万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

21世紀の万華鏡展 その4

2011-05-31 11:32:41 | 万華鏡ブログ

ケンタッキー州コヴィントンで開催中の「21世紀の万華鏡展」のレポートを続けます。今日ご紹介するのは、スティーブ&ペギー・キテルソン夫妻の作品です。

堂々としたパーラー型の作品は見ごたえがあります。
左が「Mystic Resolution ミスティックリソリューション」。黒いガラスと透明なガラスの間に、金・銀・パラジウムの箔と黒の細いガラス棒を挟み込んで筒のデザインにしています。映像は2ミラー7ポイント。派手な色は使わない抑え目の色合いですが、ダイクロイックガラスの輝きもあり、優雅でお洒落な雰囲気です。 ポーラ・ナーデルスターンさんのキルトをイメージした作品なのですが、ガラスオブジェクトとは思えない表現に驚きます。

右側の白っぽいパーラータイプの作品は「Solitude」
木材を自然な感じでスタンドに使っているのがユニークであり、またこのガラスの筒によく合っています。
孤独というタイトルの雰囲気が伝わりますか。
映像は2ミラー6ポイント。温かみのある色合いで、ほっとします。

手前にある、花がデザインされた手持ち型の作品は、フラワースコープのうち、「Orchid 蘭」です。

さらに堂々とした、大きなフロアータイプの万華鏡は、昨年のコンベンションでも発表された「Genesis」。

アイアンとガラスをフュージングしたパネル、万華鏡のボディーを組み合わせたデザインで、高さが137cmほどあります。

筒もオブジェクトセルもとても大きい作品で、とても迫力満点! 

映像の変化も、それぞれのオブジェクトの表情も大きくてよく見えて面白いのですが、大き過ぎてうまく写真に納まりきれません。雰囲気だけでも・・・

複雑で、たくさんのオブジェクトの重なり合いが絵画のように色模様を生み出しています。 
ペギーさんとスティーブさんの素晴らしい共作をまたたっぷりと見せてくれました。

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マンダラママ

2011-05-28 23:41:26 | 万華鏡ブログ

ランディー&シェリー・ナップさんの手持ち型の最新作「マンダラシリーズ」から、今日はMandalaMaMa(マンダラママ)をご紹介します。
写真の手前、縞模様のゼブラウッドを巻いたほうです。
このシリーズは現在、写真の2本が発表されていて、これから2本を加えた4本のシリーズ作品になるそうです。

ランディーさんとシェリーさんの万華鏡作家としての経験と技術を注ぎ込んだ作品で、高品質で、覗き心地の良い万華鏡です。そのポイントは・・・
木材の薄板を巻いた筒は、手で磨きこまれていて、持った時に気持ちが良いこと。 オブジェクトセルの回転が滑らかなこと。作品を置く台がついていること。 ローズエンジンと呼ばれる旋盤加工で、覗き口とセルの回転部分に美しい装飾がなされていること。
シェリーさんの創るガラスオブジェクトは23年培ってきた彼女のLove for Colorを具体化したもので、色、形、質感の組み合わせが独特の美しさを持っていること。 黒い背景、2ミラーシステム、横から光を取り込むタイプ・・・ナップ夫妻の基本的な姿勢は崩さず、新しい作品が届くたびに得られる感動があること。 テイパードミラーシステム(先が広がっている細長い台形のミラーを組み合わせています)によって、美しいシンメトリーを、大きく見せていること。

これらは、彼らの万華鏡に関して、いつも書いていることです。つまり、変わらない安定した品質に裏付けられた新しい作品を生み出しているのですね。

この「マンダラママ」はセルの光を取り込む部分に、ダイクロイックフィルターをめぐらせています。 入って来る光により、映像に輝く色が加わります。 パステルカラーのオブジェクトの組み合わせに、光が新たな効果を加えるのです。


グリーンに光る映像。 ダイクロイックガラスのオブジェクトの煌きも流れの中でことさら美しく見えます。

そして次は、パープルの光に照らされた映像。

いろいろな光の下で見ていただくと、そのたびに新たな美しさを見つけられる、素敵な万華鏡です。

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21世紀の万華鏡展 その3

2011-05-27 21:54:00 | 万華鏡ブログ

21世紀の万華鏡展では、BKS ブリュースターカレイドスコープソサエティーの会員作家が出展しています。
日本にもファンの多いチャールズ・カラディモスさんの出品作のひとつは大型のパーラータイプ「Classic #12」。
回すたびに、完璧なシンメトリーが、まったく姿を変えて現れる素晴らしい作品です。 

それに加えて手持ち型の作品。 左からスパイラルコーン、スパイラル、マンダラブラック、クラシックコーン、アンビアンス。

チャールズ・カラディモスさんは、この展示会のPeople's Choice Award(参加者の投票による最優秀作品) も獲得しました。

こちらは佐藤元洋さんの「Mebuki」です。 この1点のみの出品でしたが、たくさんの方が見て、その素晴らしさをわかってくれました。

佐藤さんがとても喜んだのは、マーク・ティクルさんの作品と並んで展示されていたこと。 

マークさんの佐藤さんへのコメント。 「彼の作品には、評価される自分だけのスタイルがある。それを表現しながら進化し続けていることがよくわかる作品だね。素晴らしい!」 佐藤さんの初期からの作品を見てきたマークさんの的確な感想でした。

そしてマークさんの作品は大きなパーラータイプ2点。 どちらもミラーのマジックを思わせる斬新な3D映像と美しいマンダラ映像が、彼の自分だけのスタイルであり、大変素晴らしい作品です。

今回はあえてマークさんの作った鏡の中の世界に、会場にいる人も映りこんだ写真を載せてみました。 

この日、5月13日はオープニングのレセプションがあり、コンベンションの参加者や関係者が集まった日でした。
万華鏡を通してのたくさんの交流とたくさんの笑顔があったことが嬉しく、これから6週間続く万華鏡展の成功を祈りながら会場を後にしました。

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21世紀の万華鏡展 その2

2011-05-26 22:00:37 | 万華鏡ブログ

「21世紀の万華鏡展」で、最も大きい作品は、この「River of Life」です。 作者のトーマス・シュートウさんは、1990年ごろからこのような楽しい大型の万華鏡を創り始め、しかも屋外用のものを最初に手がけた作家さんでもあります。
どのくらい大きいかというと、覗いている人の姿からわかると思います。

この万華鏡の形はリバーボートの舵輪のように作られ、16個の部分に分けられたステンドガラスのホィールは、それぞれ川にまつわる生活や生き物を描いています。手前のハンドルを回すと、ホィールが回転します。ミラーシステムを通して見ると、その鮮やかな色合いの変化に感嘆の声を上げずにはいられない、ダイナミックで素晴らしい映像表現です。

3種類のミラーシステムが組み込まれています。

自らが川に関わって生きるトム・シュートウさんが、その生活、経験を基に作り上げた作品で、ホイールの部分の美しさも特筆に価します。

ご紹介している写真も十分にその美しさを表現していると思いますが、ホィールを回転させて動く映像のダイナミックなアートをご紹介できず残念です。

万華鏡のミラーには湿気が与えるダメージが大きいので、戸外で楽しめる万華鏡であるためには、十分な防水が必要です。たくさんの人が触り、回して楽しめるように、丈夫に作ってあることも大切。 でもこんな万華鏡が人々の集まる環境にあったら、楽しいですね。 
以前コンベンションで、同じ作家さんによる幌馬車の形をした作品を見たことがありますが、このリバーボートのような作品と同様、アメリカ的で楽しくて、きれいでした。

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21世紀の万華鏡展 その1

2011-05-25 10:29:00 | 万華鏡ブログ

今回のコンベンションでは画期的な催しがたくさんありましたが、その中で、BKS(ブリュースターカレイドスコープソサエティー)の人たち自身で、万華鏡をアートとして広く一般の方にも認知してもらおうという強い意志に基づく積極的な働きかけがありました。
ケンタッキー州コヴィントンという町(シンシナティーエリア)で開催されたコンベンションと開催日を重ねて、BKSによる「21世紀の万華鏡展」が、すぐ近くの「カーネギー・ビジュアル・アンド・パーフォーマンス・アーツセンター」で開幕したのです。 5月13日から6月24日までBKSの万華鏡アーティストたち30名の作品が112点、展示されています。BKSのメンバーの一人、メアリー・ボールさんによって交渉・準備がなされ、彼女の尽力で実現の運びとなったものです。

地域の様々な芸術活動を支えているアートセンターのメインギャラリーは、万華鏡展をするには最高の場所でした。
広さ、明るさ、展示方法、いずれもアート万華鏡の展示として、お手本としたいような万華鏡展だと思いました。

十分な空間をとり、万華鏡の世界をゆったりと歩いて好きなところで見る事ができます。そして、外観をすぐ近くでも、また少し離れても鑑賞でき、中もゆったりと覗くことができるように配慮されていました。 当たり前のことのようで、なかなか実現が難しいことです。
たくさんの人が訪れて、現代万華鏡の世界を楽しんでくれたら嬉しいなあと思いました。

おなじみの作家さんもたくさんいますが、今日は多くの人が初めて作品の実物をみることになったチャールズ・ソーグ(Charles Sorg)さんの作品をご紹介します。これは青いガラスが印象的な「Morpho-Ocelli」(青く光る目という意味)」。仕事の傍ら、独学で万華鏡を造り上げたそうです。 ユニークなデザインが印象的です。

 

次は「Transition(トランジション、推移、移行という意味)」 すごく手の込んだ大きなマーブルにもびっくりです。

ステンドガラスだけでなく、ガラスに模様を焼き付けた作品もありました。
左が「Electric Effervesecnce (電気の泡?という感じかな)」、右が「Full Circle (全円)」です。花火みたいですね。

そしてこの赤いガラスが目を惹くのは「Gotta Dance」(ダンスしなくちゃ(?))という作品。後ろで手を伸ばしているのが作家さんです。

この作家さんに限ってはマーブルスコープ以外、作品に勝手に触ってはいけなかったので、映像写真を撮るのを遠慮しましたが
寡作な作家さんですので、この機会に紹介したいと思いました。

その夜、シンシナティー・レッズの勝利を祝う花火をホテルの部屋から楽しみました。 橋を渡るとシンシナティーの街です。

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薔薇の万華鏡

2011-05-23 20:09:46 | 万華鏡ブログ

コンベンションのレポートはまだ途中ですが、今日は今が盛りの薔薇の花をテーマにした万華鏡をご紹介します。
写真はローラ・ワイルドさんのRondel シリーズのひとつで、テーマに沿った外観と映像を楽しむ作品です。
これはカリフォルニア州メンドシーノの薔薇だそうで、彼女自身の撮影した写真を使っています。

ローラ・ワイルドさんの万華鏡は、テーマ性があるという点で、仲のよいジュディス・ポールさんと似ていますが、筒の素材やセルのタイプなどにはっきりとした違いを持たせ、自らの世界を表現しています。 
テーマの多さで、どんな方にも季節感や好みのものに合わせた万華鏡を提供できるのではないでしょうか。

ローラさんのオブジェクトセルはかなり大きめで、その中にたっぷりとテーマに合わせて選んだオブジェクトが入っています。
ピンクの濃淡、グリーンの濃淡にまとめた色合いですが、ひとつひとつのオブジェクトが表情豊かで、その面白さを感じます。

立体感のある映像で、迫力も十分。薔薇の花の華やかさをみごとに映像にも表現しています。
いつまでも咲き誇る薔薇の万華鏡です。

薔薇といえば、仙台万華鏡美術館で、6月18日から7月10日まで日本人の作家さんによる「薔薇の万華鏡展」が開催されます。
19日には「復興記念トークライブ加藤登紀子の百万本のバラ」というイベントも企画されています。 
仙台の方々が少しでも元気になられて、万華鏡美術館にもたくさんの人が訪れて、この万華鏡展を楽しんでくれることを願っています。

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サイレントオークション Happy Colors! その2

2011-05-22 22:16:15 | 万華鏡ブログ

昨日に続いて、ハッピーカラーズのテーマで創られた作品をずらっとご紹介します。

上の写真はジュディス・ポールさん・トム・ダーデンさんご夫妻の「Cozy's Library」(コージーズ・ライブラリー)です。先日ご紹介したArtiscopeと同じ形態で、コージー・ベーカーさんの本の写真から、マンダラ映像を作り出し、4本の万華鏡にちりばめました。交換できるオブジェクトが4個なので、16通りのコンビネーションが考えられます。

次はデボラ&ケヴィン・ヒーリーさんご夫妻のペンダント万華鏡。ターコイズをふんだんに使っています。

 

フィル・コグヒルさんの「Party Time」   木製で風船の絵が描かれています。 暖かい雰囲気です。
その隣はロリ・ライリーさんのホイールのついた万華鏡ペンダントです。 

コージーさんの名前入りの万華鏡は、ドナ・ハーディンさんの、スペシャルなステンドガラス製の万華鏡 「High on the Mountain」。
替えのセルもついています。

樹脂粘土で筒を作る作家、ジャクリーン・スミスさんは、チューリップの花束のような万華鏡です。タイトルは「For Cozy with Love」

吹きガラスの万華鏡といえば、佐藤元洋さん。 「涼」という作品です。
何と先端部が回転する仕組みになっています。涼やかな音が聞こえます。

中に展開するハッピーカラーズは・・・

大きなホイールが眼を惹くべバリー・フォレスターさんの作品「Spring time colors」 です。

カラーを飾った「Kaleidoscope with Calla Lillies」は、デヴィッド・カリッシュさんの作品。
コージーさんに捧げる作品として、筒にも飾りをつけ、お洒落なデザインの台に載せました。

2ミラーと3ミラーの映像を楽しめます。 3ミラーの映像はこんな感じです。

ひとつのテーマでこんなにたくさんの種類の万華鏡が生まれました。 それぞれの作家さんらしさを表現しながら、ひとつのテーマを追いかける面白さを、ほんの少しでも感じていただけたら幸いです。
これらの万華鏡は静かな競り合いの後に新たな落ち着き先を見つけて、旅立ちました。 

 

 

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サイレントオークション Happy Colors! その1

2011-05-21 21:53:49 | 万華鏡ブログ

ザ・ブリュースター・カレイドスコープソサエティのコンベンションでは、その年のテーマを決めて、アーティストにサイレントオークションへの出品を促します。
アーティストは、新作発表の作品、サイレントオークションの作品、そして自分のテーブルで販売する作品を用意して、コンベンションに臨みますので、準備も大変です。(これらは強制ではないので、全部に出さなくてはならないということではありません。)

今日は、コージー・ベーカーさんを偲んだ今年のテーマ「ハッピーカラーズ」を表現した作品をご紹介します。

上の写真は、ローラ・ワイルドさんの「Happy Colors!」です。白い陶器の台に、コージーさんの好きだった深いピンクとターコイズの色のマンダラ映像とシルクの花々を飾っています。筒にはコージーさんの言葉が書かれています。
内部映像は2ミラー5ポイント。 カラーコーディネイトされた色模様ですね。

次はマーク・ティクルさんの「Blue Heaven」。 外はブルーやパープルの色でまとめられ、覗き口が大きくとられています。 

テイパードミラーシステムで、先端にあるオブジェクトセルにはマークさんらしい手の込んだオブジェクトがオイルの中に浮かんでいます。

大きな球体の外をトンボが飛んでいるのが見えますか? 写真ではわかりにくいですが、少しでもマークさんの3D 映像の迫力を感じていただけると嬉しいです。

次はスティーブ&ペギー・キテルソン夫妻の「Galaxy」。 初めてみるタイプのガラスの筒です。 少しざらざらしているので、生前、コージーさんが手袋をはめて見ることを茶目っ気たっぷりに提案したとか・・・だから、手袋付きだそうです。

中はペギーさんのお好きな3ポイントの美しい映像。

虹の向こうに夢を感じていたコージーさんを想い、キャロリン・ベネットさんが作った作品「Cozy's Happy Colors」です。中からLEDで光っています。

これらの作品は、このオークションのためだけに創られた1点ものが多いので、オークションで競り落とした人のコレクションに加えられます。 これから先、目にすることも少ないと思われますので、力作をご紹介したいと思った次第です。 

明日も続きます。

 

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コージー・ベーカーさんを偲ぶ万華鏡

2011-05-20 22:53:21 | 万華鏡ブログ

今年のコンベンションは、昨年10月に亡くなられたコージー・ベーカーさんを追悼する集まりでもありました。
恒例のサイレントオークション (声を上げるのではなく、価格を紙に書き込んでいく方法です。)の出品作品も、テーマは「Happy Colors!」。 これは コージーさんがよくメッセージに添えていた言葉です。
オークションに出品する作品は、コージーさんにささげる想いを作品にしたものが多く、ユニークな1点ものが目を惹きます。
このジャンルの作品にもPeople's Choice Award が設けられ、今年の受賞者はチャールズ・カラディモスさんの作品「Happy Colors Cozy」でした。

万華鏡は、まさにコージーさんのこの写真の姿を写し取った姿に仕上がっています。カラディモスさん特有のコーン型の筒にウィングがついたような形です。 後ろ側はウィングと同じ色模様になっています。 ガラス工芸の技術を駆使して創られた万華鏡です。

数年前のコンベンションのバンケットの趣向に合わせた衣装で、ベーカーさんはマスクをつけていました。そのマスクとペンダントもガラスで創られ添えられています。
多くの人が、「あの時のコージーさんだ!」と思い出す写真・・・
それにそっくりの万華鏡を作り上げたカラディモスさんが多くの票を集めたのも納得がいきます。

カラディモスさんはブリュースターソサエティーの発足当時からずっとベーカーさんを助けてきました。ベーカーさんが引退なさってからは、自らが中心となってソサエティーを牽引してきた方です。
きっとたくさんの想いが詰まった作品なのでしょうね。スタート価格が高額だったのは、もしかしたら手元に置いておきたかったのかな・・・

もちろん変化に富んだ精緻な映像も、相変わらず魅力的です。

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Ar-ti-scope

2011-05-19 23:02:02 | 万華鏡ブログ

ザ・ブリュースター・カレイドスコープソサエティーのコンベンションで、参加者の投票による優れた新作万華鏡に与えられるPeople's Choice Award の3組目の受賞者はジュディス・ポールさん、トム・ダーデンさんご夫妻でした。
新作発表の時、お二人は万華鏡模様のシャツをお揃いで着て登場。
 

発表なさったのが、本の中に万華鏡を収めた作品です。
そしてそのコンセプトはar-ti-scope(アーティスコープ)と名づけました。 
他のアート(この場合は絵画)から選んだ部分をマンダラ映像に変え、筒を飾るデザインにします。そしてセルは、そのアートのイメージから素材を集めます。これはモネの絵画を使った4本の万華鏡が収められています。 美術に造詣の深いジュディスさんが、万華鏡でどんな風に絵画というアートに迫ったのか、感じることができます。

また、この万華鏡はルノアールの絵の一部が万華鏡映像になって筒のデザインになっていますね。

使われた図案の元の絵は画家のどの絵で、どこの部分を万華鏡模様にしているのか、探せるように、いずれも万華鏡と画集のセットになっています。

ひとつの本に4本の万華鏡。 4種類の異なったミラーシステムです。
そして先端の黒い輪をはずすと、オブジェクトセルが交換できるようになっています。
つまり4×4、16個の万華鏡を持っているのと同じです。

彼らの万華鏡の特徴はオブジェクトにFound Objects を使うことです。
「ファウンドオブジェクト」というのは、すでにあるものから見つけ出したものという意味。それらを見つけてきて組み合わせて入れるタイプで、ジュディスさんが集めた万華鏡オブジェクトになりそうなものから、テーマにあわせて、選びます。定番のシリーズ作品にたくさんのテーマがあることはご存知だと思いますが、そのために本当に多くのオブジェクト予備軍のいろいろなピースが工房に準備されています。

その選び方が上手で、テーマに合った素晴らしい映像を生み出すことに成功しているのです。

モネとルノワールのほかには、ジョージア・オキーフの絵画をテーマにしたものもあります。
万華鏡の本体はいつもと同じ形ですが、デザインにいろいろな工夫をこらし、演出の仕方も毎回違っていて、みんなを楽しませてくれる作家さんです。
こんな本が1冊あってもいいですね。

 

 

 

Comments (2)
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