万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

名前のあるオブジェクトセル

2007-10-31 17:41:10 | 万華鏡ブログ
昨日ご紹介したポール&スーザン・ノックス夫妻の「ドリーム・キャッチャー」の内部画像です。木製の万華鏡の場合、外観と内部映像との関連性はあまりありません。ですから木工の作家さんによってオブジェクトの決め方に差があります。
ノックス夫妻の場合、木工と万華鏡全体のデザインは主にポールさんが担当し、オブジェクトセルの映像デザインは主にスーザンさんがなさっているようです。
このシリーズの万華鏡本体の木材にいろいろな種類があるようにオブジェクトセルにも10種類ほど選択肢があり、好きなものを選べるようになっています。2ミラー5ポイントの映像は共通です。「ひとつひとつ名前を付けるのが楽しいの」とスーザンさんが言っていたのを覚えています。覗いて見てすぐの印象からインスピレーションを得てつけることが多いとか。たとえばこの写真のセルは「無上の喜び」というタイトルで、ターコイズブルー、ライム、パープルをメインに使ったセルであると説明されています。ほかには「ハッピーカラーズ」「ホット&スパイシー」「チリ・ペッパー」「魅惑の蜃気楼」「強い活力」など・・・色合いから納得のいくものもあれば、想像力を働かせて何とか理解できそうなものがあったりして面白いです。
自分が好きでないと思い込んでいる色にも、新たな魅力を感じてもらえるようなセルを創ることにチャレンジする作家さんです。是非多くの方にその挑戦を受けてもらいたいなあと思います。
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ドリーム・キャッチャーという万華鏡

2007-10-30 21:24:46 | 万華鏡ブログ
滑らかな木肌、光沢のある美しい木目、柔らかい曲線のラインが印象的な万華鏡は、ポール&スーザン・ノックス夫妻の「ドリーム・キャッチャー」という作品ですが、夢追い人であれというメッセージをこめてつけられた名前です。
2002年から製作している定番アイテムですが、木材の種類もさまざま、筒とセル部分の木材の組み合わせ方もさまざま、そして木目の表情も同じものはないので、それぞれがユニークな万華鏡と言えます。
自然の生み出した木材の美しさとガラスを組み合わせて万華鏡を創り、何代にもわたって楽しんでもらいたいというのが作家さんの願いなので、丁寧な作りと持ちやすさ、見やすさを心がけ、先端部のセルの回転も滑らかです。筒の真ん中あたりが膨らんでいるのが特徴ですが、手に馴染みやすいと思います。木工が得意なエンジニアだったポールさんが万華鏡作家になって、最初から取り組んでいる万華鏡シリーズのひとつで、ひとつひとつナンバーが付いています。
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ハロウィーンの万華鏡

2007-10-29 16:41:58 | 万華鏡ブログ
日本でもこの季節、ハロウィーンのアイテムがお店に並んで、楽しい雰囲気を伝えています。そして京都万華鏡ミュージアムの手作り万華鏡教室では、こんな可愛らしい万華鏡を作ることができます。講師の金川さんがオリジナルの万華鏡を考案なさり、スタッフの協力のもと、毎月2回、万華鏡を作る楽しみを提供しています。
10月はハロウィーンの万華鏡。
内部映像はオレンジを中心に赤や黄色など色鮮やかで、暖かい印象。透明感のあるアクリルのビーズがオイルの中で魅力を発揮し、大きくて美しい映像になっています。とても楽しいのは、映像の周りを飾るかぼちゃのランタンです。 ミラーの第3面の黒い面を一部カットして反射させると、5個のかぼちゃのランタンが明るい光を発している様子が映りこむのです。覗いたら思わず嬉しくなってしまうかぼちゃの表情でした。
手作り教室に参加してみたい方は、京都万華鏡ミュージアムにお問い合わせください。(電話075-254-7902) クリスマスプレゼントにもいかがですか。

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京都で楽しむ万華鏡

2007-10-28 23:16:42 | 万華鏡ブログ
京都の中心部に位置する京都万華鏡ミュージアムにお邪魔しました。今回は日本人作家さんの作品を中心にした展示の中から、中村明功さん・あや子さんご夫妻の作品「天空の遺産」をご紹介します。美しいガラスを組み合わせたステンドガラスの造形と手描きの花模様という豪華な堂々とした外見にも目を奪われますが、内部はテイパードミラーシステムによる輝く惑星と、色が変わりながら瞬く星がちりばめられた明るい宇宙に惹きつけられます。
この作品はこの万華鏡ミュージアムのために製作なさった作品だそうです。もうひとつ写真の奥に一部しか写っていませんが、「塔の中の姫君」というホイールタイプの据え置き型の万華鏡もありました。2枚のホイールが花と蝶のデザイン、内部映像はきれいな花が次々に咲く展開で、可愛らしく印象的な作品です。
中村さんの作品はご自身のサイト「一分間の悦楽」で写真を拝見できますが、この万華鏡ミュージアムではじっくりと中を覗いて楽しむことができます。外観、内部映像共にきれいに見えるような照明の工夫があり、訪れる方を楽しませようとする企画を常に考えているスタッフや万華鏡好きなボランティアの方たちの対応も気持ちのよいところです。小さいけれど作家ものの万華鏡を手にとって楽しめるインタラクティブなミュージアムです。「そうだ 京都万華鏡ミュージアム、行こう!」
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九谷焼のペンダントテレイドスコープ

2007-10-26 17:21:46 | 万華鏡ブログ
和の万華鏡展で久しぶりに拝見した寺前みつ子さんのテレイドスコープペンダントです。九谷焼の器や装飾品を生産なさっている工房で作られた和風のペンダントですが、クリムト風のウィーン文様にしても、斜めに描かれた花の文様にしても、斬新でモダンな感じです。
日本の伝統工芸の中に見る新しさというのは、万華鏡に限らず、思いがけず素敵なものが良くあります。 有田焼や九谷焼、漆、陶器、竹細工などの世界と万華鏡という組み合わせは新しいものでありますが、うまくコラボレーションができたとき、今までにない形でのアート表現になりうると思います。そして歴史や伝統の重みを感じながらも馴染みやすい、現代の生活にあった、そして斬新なアイディアの万華鏡が生まれつつあることを感じた展覧会でした。日本の万華鏡が、さらにその世界を広げるとしたら、形だけ伝統工芸から借りてくるのではなく、その表現方法に和のテイストを加えながらも、現代にアピールするトータルなアートであることが求められるのではないかと思います。洋服が日常的なスタイルに、この和のテイストのペンダントが映えるように、現代の生活の中で心に響く、和の万華鏡は素敵な存在だと思うのです。
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白いガラスオブジェクト

2007-10-24 19:00:40 | 万華鏡ブログ
細井厚子さんの万華鏡は、オブジェクトの選び方が独特です。色の数をできるだけ抑えて映像に静かな雰囲気が漂います。この万華鏡は長さ15cmほどのグリーンの筒で、ドライセル 2ミラー4ポイントの映像を見せる作品で、ガラスオブジェクトはほとんど白です。ほかに少しのグリーンとほんの少しの黒と赤ですが、映像はその白いガラスの生み出すほんのりとした光と、かすかに映される色を感じます。白なのに暖かさを感じるから不思議です。
そして白という色にもいろいろな見え方、色合いがあることを感じます。ガラスだからこそ、微妙なニュアンスが伝えられるのでしょうか。
横からオブジェクトセルを覗くと、真っ白、透き通った白、透明なガラスに白いラインなど、それは繊細なオブジェクトの数々が見えます。黒い背景に浮かび上がる白い花、天使の羽、レース模様、雪景色・・・そんな映像展開にうっとりです。
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漆に金色の蝶が舞う万華鏡

2007-10-22 21:28:33 | 万華鏡ブログ
「和の万華鏡展」で小さめながら華やかな外観が目を惹く作品でした。このブログでは初登場の井野文絵さんの万華鏡です。漆、金箔、蒔絵、漆絵という技法を使い、美しい筒に描かれた蝶やどんぐりや草花の絵付けのデザインが素晴らしいと思いました。照木さんのご紹介によりますと、磁器の上絵付けの専門家としての経歴があり、2003年から溝口好晴さんのもとで万華鏡の製作を学ばれたそうで、その技術とセンスを活かした愛らしい作品を数多く作っていらっしゃいます。全体のきれいなまとめ方は溝口さんの作品に通じるものがあります。
ガラスオブジェクトが映し出す内部の映像にも独特の色のセンスで深みと味わいがあります。日本の作家さんの万華鏡は特に微妙な陰影の生み出す深みに特色があると思いますが、ガラスオブジェクトの選び方、組み合わせ方でこれほど個性が出るものかといつも驚かされます。井野さんの作品は、外側の華やかさに味わいを加えるような落ち着いた色合いとバランスで、2ミラーの華を表現しています。
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陶芸家清野一郎さんの万華鏡

2007-10-21 22:46:46 | 万華鏡ブログ
「和の万華鏡展」に出品されていた清野一郎さんの作品のひとつ「紅葉」です。
清野さんは陶芸家として活躍なさっている方で、さまざまな作品の製作と陶芸の指導をなさっていますが、2006年から万華鏡の製作も始められたそうです。万華鏡大賞展、IKA展、和の万華鏡展などで作品を拝見することも多かったのですが、このブログでは、今回初めてのご紹介になります。「刺激的な素材である土に自分の心を映し表現したい」とご自身のウェブサイトで書かれいらっしゃるように、土を素材に本当にいろいろな表情の万華鏡があります。「和の万華鏡展」を拝見していると、多くの作品が、素材や工芸技術が日本的であるだけでなく、万華鏡のテーマの取り上げ方も日本的なものを感じます。清野さんのこの「紅葉」も筒に表現された流れに散る紅葉がいかにも日本的な切り口であり、情緒がありますね。内部映像は一面紅葉に彩られた景色そのものです。さまざまな表情を見せる「土」を素材として、清野さんが展開する万華鏡の世界を楽しみにしたいと思います。
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虫の音が聞こえそうな万華鏡

2007-10-20 22:00:13 | 万華鏡ブログ
東京、神楽坂のギャラリー坂で開催中(10月18日から23日まで)の「第4回和の万華鏡展」に伺いました。日本の伝統工芸を活かした万華鏡を紹介する展示会を企画なさったり、伝統工芸と万華鏡作家さんとのコラボレーションの仲介役という役目を担ったりしながら、日本人ならではの魅力ある万華鏡の発展を願って活動してきた万華鏡楽会の照木さんが主催なさったものです。このブログでもご紹介しましたが「作って遊ぶ!魅惑の万華鏡」という本の出版記念展も兼ねていて、その中で紹介されている作品もいくつか出品されています。
この竹の虫かごのような万華鏡は溝口好晴さんの「松風虫」という作品です。溝口さんはこの展覧会のコンセプトにぴったりな、和の文化を表現した万華鏡を陶器や漆、螺鈿、竹などの工芸品として製作なさっている大変多才な作家さんです。いろいろな竹を素材とした万華鏡も数多くありますが、この作品は竹の筒の外側をひごで虫籠のようにしつらえたもので、中に螺鈿細工の虫が玉虫色に光っているのが見えています。覗き口には蓋もついていて、全体的にも美しい姿の和風の作品になっています。色を重ねて調合していくようなオブジェクトの組み合わせで、陰影に富んだ映像表現も素晴らしいと思います。
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黒い背景に独自の曼荼羅映像を表現するナップ夫妻

2007-10-18 21:59:38 | 万華鏡ブログ
カレイドスコープルネッサンスという大きな流れを生み出したコージー・ベーカーさんは著作の中で、「ランディー&シェリー・ナップはただ万華鏡を製作するのではなく、万華鏡に命を与えている」と書いています。そして、「ガラスや木工の技術」と「色に対する強い思い」が素晴らしい作品に結びついていること。また「万華鏡を生み出すにあたって一番好きなところは、新しい作品のデザインをすること」というランディーさんの姿勢を証明するように、次々に限定版やシリーズ作品、一点ものなどを製作していることなどが、書かれています。
これは今から14年も前に書かれたものなのですが、今の彼らも、その姿勢や想いは変わることなく、さらに進化し続けていることに、大きな感動を覚えます。
「トワイライト」という作品で、「黒い背景のオブジェクトセル」を取り入れて以来、その先駆者の中に数えられるナップ夫妻ですが、その頃からずっとこのタイプのセルを作り続け、魅力的な映像を生み出すためのオブジェクトにも大きなエネルギーを注いできました。今私達が見るこの万華鏡映像もそうやって生まれてきたものだと思うことで、作家さんの想いに近づく気がし、一つ一つの変わっていく映像を心をこめて見続けたいと思うのです。
昨日ご紹介した「ザムカ」(パステルイメージ)の映像です。
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