依田さんご夫妻の万華鏡展で出会った可愛らしい万華鏡をご紹介します。 透き通ったガラスの家の中に万華鏡が煙突のように組み込まれています。 中に見えているビーズの彩と透明な軽やかさに惹かれて持ってみると、本当に軽い万華鏡でした。
大きなビーズが目を惹きましたが、実際のオブジェクトセルはミラーシステムの先にあり、とても小さくて繊細なガラスオブジェクトがたくさん入っています。
依田さんの工房から生み出される作品には夢や楽しさ、やさしさが感じられる万華鏡が多いので、私も大好きです。外観を見ただけでも楽しい雰囲気のあるガラスの家は、筒を覗いてみると期待を裏切ることなく、きれいで優しい色合いに満ちた、夢のある映像が展開していました。
ミラーシステムは2ミラーで中心の映像は4ポイント。第三面がオープンになっている依田さん独特のミラーシステムです。 そのオープンになったミラーシステムに、大きなビーズやガラスが映り込み、中心の映像の周りに様々に形を変え、表情を変えて見えています。
小さなガラスオブジェクトの生み出す繊細な4ポイント映像と大きなビーズが生み出す色のオーラが相俟って、独特の模様を見せています。家全体を回したり、傾けたりして映像の変化を楽しみます。
万華鏡映像も素晴らしいけれど、細部にも素敵な工夫があるのが、いつも嬉しくなるポイントです。覗き口は鍵の形になっていて、家の中をそこから覗きます。どこかに鳥が巣を作っているのでしょうか、煙突のそばを飛んでいる鳥の姿も外観のアクセントになっています。
定番ではないけれど、時々依田さんの工房から生み出されるちょっと変わった万華鏡たちは、意外性と楽しさ、そして笑顔を引き出す魔法の力を持っているようです。