万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

記憶のレコード Record of Memory by Ayaka Kobayashi

2014-02-28 21:56:14 | 万華鏡ブログ

真鍮のボディーに彫金でデザインを施したこれらの作品は、小林綾花さんの「Record of Memory」というシリーズです。 そのテーマは地球の歴史、魂の歴史だそうです。
古代から栄え、滅びて行った文明、巡る輪廻転生のサイクルに想いを馳せ、その中に込めらた無数の魂の記憶の断片を万華鏡に表現しています。

上の写真で右側はエジプト文明の世界から、残されたレリーフやヒエログリフをモチーフにしています。
左側は日本の文様がモチーフです。

大きさは長さ11cmと小ぶりですが、しっかりとした重厚感のある作りです。渋い色合いに加工したこちらの作品は、4面がすべて違う模様です。 

大きい柄は一つ一つの柄が神社の社紋だそうです。 側面は細かい和柄になっています。それぞれの紋に歴史や由来があるのでしょうが、それらのデザインの面白さもあらためて思い知る感じです。

背景が透明なこの作品は正面から光を取り入れるタイプです。 オブジェクトはロイヤルブルームーンストーン、パール、オパール、アクアマリンなど、天然石がオイルの中で動きます。

3ミラーシステムで視野いっぱいに映像が広がります。 色合いも独特で、魅力的です。

鮮やかな青、淡い青、琥珀色、オレンジ色、淡いグリーン、赤、紫などが織りなす小林さんの世界。 ボディーの表現だけでなく、中にも味わい深い色模様が展開します。 筒全体を回しながら、映像の変化を楽しみます。

万華鏡の中に展開するのは、数えきれないほどの色模様。 小さな覗き口から見える「思いがけない世界」にいつもながら感動します。

 

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炎と万華鏡 

2014-02-26 22:14:15 | 万華鏡ブログ

今日私はとても変わった万華鏡展に行きました。 ドアが半分しか開いていない入口。 依田さんの投影式万華鏡展を除けば、一番暗い万華鏡展です。暗いというより、ほの明るい万華鏡展というのが適切かもしれません。
高林千稔さんは万華鏡に必要な光を燈火に求めました。 和蝋燭や結燈台、オイルランプなど様々な炎が揺らぐなか、万華鏡を覗きました。

手作りの独特のオブジェと燈火、そして並んだ端正な造りの万華鏡はそれぞれに木材の味を出し、ミラーシステムも変えています。

揺らぐ炎の色と形(燃える芯によって違っているのです)にも目を奪われますが、ひとたび万華鏡の中を覗くと、そこにはまた不思議な世界が展開します。 揺らぐ明かりがオブジェクトにも映り込んで、微妙な陰影となって形を変えていきます。

上の2枚の写真は同じ万華鏡です。 さらに明かりを当てると、色が浮き上がってきます。 蝋燭の灯りは温かい映像になりますね。 高林さんはオブジェクトに白いガラスを多用します。 微妙に差のある白いガラスを使い分け、バーナーワークで形づくります。 そんなオブジェクトは入ってくる光に反応し、陰影を見せます。灯りの下で楽しむもよし、自然光の下で楽しむもよし、それぞれに違った印象を与える作品です。

3ミラーの作品もあります。

じっと覗いていると、色味は少ないながら、かえって光の綾が感じられて、その変化に引き込まれます。 バックグラウンドにはこの雰囲気に合わせて選んだ音楽が流れます。
こんな万華鏡の世界を創りだしてしまうなんて・・・

自分の万華鏡はこんな風に楽しんで創っているということを、そしてこんな風に楽しんでもらいたいということをストレートに表現した高林さんの個展。 まいったなあ。

3月1日まで開催中です。12時~19時
ギャラリー・ヴィヴァン
中央区銀座1-9-8 奥野ビル1F
03-5148-5051

 

 

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金と銀、そして星、天使・・・Star Angel by David Sugich

2014-02-22 21:41:02 | 万華鏡ブログ

デヴィッド・スーギッチさんの3D万華鏡「スター・エンジェル」をご紹介します。 白いイリデッッセントガラスは光沢のある美しいガラスで、 金と銀のビーズとともにスパンコールが流れるワンド2本がオブジェクトの万華鏡です。
全体の姿はこんな感じです。

三角錐にも似た形ですが、オブジェクトの置き方が外のラインに沿うように斜めになっているところが、この作品を特徴づけています。
万華鏡はミラーの筒を通して向こう側にあるオブジェクトを見るのが普通です。この作品では、筒の開口部は手前が広くなっており、先端は閉じています。 先端の側面を削るように開け、その上に2本のワンドを置いています。


そこから生まれる映像は輝く星のような映像です。 良く見ると金と銀の細かいビーズが動いています。

2本のワンドと反対のガラスの側面を上に向け、光を取り込むようにすると、星に向かって天使が飛んで行くのが見えてきます。覗き口に目を近付けると、さらにたくさんの天使が見えています。

鏡のマジックと分かっていても惹きこまれる映像です。 静かなたたずまいの筒の中にも奥深く、こんな別世界が見えるのが面白い作品ですね。

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アイポッド  EYE POD by David Kalish

2014-02-19 22:51:16 | 万華鏡ブログ

デヴィッド・カリッシュさんはアクリルや金属で、スタイリッシュな作品を創る作家さんです。 デザインも機能もモダンな万華鏡で、独自のスタイルを確立してきました。 
今日、ご紹介するのは「Eye Pod」アイポッド という作品ですが、左の2点がリニューアルしたデザインです。

この作品の一番の特徴は、マグネットによる着脱するオブジェクトセルです。

オブジェクトは色とりどりのビーズがついていますが、もちろん自分の好きなものに入れ替えることができます。 着脱が簡単なので、いろいろ変えて楽しめるのが魅力です。

マグネットはセルと本体それぞれについた透明なアクリルの円盤をぴったりとくっつけます。 振っても回しても外れません。

でも オブジェクトセルを下にして一ひねりすると、簡単に外れます。 中のオブジェクトがばらばらに飛び出さないように、セルを下にします。

付属のオブジェクトは色がきれいで、映像も明るく鮮やかです。 

大きめのセルなので、入れるオブジェクトの工夫のし甲斐があります。 入れ替えてみましたが、雰囲気が変わりますね。 こちらはバーナーワークによるガラスオブジェクトです。

カリッシュさんのメッセージによると、お薦めは、花、羽、葉。 ジェリービーンズ、マーブルチョコ、カラフルなパスタなど。 思いがけない素材で、違った見え方を楽しんでほしいとのことです。

音楽を楽しむ「iPod」 にかけて、目で楽しむ「Eye Pod」 というネーミングにもカリッシュさんらしいユーモアを感じます。 同梱された説明によると、アイポッドは6歳以上の人とチンバンジー向けと書いてあります。 あくまでも楽しく、きれいな万華鏡です。 

 

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ピンク ! Pink!

2014-02-16 14:37:42 | 万華鏡ブログ

デヴィッド・スーギッチさんは、オイルワンドをオブジェクトとして、様々な万華鏡を創っていらっしゃいますが、今日は定番の2作品です。 とりあげた理由はピンクだから。 もしかしたら以前からあったのかもしれないけれど、私には新鮮で、気分が明るくなるような気がして、ご紹介することにしました。 

写真の奥はBaby Boomer Yin Yang(ベビーブーマー インヤン) といいます。 「インヤン」というのは「陰陽」から来ていて、2つの曼荼羅模様が相反する流れで変化するものです。 ミラーを薄い菱形に組んだ4ミラーシステムです。

手前の作品はInsight (インサイト) です。 狭い角度の二等辺三角形にミラーを組んだ3ミラーシステムです。

どちらもピンク色の粒とキラキラする星型のスパンコールがオイルの中を流れます。 
花火のようにキラキラしながら広がる映像の流れこそがこれらの作品の醍醐味ですので、写真ではお伝えしにくいのですが、もしどこかで見かけたら、ぜひ手にとって覗いてみてください。 
ピンクだけでなく、いろいろな色もあるのが嬉しい作品です。

ピンクといえばマイケル・コリアさんの「カラースピリット」シリーズの「Hot Pink (ホットピンク)」も定番です。

 

筒はシンプルですが、映像のダイナミックな変化はすごいです。 ピンクの世界が姿を変えながら、迫ってきます。

そしてもう一つ。 依田満さん・百合子さんの生み出すピンクの世界もご紹介したいです。 「蓮と月」という作品で、ピンク色のガラスの筒にサンドブラストで蓮と月がデザインされています。

そして柔らかいピンクの中に浮かび上がる蓮の花。 包み込まれるような世界を楽しみたい方にお勧めです。

ピンクの万華鏡の世界、いかがでしたか? 

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ひさびさのミニ

2014-02-15 21:20:22 | 万華鏡ブログ

チャールズ・カラディモスさんの「ミニパーラースコープ」をご紹介します。 パーラースコープのような形ですが、本当に小さい作品です。 
最近はコーン型の重量感のある作品が多かったのですが、ひさびさにミニタイプが登場しました。
掌に載るくらいの大きさです。

映像は2ミラー8ポイント。 小さなドライセルから生まれる色模様を楽しめる作品です。

カラディモスさんらしい黒いオブジェクトが見えています。 

覗き口がとても小さくて、デジカメ画像では、どうしても映りきれず、暗いところができてしまうのですが、試しにレンズの小さなスマートフォンのカメラで撮影してみました。下の写真です。 デジカメよりも画像をきれいに捉えやすいことが分かりました。 

しかし、撮ってみたら少し雰囲気が違う気がします。 
悩ましい問題です・・・

さてこの万華鏡、もうひとつ変わったところがあります。 底の部分をご覧ください。

なぜかシマリス、いえ、鏡を使っています。

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色とりどりの楽しみ

2014-02-10 14:26:30 | 万華鏡ブログ

マイケル・コリアさんの定番作品「カラースピリット」です。 今製作されている8本はこんなカラーです。 入荷するたびにオブジェクトも少しずつ違っていて、わくわくします。
その理由は、先端のセルが大きいので、いろいろなオブジェクトがゆったりとたくさん入っていること。 そしてそれらの組み合わせが結構大胆な感じで、映像になった時のインパクトが大きいので、とても楽しめることです。

 
ピンクとパープル

オイルセルなので、流れの中での映像の変化も楽しみたい作品です。この万華鏡は先端部が滑らかに回転する仕組みになっています。 少し回したら止めて流れにまかせます。

 
アクアとライム

筒の色に合わせたオブジェクトの構成ですから、自分の好きな色を選ぶのもいいですね。

 
レッドとブラックブリング

ブラックブリングは、外のカラーはブラックですが、中はゴールドをメインにゴージャスな映像展開です。

そしてマルチカラーのホワイトとチャコールは、系統の違う色のコンビネーションを楽しみます。

 
ホワイトとチャコール

コストを抑えながらも、万華鏡の面白さ、きれいさを伝え、元気をくれる作品「カラー・スピリット」です。
軽くて覗きやすいので、長く覗いていても大丈夫。 
気楽に楽しめる、本格的な万華鏡をみんなに持ってほしいというコリアさんの想いをお届けしたいと思います。

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スウィートホーム 

2014-02-09 21:23:11 | 万華鏡ブログ

前回に続いて、依田さんの工房からご紹介します。タイトルは「スウィートホーム」。 小さくて温かい感じのする作品です。
小さな家にはオレンジ色の屋根。 そしてドアや窓が見えていますね。この屋根の傾きや窓、ドアを削りだす作業など、シンプルに見えますが、実はとても手の込んだ作品です。
小さな家の形のケースの中には小さなオブジェクトのたくさん入ったドライセルが入っています。

煙突のようになっているところにミラーシステムが組み込まれ、そこから覗きます。 オブジェクトセルは家の幅いっぱいに嵌め込まれたガラスの筒なので、小さなビーズやランプワークを施したガラスオブジェクトが結構たくさん入っています。 取っ手を回して回転させると、それらがランダムに動き回り、多彩な模様を生み出します。

覗いて気持ちが安らぐ家は、まさにスウィートホームですね。

 依田さんが開発なさった投影式万華鏡に使われているのはやはりとても小さな万華鏡です。そしてオブジェクトの一つ一つもとても小さいのですが、大きく投影されたときにも、どのピースも表情豊かで、美しく投影されます。

依田さんの万華鏡には、小さなオブジェクトセルでも、その美しいオブジェクトが組み込まれていて、変化に富んだ素敵な色模様を見せてくれます。
この小さな家のなかには、こんな夢のような世界が広がっています。

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ちょうちょ

2014-02-05 22:27:18 | 万華鏡ブログ

今日は依田満さん・百合子さんの工房で出会った小さな万華鏡「ちょうちょ」のご紹介です。 ひらがなで「ちょうちょ」と書くのがぴったりな感じの万華鏡です。 
薄いピンク色のガラスの蝶がとまった万華鏡の筒は柔らかいトーンの水玉模様。 蝶の向こうにあるオブジェクトケースを回転させるための丸いノブも丸くて可愛らしいアクセントになっています。

中にはきれいなお花畑があることをこの「ちょうちょ」は知っているんですね。

高さ10cmの作品ですが、依田さんの作品は小さくても見ごたえがあります。 中を覗くととても多彩な色模様が見えています。 それもそのはず、オブジェクトセルには小さくてきれいなガラスオブジェクトやビーズがたくさん入っているのですから。 横から見るとこんな感じです。

直径16mm、長さ40mmぐらいのガラスの筒は、四角い箱状のケースに組み込まれ、ノブを回すと回転します。中でガラスやビーズのオブジェクトがランダムに動き回り、それを3ミラーシステムを通して見る仕組みです。

小さいけれど一つ一つに表情のあるオブジェクトなので、その組み合わせによる色彩豊かな映像表現には飽きることがありません。 

ガラスとアクリルをスモーキーで柔らかい雰囲気に仕上げ、夢のある素敵な万華鏡になりました。外の柔らかいトーンに対して、中の映像はくっきりと鮮やかで清々しく、様々な景色を見せてくれるのが魅力です。

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万華鏡映像みたいな絵

2014-02-04 22:01:42 | 万華鏡ブログ

棚の整理をしていたら、こんな可愛いカードが出てきました。 万華鏡映像みたいな絵、Kaleido Drawings© と書いてあります。 ベティー・トライブさんの作品で、2009年11月26日の当ブログでもご紹介した方です。

実際の万華鏡の映像ではないけれど、万華鏡の模様のように描かれた絵を図案にしたグリーティングカードで、色鉛筆で塗られた絵が再現されています。 こま、風船、テディーベア、ピエロ、ボールなどいろいろなものが描きこまれて、見ていると楽しくなります。

一つ一つのモチーフも可愛らしいけれど、これは万華鏡模様になっているからこそ楽しい!とあらためて思いました。 万華鏡の映像が私たちの心に気持ちよく届くのはなぜか? そのヒントが隠されているような気がしませんか。 

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