東京フォーラムで開催中の「プレリュード」展から、ご紹介します。 この展示会は、5月に予定されているブリュースター・カレイドスコープ・ソサエティが初めてアメリカ以外の国で開催するコンベンション 「BKS万華鏡世界大会in京都」 のプレイベントとして、開催されています。 京都での開催ですが、東京近辺の方にもご案内するために、国内外の参加作家40数名の作品を展示しています。 京都ではもっと多くの作家さんが参加して、新しい作品の発表もあります。
たくさんの作品が展示されていますが、その中から、日本的な花をイメージした万華鏡をご紹介します。
トップの写真は鈴木明子さんの「桜」の万華鏡映像です。
真ん中の作品ですが、筒にも桜の花がデザインされています。 鈴木さんは季節感のあるテーマで万華鏡映像を表現なさるのがとても上手ですね。上の映像も落ち着いた色合いで華やかさが演出されています。
こちらは初めてこのブログでご紹介する山崎史朗さんの作品です。ノウゼンカズラの花を描いた磁器の万華鏡に銀細工をアイホールとセルの周りに施しています。 山崎さんはジュエリーデザイン、グラフィックデザイン、彫金、茶道具、根付けなど多様な分野で活動なさっていて、日本の工芸美を万華鏡に表現しています。
こちらの内部映像も色調が和風な感じできれいな花模様ですね。
次は大塚新子さん・友子さんの作品で源氏物語を描いたデコパージュの万華鏡です。外観をデコパージュの技法で装飾し、内部映像と合わせて物語の世界を創り出す作家さんです。絵付けの桐箱もともに源氏物語の雅な世界を表現しました。
ミラーの第三面に少し反射する素材を使って、中心の映像の華やかさが広がる映像です。
そして今日の朝日新聞で紹介されていた中里保子さんのガラスの万華鏡です。サンドブラストで花や蝶文様をガラスに描き、オーバル状に形作った作品です。中里さんがこのシリーズに選ぶガラスは、和の表現にふさわしい落ち着いた赤、柿色、緑などで、抑えた表現ながら手作りの暖かさと美しさが魅力です。
オブジェクトセルは偏光フィルターで区切られ、偏光素材(透明)の部分とバーナーワークで作られたガラスオブジェクトの部分が分けられています。先端部を回すと、外からの光を受け、2種類のオブジェクトがそれぞれの表情を見せる特徴があります。
ほんの一部のご紹介でしたが、それぞれの個性が見えたのではないでしょうか? 万華鏡の世界はたくさんの作家さんによって、奥深い面白味を味わうことができます。 また進化する材料や技術によって、新たな世界も生み出されます。
万華鏡を見る機会がありましたら、ぜひ手に取って、そして動かして、映像の変化を味わってください。アート作品を手に取ることに抵抗を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、万華鏡はインタラクティブなアートです。優しく丁寧に扱っていただければOK。その驚きに満ちた世界が目の前に展開することでしょう。