キテルソン夫妻のフラワースコープシリーズが好きです。 筒の上にデザインされた花の姿も、内部に展開する花模様も気品があって美しいといつも思います。
今回ご紹介するのは2017年の新作、「カサブランカ・リリー」です。 白くて大きくて優雅な百合です。25個の限定版の#1です。
黒いガラスの上に重ねられた花びら、花芯、茎、葉が艶やかな表情を見せています。ガラスのフュージングという技法で焼き付けられた模様です。
この模様を焼き付けた後、さらに窯で半筒形に形作り、二つを合わせて丸い筒にします。ガラスの作品はどれもそうですが、熱するときも冷ますときも、それぞれのガラスにあった温度管理が難しいところだそうで、失敗と成功の経験を重ねて生み出されるようになった作品であることを想いながら、そしてアメリカの工房から大切に包まれて無事に届いたことに感謝しながら、この万華鏡を手にします。
フラワースコープのセルには、テーマとなった花のミニチュアが入っています。 ペギーさんが小さな花をバーナーワークで作ります。映像になった時に花の姿が完璧に映り込むタイミングは少ないですが、そんな瞬間を探すのも楽しいです。
ガラスオブジェクトの豊かな表情が、ペギーさんの生み出す独特の世界になります。色の組み合わせだけでなく、質感の組み合わせが素晴らしくて、映像に味わいを与えています。
シフォンゴールドのガラスは優しいきらめきがあり、光る青いガラスとの対照が素敵です。
これは蝶が舞っているような映像ですね。オイルの中での変化が何よりも魅力の作品ですので、動きをご紹介できないのは残念ですが、ふわーっと流れるような映像を想像してみてください。
ペギーさんは昨年7月からブリュースター・カレイドスコープ・ソサイエティ(BKS)のプレジデントに就任しました。 作家さんがリーダーとなると、制作時間などにも影響して大変だとは思いますが、コージー・ベーカーさんの時代からBKSを支えてきた方なので、とても期待しています。BKSの古き良き時代を知っている彼女が、BKSのこれから進むべき道をしっかりと考えてくださっています。BKS会員の一人として応援していきたいと思っています。
2018年のカレイドスコープ・コンベンションは5月10日から13日まで、テネシー州メンフィスで開催されます。 興味のある方はmailto:info@kaleidoscopes.jp までどうぞお尋ねください。