万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

赤津純子さんの「光の贈り物」ふたたび

2012-02-28 22:41:12 | 万華鏡ブログ

今日は赤津純子さんの作品をご紹介します。
上の写真は最近製作されたフェルト万華鏡「まゆ」の映像で、ご自身で撮影なさったものです。
明るくて繊細できれいですね。
赤津さんは、昨年3月の大震災、その後の余震によって、ご自宅や工房にも被害を受け、一時的に避難したり、予定していた個展もできなくなりましたが、1年が経ち、待望の個展が、この3月に開かれると伺いました。万華鏡の製作ができるようになったこと、そして作品を見せていただけることを、心から嬉しく思います。
こちらも最近の「まゆ」の映像です。

フェルトの万華鏡はほっこりと温かい雰囲気のある作品で、映像の美しさに心も温かくなるような気がします。
以前の作品ですが、フェルトの万華鏡はこんな感じです。

「華鼓」は赤津さんの代表作ともいえる万華鏡です。 手のひらに載る小さなガラス製の万華鏡ですが、細部までこだわり、丁寧に作り込んでいます。 

和紙を背景に繊細で、優雅な華が展開します。 細かいガラスオブジェクトの一つ一つを創り上げ、選びぬいて生み出される本当に美しいみごとな映像世界です。 

絹織物のような映像の「星立涌」。 差し込む光によって色の重なりや深みが変わり、煌めきを見せる作品です。 

この個展のためにあらたに作られた作品は、どんな映像を見せてくれるのでしょうか?
新しいデザインの万華鏡も作られたそうです。 楽しみですね。
最新の「光の贈り物」が届くのは仙台万華鏡美術館です。 3月17日から4月15日まで。
ぜひ多くの方に足を運んでいただき、「光の贈り物」を楽しんでいただきたいです。

 

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春の予感

2012-02-23 20:41:10 | 万華鏡ブログ

もし早春の衣があるとしたら、それをまとったような万華鏡です。佐藤元洋さんのPure(ピュア)は今までにも何度もご紹介していますが、このガラスの感じ、そしてガラスオブジェクトの色合いが新鮮で心惹かれた作品です。

若草色と薄茶色が重なり、流れる模様が美しい薄絹をまとったような小ぶりの万華鏡。 透明で大きなオイルセルには、やさしいきれいな色がたくさん入っています。

輝く黄色、やさしい黄色、明るい緑は心を明るくしますね。
オブジェクトが動く範囲も多く、奥行きがあることが、多彩な映像表現に繋がっています。オイルとガラスオブジェクトとの相性も良く、滑らかな動きが心地よいです。

薄いピンクが浮かび上がると、心も浮き立ちます。パンジーの花でしょうか。

雪の結晶やクリスマスも良かったけれど、季節が巡って、「もうじき春」という予感を覚えると、やっぱりきれいな色の饗宴を楽しみたくなるものですね。 皆さんはいかがですか?

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海の花

2012-02-20 23:25:33 | 万華鏡ブログ

清野一郎さんの陶器の万華鏡「海の花」です。 陶芸家として長い実績を持ち、ご活躍中の清野さんは万華鏡と出会い、魅せられ、万華鏡という新しいアートに取り組むようになりました。
初めて作品を拝見したのは、2006年の日本万華鏡大賞展でした。 
ご自分の専門の分野がバックポーンにある清野さんが、独自の作品を生み出すようなったのは、当然と言えば当然なのですが、ミラーシステムやオブジェクトなど基本を学び、試行錯誤をしながらの製作であったのではないかと思います。
今では数々の受賞作品があり、各地の万華鏡展にも数多く出品なさっていますので、ご覧になった方も多いかと思います。 大きな作品から、手持ち型の作品まで、陶の魅力を生かした万華鏡を製作していらっしゃいます。
今日ご紹介する作品「海の花」は表情のある陶の地に一部青い釉薬がかかり、金色の巻貝のシルエットが目を惹く作品です。

全面がクリアーなオブジェクトセルなので、光をたくさん取り込み、光輝く海の中のようなきれいな映像展開です。

使われているオブジェクトにはガラスだけでなく、貝殻もいくつか見えています。白いオブジェクトは外から見てもきれいですね。
同じ陶器の台が付いていて、作品を安定して置くことができます。
地震の多いこの頃、立てて置くのはちょっと不安ですからね。

不透明な貝殻は正面からだけの光だと黒っぽく映ってしまうのですが、このオブジェクトセルはサイドも透明なので、横からも光が入り、、白っぽい貝殻の表情をきれいに映し出します。透明なガラスとの組み合わせから生まれる映像が幻想的な雰囲気を見せる時もあります。

いろいろなテーマで陶器として、そして万華鏡として表現なさる清野さんの作品は、和の万華鏡でありながら、斬新なデザインが魅力です。 そして、同じテーマ、タイトルの作品でもさらに広がりを持ち、多様な万華鏡となって清野さんの世界を表しています。

 

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長野善光寺 灯明まつりと投影万華鏡世界展 その3

2012-02-14 14:27:15 | 万華鏡ブログ

白蓮坊さんの投影万華鏡展の入り口近くに素敵な万華鏡を発見しました。 中里保子さんの「アクア」です。昨年のザ・ブリュースター・カレイドスコープソサエティーのコンベンションで、依田さんの投影万華鏡とともに、最優秀賞を獲得した万華鏡です。
北海道の展示会から長野に届きました。
前回のご紹介では、明るい場所での撮影でしたが、薄暗い場所で温かい光を当てて見ると、ガラスに光が透過して、美しい表情を見せてくれます。 光のあしらい方でこの素敵なガラスの万華鏡の別の魅力が浮かび上がりました。 またまたうっとりです。

2つの覗き口から別のミラーシステムによって2種類の「アクア」な映像です。 こちらは少しボケていますがきらきら感が伝わりますね。

そして昨日ご紹介した投影万華鏡の映像と回り灯籠のような影絵による動画、海の中の散歩 お楽しみください。(私が勝手に名付けました。 実際にはもっと陰影があり、もっと広がりもあり、色の変化も美しいです。想像力を駆使してご覧くださいね。)

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長野善光寺 灯明まつりと投影万華鏡世界展 その2

2012-02-13 10:52:09 | 万華鏡ブログ

今日は大広間で展開する夢のような世界をほんの少しですが感じていただけたらと思います。 

大広間の一角、中庭に面した場所は奥行きのある深い映像空間になっています。建物の中から庭に向かってプロジェクターで映し出された映像がガラスの向こうに届き、庭の灯篭や木、向こう側の壁に映し出される一方で、ガラスに反射した映像が室内にも映し出されているからです。天井から下がる2つの大きな球体は"珊瑚"を表し、美しい色に染まります。 (上の写真です)

テーマの「海中」はここにも。 大きな魚の影が向かう先を見ると、楽しさにあふれた影絵と万華鏡映像の組み合わせによる「海中」の世界が展開します。

今年の新しい試みは 回り灯籠のように動く、大きな影絵のシルエットです。

龍が万華鏡映像を背景に進んでいきます。あとから魚やタツノオトシゴも続き、物語の世界のよう。 映し出される色模様の繊細さ、変化の多彩さ、動く影絵による「海中」の世界。 見あきることなく、いつまででも見ていたくなります。

(暗い部屋で動いている映像なのでなかなか撮影は難しいですが、近いうちに動画をアップしたいと思います。)

今年畳に映し出された万華鏡映像の海に泳ぐのは 亀さんです。

光の粒が流れ、色が登っていく映像には強い力を感じます。 

定番の白い風船に映し出された万華鏡映像。 左は二等辺三角形に組んだ3ミラーシステム、右は正三角形に組んだ3ミラーシステムです。 風船の色模様が流れるように変わっていくのがきれいで、楽しいです。


依田さんの考案なさった投影万華鏡は、ミラーシステムやオブジェクトケースなど交換も可能で、色、パターン、回転のスピード、焦点距離など、いろいろな組み合わせで映像を映し出すことができます。
ワンタッチで外せるオブジェクトケースを見せていただきましたが、長さ5cmほどでしょうか、その中に本当に細かなガラスオブジェクトが入っています。 光を通し、拡大されてあれほど表情豊かになるように、そして、繰り返しのない一期一会の映像を作り上げるのは凄いなあとつくづく思います。 すべてを内蔵したシステムは、両掌に載るくらいなコンパクトなもの。 本当に素晴らしいアイディアと使い勝手を究められた作品です。

(ギャルリ蓮さん、依田さんご夫妻のご了解を得て、撮影させていただき、ブログにご紹介させていただいております。) 

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長野善光寺 灯明まつりと投影万華鏡世界展 その1

2012-02-12 23:45:18 | 万華鏡ブログ

「長野灯明まつり」は今年で9回目だそうですが、善光寺参道にある宿坊「白蓮坊」さんでは、この期間(2月11日から19日まで)、依田満さん・百合子さんご夫妻による「投影万華鏡世界展」を開催中です。あたり一帯が冷たい冬の夜の中、幻想的で美しい光、温かい光に包まれます。

切絵と灯りの共演「ゆめ灯り絵展」が参道を飾る中、善光寺に向かうとその先には美しくライトアップされた山門が・・・

そして山門をくぐると善光寺が赤く染まって見えてきました。

照明デザイナー、石井幹子さんの企画で、今年のテーマは「復興と平和の黎明」だそうです。

そして今年も依田さんご夫妻の万華鏡が映し出されて「白蓮坊」さんの建物全体を万華鏡模様で包みました。 今年は模様もより鮮明で、オブジェクトの動きがきれいに映し出されていて、多くの人の目を惹きつけていました。

ほぼ時期を同じくして、北海道、札幌の青少年科学館でも万華鏡展があり、そこにも依田さんご夫妻は投影万華鏡の展示をなさっているそうです。 そのほか、 依田さんの大型作品、さまざまな作家さんの作品、富良野やまべ美ゅーじあむの所蔵作品なども展示され、素敵な万華鏡体験ができるそうです。

二つの大きな展示会のための準備・設営は本当に大変なことだったと思いますが、私は長野で拝見して、細部まで気を配った素晴らしい作品だとあらためて深く感じ入りました。
「白蓮坊」さんには、万華鏡ファンにはよく知られた「ギャルリ蓮」というギャラリーがあり、依田さんをはじめ、国内外の万華鏡作家さんによる作品がとても充実しています。 作家さんからも深く信頼されているオーナーの川口さんと依田さんご夫妻のコラボレーションで、今回も宿坊の広間が素敵な万華鏡映像空間になりました。
一番上の写真は、影絵が浮かびあがる障子のスクリーン。いつも心温まる風景が展開しますが、今年は灯明が並んでいます。 ろうそくの灯りが万華鏡映像になり、柔らかい色合いで変化します。
この影絵のデザインもいつも本当に素晴らしく、温かくて、人の心を和ませると思います。依田さんの工房の作家さんです。

今年のテーマは海の中ということで、明日またご紹介したいと思います。

 

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マジカルハート

2012-02-07 12:28:06 | 万華鏡ブログ

ステンドガラスの万華鏡に絵付けをして個性を表現した万華鏡です。 色とりどりのハートが筒を飾ります。 製作なさったのは矢萩弘子さん。 IKA展などで最優秀賞を受賞するなど、大型のステンドガラスの作品も製作なさる方なのですが、このように手持ち型で可愛らしい作品も作っていらっしゃいます。
ヴァレンタインデイも近づきましたので、ハートがいっぱいな「マジカルハート」という万華鏡をとりあげました。

丁寧な絵付けによるハートの飾りが全面にあしらわれ、外のガラスの色に合わせて映像の色合いをコーディネートしています。

白×ブルーの筒の中には爽やかなブルーやパープルを中心とした映像です。
ドライタイプなので、筒を回すたびにガラスオブジェクトが動く音が聞こえます。

白×白の筒の中には赤やオレンジが躍動します。 グリーンの細いラインが効いています。

白×パープルの筒の中にはピンクや赤紫、ブルー、グリーンの色模様が展開します。こちらも細いラインのオブジェクトが映像のアクセントになっています。

心がうきうきしてくるような万華鏡ですね。

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