万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

「おとなも楽しむ万華鏡」展 10年目! 10th Kaleidoscope Exhibit in Yokohama

2013-07-31 16:28:01 | 万華鏡ブログ

今年も素敵な御案内状が届き、わくわくしながら見に行きました。 もう10回を数えるそうで、私もこれまでのことを思いだし、長く続いていること、そして内容も新しく、魅力をさらに増していることを本当に素晴らしく思います。 作家さんが主催なさるグループ展としてこれからも続いてほしいなあと思います。

案内状を毎回デザインなさるのは、中村あや子さん。 今日ご紹介するのはそのあや子さんの絵が飾る万華鏡「ハイぺリオン」です。

薄い箱型の万華鏡で、本体の部分は長さ14cmほど。オブジェクトセルまで入れて16cm弱の小さめの愛らしい作品です。

赤い花と青い鳥の描かれた筒の模様(両面)が、ちょっとキラキラ感もあって、とても素敵です。
丁寧な装飾ハンダも筒のデザインの大きなポイントです。
中の映像はとても大きくて、迫力があります。 

無理に枠内に閉じ込めないで撮影しました。 実際は丸い大きな映像が、目の前で展開します。

中村明功さん・あや子さんの万華鏡は、他にも数種類展示されていました。 格子模様に互い違いで映像が見える「スキズマトリックス」や色の回廊が見える箱型の作品など、どれも個性と魅力にあふれた作品です。

万華鏡と一緒に入っているカードも、あや子さんのオリジナルで、万華鏡を覗く着物を着たうさぎが・・・

そして箱にも、桃の木の下で、万華鏡を覗く人の絵が飾られています。 これにはどんなストーリーがあるのか今度聞いてみよう・・・・

この万華鏡展、個性的な作品がたくさん並び、どれも手にとって覗くことができます。 日本の万華鏡界で活躍する、今をときめく作家さんたちの作品です。 ぜひ多くの方に見ていただきたいと思います。

参加作家 : 山見浩司さん、Karinさん、木村えみ子さん、喜多里加さん、小嶌淳さん、小林綾花さん、佐藤元洋さん、田村慎一さん、中里保子さん、細井厚子さん、細野朝士さん、中村明功さん・あや子さん

会期 : 7月30日~8月5日 午前10時から午後8時まで
会場 : そごう横浜店 6階美術館通り 特設会場

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オリーブ  Olive

2013-07-29 19:28:41 | 万華鏡ブログ

爽やかなグリーンからグレイという独特の色合いのガラスに船のシルエットを浮かび上がらせた、個性豊かなデザインが目を惹く万華鏡です。
松宮真理子さんの「olive オリーブ」という作品で、2枚のガラスのパネルで挟まれた中央部にミラーシステムの筒があります。 少し斜めから見ると分かりますね。

オブジェクトセルには、透き通ったガラスオブジェクトがガラスの繊細さと危うさを感じさせながら、オイルの中でゆったりと動きます。 趣のある金属のバンドを選んで、オブジェクトセルを取り付けるデザインもしゃれています。

セルの部分は十分な光が当たるので、透明感あふれる映像展開です。角度の狭い二等辺三角形に組んだミラーシステムから、展開する色模様は、ガラスの重なりあい、光を通過する度合いなどで、多彩に、多様に変化します。

「オリーブ」はシリーズになっている作品で、今年5月の個展でも、いろいろなデザインで発表されていました。 素敵ですね。

 松宮さんのセンスのあるお洒落な万華鏡は、そっと置かれて、柔らかい雰囲気を生み出す外観の魅力に加え、内部には、透明感のあるガラスを多用し、変化し続ける透き通ったガラスの色模様を生み出す作品です。

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ひとつで3つの楽しみ Rent Party by Henry Bergeson

2013-07-28 22:16:47 | 万華鏡ブログ

前回に続いて ヘンリー・バーガソンさんの作品です。 タイトルは「Rent Party」レントパーティーです。 調べたら、 主催者の家賃を工面するために入場料を要求する有料のパーティーだそうです。 どんな由来で、この名前になったのかヘンリーさんから伺うのを忘れました。 でも3つのセルを取り変えながらきれいな映像を楽しめるのは「家賃が払えない貧しさ」よりも「パーティーで何とかしようという楽しさ」が感じられて、なんだかいいなあと思います。


ご覧の通り、美しいカーブのある台座に万華鏡と2つのセルが収まるようになっています。 万華鏡を持ち上げて覗くのですが、ビン型のオブジェクトセルは傾けても落ちないように工夫があります。小さなマグネットが組み込まれ、ビンが万華鏡にくっつくようになっているのです。 外すときはちょっと引っ張れば、すぐ外れます。

ミラーのV字に組んだ角が上向きに置いてありますが、覗くときは持ち上げて、この角を斜め下に向けて覗くと、きれいに見えます。筒を傾けてもオブジェクトが落ちないので、安心して傾けられます。

オイルセルとなっているそれぞれのビンは金色のキャップがアクセントになっています。 外から見えるオブジェクトがどんな映像になるか、楽しみながら覗きます。

ブルー/ホワイト系のオブジェクトセルからの映像。

グリーン/レッド系のオブジェクトセルからの映像

パステルカラー系のオブジェクトセルからの映像

セルはたっぷりと光を通し、それぞれにとても変化が大きいので、楽しみがたくさんある万華鏡です。 パーティー気分になりましたか?

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自由な発想と機能美の融合 Time Fly by Henry Bergeson

2013-07-23 22:35:50 | 万華鏡ブログ

優美で滑らかな曲線を描くヘンリー・バーガソンさんの「Time Fly」という作品をご紹介します。 飛翔を思わせるスタイルは自由な発想から生まれた万華鏡の形でしょうか。 ヘンリー・バーガソンさんの作品は、単なる筒にとどまらない木工のデザインに、その万華鏡の魅力があります。

この作品は豊かな色合いのブビンガ材をメインに、メープル材を組み合わせて、モダンなデザインに仕上げています。 高さのある大きめの万華鏡ですが、後ろ側から見ると3点でバランスを取っているのがよくわかります。

覗き口のあるアイピースは、人間工学に基づいた自然なカーブになっていって、覗きやすくなっています。ボディのカーブ、スタンド部分のカーブ、そしてアイピースのカーブと、美しい流れを創りだす木工ならではの作品です。

この作品のもう一つの特徴は、とても大きなオブジェクトセルです。 直径4cm 長さ22cmもある大きなガラスのシリンダーの中に、色鮮やかでさまざまなオブジェクトが、びっしり入ったオイルセルです。

このセルは動きもよく、回転させても、左右にスライドさせても映像の変化を楽しめます。

そしてこのセルは取り外しも簡単にできます。 白っぽいメープル材で抑えてあるのですが、そこを水平方向に回すとオブジェクトの抑えが外れます。 はめ込んだ状態のときは、抑えの部分のマグネットが効いているので、外れることはありません。 

バーガソンさんは、万華鏡作家になる前はエンジニアだったので、以前から取り外したり、交換したりする部分や、内部照明などのスマートな仕組みを考えるのが得意で、マグネットを利用した着脱やばねを使った着脱など、機能的にも優れた作品を創ってきました。
万華鏡としてスマートなデザイン、覗きやすさと機能美を備えた作品に注目です。

そして、この万華鏡、映像がとてもきれいで迫力があります。

細い角度の二等辺三角形に組んだミラーシステムからは大きな曼荼羅とそれを囲む小さな曼荼羅模様が視野いっぱい広がります。 オブジェクトは大きめのビーズも多いですが、細かく分断されて、繊細な模様を生み出しています。

大きなオブジェくトセルだけに、模様の変化も大きく、多彩です。

自由な発想と考えつくされた機能性、素晴らしい融合ですね。

コンベンションに出品されていたさらに大きな作品、「Honey Jar」です。 オブジェクトセルがはちみつの瓶のように大きく、映像も見ごたえがあります。

そしてヘンリー・バーガソンさんはこちらの方です。 コロラドの山に工房があるそうです。

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ピンク色の万華鏡 Hammingbird by Sue Rioux

2013-07-22 22:38:57 | 万華鏡ブログ

この思いきり華やかなピンクの万華鏡は、万華鏡コンベンションから持ち帰ったスー・リオさんの作品のひとつです。
箱型の万華鏡はスー・リオさんの定番ですが、ピンクの直球勝負!という感じで、新しい印象を受けました。 箱の4面は同じアートガラスですが、それぞれに違った表情の部分が使われています。
両サイドに可愛らしいハミングバードが飾られていて、「覗いてごらん」と誘われるような気がしました。 

大きくて迫力のある映像が目の前に展開します。 ステンドガラスのバラ窓を見ているようです。

ガラスジュエルをちりばめたオブジェクトシリンダーもスー・リオさんのトレードマークになっています。いろいろな作品に使われますが、当然のことながら、一つとして同じものはなく、また光の当たりかた、通りかた次第で、同じ部分でも、いろいろな表情を見せるのが、この万華鏡の魅力です。

ハミングバードの部分もイリデッセントガラスとダイクロイックガラスを使っていますが、これも見る角度や光の状態で、色が変わって見えるのが面白いです。

万華鏡の装飾にも作家さんごとの作風があり、スー・リオさんの場合、特にガラスジュエルや装飾ハンダ、そしてこのハミングバードのようなデザインにその個性を見せていると思います。

中も外も華やかな万華鏡ですね。 このダイナミックさはアメリカの作家さんならではかなあと思ったりもします。

 

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アーサー王伝説 King Arthur's Legend by Luc and Sallie Durette

2013-07-20 23:17:57 | 万華鏡ブログ

ルーク&サリー・デュレット夫妻の最新作「King Arthur's Legend アーサー王伝説」をご紹介します。 
この万華鏡は、「Guinevere's Heart ギネヴィアズ・ハート」、 「Lancelot's Quest ランスロッツ・クエスト」に続く第3弾であり、彼らの「キャメロット・シリーズ」の最後の作品です。 
上の写真は、3つの万華鏡のシンボルです。 そして一番手前が、「アーサー王伝説」のシンボル、剣と王冠とケルト十字の紋章が飾られています。

筒はデュレット工房オリジナルの色付けで、何層も重ねて色を塗り、ゴールドの輝きをアクセントに、樹脂の中に閉じ込めています。 ギネヴィアの赤、ランスロットの青、そしてアーサー王の紫という演出です。

オブジェクトセルの中にも、アーサー王の勇敢さを示す名剣、エクスキャリバー、王冠、ケルト十字、聖杯、そしてキャメロットの城などが含まれ、高貴な雰囲気の紫をふんだんに使って、ロイヤルイメージを生み出しています。

アーサー王の宮廷に集まった円卓の騎士たちの冒険とロマンスを、万華鏡で表現したユニークなシリーズの最後の作品はどんなふうになるのだろうと楽しみにしていましたが、期待を裏切らない、豊かな表現を持つ万華鏡です。

壮大な騎士道の物語に想いを馳せながら、三作を楽しむのもいいですね。

オイル入りのオブジェクトセルは、滑らかな回転でオブジェクトの優雅な動きを作ります。渋いメタルオブジェクトの輝きと、発光するように光るビーズオブジェクトの組み合わせが、伝説の世界の独特の雰囲気を生み出しています。

万華鏡について、いろいろな作家さんの作品をご紹介していますが、本当にさまざまな作品があり、作風があり、いつも新しいことの発見があることに、いまさらながら驚かざるを得ません。 
そのような作品をご紹介できる幸せを感じています。 そして、私のサイトの及ばないところですが、ぜひ機会を見つけて実際に作品を手にとって見ていただけたら嬉しく思います。

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オブジェクトセルに入っているのは、雪と夢と幸せ

2013-07-19 17:08:27 | 万華鏡ブログ

今回の万華鏡コンベンションで、ジュディス・ポールさん、トム・ダーデンさんが新作発表なさった「Snowing」(雪が降る)をご紹介します。
パウダーコーティングした明るいブルーの筒に、ガラスの雪の結晶を飾った万華鏡です。 筒の大きさ、ミラーの仕組みなどは彼らの定番スタイルですが、新しくオブジェクトセルを入れ替えられるようになったことは、前回お伝えしました。 この作品は、テーマに合わせて最初から2種類のセルが用意されています。

黒い背景と透明な背景の2種類で、黒い方は横から光を取り入れますが、透明な方は正面と横の両方から光を取り入れます。 それぞれに合わせたオブジェクトの選び方にも個性がありますね。

黒い背景はこんな映像です。 ジュディスさんは夜の雪とおっしゃっていました。 深い輝きの中に浮かび上がる白の模様が美しい映像展開です。

そして昼の雪はゴールドのオブジェクトが輝いたり、白や青に彩られたりするきれいな映像です。

ジュディスさんは、きれいなものが大好きな、遊び心のある方で、新作発表の場でもお二人でこんなスタイルで登場なさいました。

お二人とも黒を基調とし、ジュディスさんの胸元には手作りのガラスの雪の結晶ペンダント。そしてトムさんのシャツにもたくさんの万華鏡映像をプリントしています。 話が上手なジュディスさんがマイクの前に立ち、トムさんがやさしい表情で見ているのもいつものスタイル。 こんなお二人の生み出す万華鏡は、いつもきれいで、楽しくて、夢がいっぱい詰まっていて、覗く人たちにたくさんのものを伝えていると思います。

 

 

 

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カレイドスコープ・ローズ Kaleidoscope Rose by Judith and Tom

2013-07-17 19:20:12 | 万華鏡ブログ

ジュディス・ポールさん、トム・ダーデンさんの万華鏡が、新しくなりました。 今までのシリーズのどの万華鏡も、オブジェクトセルの入れ替えができるようになったのです。 セルを抑えている黒いリングを外すと簡単にセルを取り出すことができ、入れ替えることができるようになりました。

この写真の作品は「カレイドスコープ・ローズ」という新作です。 美しい虹色に染まる大きなバラの花が筒を飾ります。 トップは、オブジェクトセルの裏側になり、ガラスの取っ手がついていて、それでセルを回転させます。

このように取り外せるので、セルの中もご覧いただけます。 この万華鏡のテーマはバラなので、ブルーやピンクのバラやいろいろな花がみえています。色合いもはっきりとして、さまざまな形、大きさ、材質のものを組み合わせているのがよくわかります。

ジュディスさんの生み出す映像は、明るさ、輝き、楽しさ、きれいさにあふれていて、覗いていると元気をもらえます。 きれいな模様に思わず声が出ます。

くっきりとした模様で、立体的なオブジェクトがきれいに見える工夫があり、小さな粒ビーズがその合間を流れるのがとても素敵です。

もう一点は「クレヨン」という万華鏡。ご覧の通り、色とりどりのクレヨンが筒の模様です。

この万華鏡に付いているのは、とても楽しそうなオブジェクトセルです。

クレヨンのセットも見えています。 どんな映像が見えるのか、わくわくしますね。

なんだか楽しくなる万華鏡だと思いませんか? クレヨンのセットがどんなふうに見えるか気になる方もいるかな。

一つでもすごくきれいで楽しい万華鏡ですが、多くのテーマで、たぶん80種類以上の作品があるので、他のセルとの組み合わせも考えると、楽しみが増えるのが嬉しいですね。

今年の新作発表で紹介された作品は、2種類のセルが最初から用意されているものでした。次回ご紹介します。

 

 

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4つの花  Unique mirror system producing 4 flowers in the center

2013-07-16 22:06:39 | 万華鏡ブログ

中心に4つの花が咲くこの映像に出会った時、花束みたいで素敵だなあと思いました。 
どんな万華鏡からこれが生まれたのかというと、2枚のガラスホイールをオブジェクトとする万華鏡です。
四角いステンドガラスの筒の中にミラーが組まれています。

ふらのやまべ美ゅーじあむの「今田コレクション」の一品ですが、作家はたぶんキャサリーン・ハントさんだと思います。 

4つの花が咲くミラーシステム、ぜひ想像してみてください。

 

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「クラシック」と名付けられた万華鏡  The Classic by Van Cort Instruments, Inc.

2013-07-15 16:54:56 | 万華鏡ブログ

今日ご紹介するのは、ふらのやまべ美ゅーじあむに最近加わった、「今田コレクション」から、Van Cort Instruments による 「The Classic ザ・クラシック」 という万華鏡です。
ヴァンコートインスツルメンツ社は、望遠鏡など精密な機器を再生産する会社であり、1983年からその技術を生かして、質の高い万華鏡を数多く作ってきました。

この作品は19世紀初めのイギリス製の万華鏡を模して再生したものだそうです。 だから、「ザ・クラシック」。1984年ごろの製作と思われます。 万華鏡ルネッサンスと呼ばれる時期の作品ですね。

ブッシュ万華鏡のレプリカや、過去の万華鏡のレプリカなどが多いのですが、どれも美しい映像を見せ、生まれ変わった現代の万華鏡といえると思います。 

残念ながら、この会社はなくなってしまいましたが、当時生み出した万華鏡の数が多かったためか、作品は、今でもオークションの場や、万華鏡店の片隅に見ることができます。

1985年世界初の万華鏡展に出品し、ブリュースター・ソサエティーの創立当時からのメンバーであったエリック・ヴァンコートさんは、数年前のコンベンションでお目にかかりましたが、その後どうなさっているでしょうか。

もう作らなくなった作家さん、閉めてしまったギャラリーなど、過去の話がいくつも出るくらいの時を、現代の万華鏡も刻んでいるんだなあと、感じてしまいました。 そして、もちろん新しい作家さんが現れ、新しい万華鏡店も生まれ、新しいコレクターの人も増えて、その歴史は続いています。

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