大きめの黒いガラスに、光の当たり具合で、きらきらしながら色を変えるダイクロイックガラスを飾った、スティーブ&ペギー・キテルソン夫妻の作品、「Solaris」です。
しっかりとした木製の台に支えられたパーラー型の万華鏡です。
両脇の支柱に支えられ、垂直になっている筒を、見る人の目の位置に合わせて傾けて、中の映像を見ます。 台座の部分はくりぬかれていて、そこには替えのオブジェクトセルが置いてあります。 この万華鏡はオブジェクトセルを簡単に着脱できるマグネット式なのです。
外観のカラフルなダイクロイックガラスのイメージをそのままに、ペギーさんが一つ一つバーナーワークで製作したガラスオブジェクトが、たっぷりと入ったオブジェクトセルです。 美しい色や輝き、透明感、さまざまな形態のオブジェクトが生み出すのはどんな映像でしょう。
直径9cmで厚みもあるオブジェクトセルはオイル入りで、その中を流れるオブジェクトの動きが、優雅に変化する7ポイントの映像を生み出します。
セルの横から光を当てると、光沢のあるガラスオブジェクトの表面が輝き、重なり合う色の表情も豊かになります。
もうひとつのオブジェクトセルはピンクの濃淡、白、淡いグリーンなどがきらめくダイクロイックガラスと一緒に入っています。 セルを見るだけでも美しい。
春を想わせる華やかさとみずみずしさのある映像です。
筒も大きな作品ですから、映し出される映像も大きく、その豊かさや立体感など、写真では伝わりきれず、残念です。
この「ソラリス」は、4月23日から5月15日まで、京都万華鏡ミュージアムの「海外の作家たち展」でご覧になれます。 キテルソン夫妻の最新パーラースコープの、外も中も美しい世界をご堪能いただきたいと思います。