参加(覗いてオブジェクトを動かす行為)を必要とするアートであるということが実感されますね。
ザ・シーパロット工房のスー・リオが今年から独立して、スー・リオデザインズという名前で限定版を中心に製作するようになりました。ザ・シーパロット時代にはボブ・リオとともにさまざまなステンドガラスの作品を手がけ、数々の受賞暦がありました。最近はダイクロイックガラスを大胆に使ったパーラータイプの作品が多かったのですが、これからはふたつの工房で作られていくことになります。スーのデザイン感覚を使って、今後どのようなオリジナル作品を作っていくのか、楽しみです。この映像は「プティ・ハミングバード」という作品の内部映像です。大きめのアイホールを覗くと鮮やかな色の饗宴が目に飛び込んできます。オブジェクトはステンドガラスとダイクロイックガラスを組み合わせたシリンダーで、回転して生み出される映像は絵の具を重ねて描かれた絵画のようにも見えます。スーはガラスを素材として万華鏡やガラスジュエリーを作っていますが、そのデザインは女性ながら大胆で力強いところと、ガラスの繊細な美しさへのこだわりが組み合わされていてユニークです。外観の美しさと内部映像の美しさを同様に追求しているだけあって、外部のデザインもとても魅力的です。次回ご紹介いたしますのでお楽しみに。
今日はちょっと趣を変えて日本製のおみやげ物の万華鏡です。ちりめんを巻いた丸くて小さくて(直径24mm)可愛らしい本体に、ストラップと小さな鈴がついています。こんなに小さくてもちゃんと3ミラーシステムを通して先端のガラスの粒みたいなオブジェクトが拡大されて見えます。ちりめんの模様や色はいろいろあり、好みのものを選べるようになっています。日本的で値の張らない小さなおみやげをお探しの万華鏡好きの方には気に入っていただけるのでは?
万華鏡についての説明がついていて、こんな風に書かれています。
「鏡は昔は大変不思議なものと思われていました。時を経て、灯台の灯りをより遠くへ届かせるための光の反射、光の屈折などの研究から、万華鏡は双方の作用を使うことによって生まれました。私たちの生活になくてはならないこの光と鏡を使って神秘的な美しい模様を作り出すのが"万華鏡"です。」 この万華鏡を考案した方もきっと万華鏡が大好きなのだと思います。
万華鏡についての説明がついていて、こんな風に書かれています。
「鏡は昔は大変不思議なものと思われていました。時を経て、灯台の灯りをより遠くへ届かせるための光の反射、光の屈折などの研究から、万華鏡は双方の作用を使うことによって生まれました。私たちの生活になくてはならないこの光と鏡を使って神秘的な美しい模様を作り出すのが"万華鏡"です。」 この万華鏡を考案した方もきっと万華鏡が大好きなのだと思います。