1年ぶりの投稿となりました。 FacebookやInstagramでは少しずつ投稿を続けていましたが、ブログは本当に久しぶりです。
今年もブリュースター・カレイドスコープソサエティのカレイドスコープ・エキスポは、コロナ禍のため7月にオンラインで開催されました。アメリカまで行かなくても新作を発表できる機会にはなりましたが、会員としては会場で作品を実際に覗き、作家さんと話をする楽しみは次回に延期ということで残念なことです。
新作発表の場はオンラインで写真と動画を駆使して投稿するもので、現在はBKSのサイトから会員以外の方も見ることができます。新作発表した中里保子さんの作品を、今年もご紹介したいと思います。
タイトルはCheers! コロナ禍の生きづらい世の中、気持ちを盛り上げてくれるような万華鏡です。中里さんがこの作品に込めたのは、今まで作ってきたたくさんの万華鏡の、オブジェクトセルとなったガラス管の切り落とされた部分を使って、作品にしたいという思いでした。大きなグラスの中で、細いワイヤーで繋がれたガラス管の端っこがシャンパンの泡のように見えています。素敵なアイディアですね。
底の方に向けて、グラスの内側からゴールドとシルバーでペイントし、金属の飾りをあしらってお洒落な姿になりました。台座部分にワインのコルク栓を並べて、テーマに合った雰囲気を生み出します。
オブジェクトセルはグラスの底の一部をカットしてボールベアリングを組み込んでセルをつけました。とても滑らかに回転します。覗きやすさを追求しつつ、先端部に模様を入れるなど細部のデザインまで凝って、妥協のない作品を生み出しているところが中里さんらしいです。
ミラーシステムはテイパード(先端が細くなっている)に組まれ、大きな覗き口からは立体的な映像展開を楽しめます。
赤紫やグリーン、ブルーなど透明感のあるガラスオブジェクトが芳醇な味わいを感じさせる映像展開です。ミラーシステムの一部にガラス管も使われて映り込んでいます。
新作発表の作品の中から、会員の投票でピープルズチョイス・アウォード 2点が選ばれますが、中里保子さんの「Cheers!」は、山見浩司さんの「GODZILLA」とともに見事受賞を果たしました。 おめでとうございます。乾杯! (写真は中里さん提供です)
制作中の様子、映像の変化の動画もこちらからご覧になれます。 https://youtu.be/5hUetIrZea8