東京、銀座のギャラリー「木の香」Ginza Hakko で開催中(9月10日まで)の「松宮真理子万華鏡展」に伺いました。
新作を含め、独特の世界をガラスで表現した万華鏡が展示されています。今日ご紹介するのは、オーロラや天体を万華鏡の中に展開する作品です。
上の写真はパーラータイプの作品。 ヘラ絞りという金属加工の技術で作られた真鍮製の台座に載っています。 筒は柔らかなカーブを描くガラスを合わせたように見えますが、よく見ると上部に細長い窓のような透明なガラスがはめ込まれ、そこから光を取り入れる仕組みになっています。
松宮さんの描く天体は黒い背景に白や青などの細かいオブジェクトが像を結ぶ、深くて静かな雰囲気が特徴ですが、ミラーの第三面に色模様のある透明ガラスを置くことで、オーロラが出現します。環境や光の当たり方で揺らめきながら色を変えるのは、これもまた天体の神秘を見ているようです。
この作品は今年5月に京都で開かれたBKS万華鏡世界大会での新作発表作品です。 京都の雅を意識して金色のきらめきのある深い青色のシックなガラスを使っています。こちらも上部から光を通すタイプで、2ミラーと4ミラーを組み合わせているとのこと。 複雑な映像ですね。
ミラーシステムの途中にガラス棒を配して、とてもユニークな映像になっています。先端のマンダラ映像に焦点を合わせると、手前がぶれてしまうので、実物通りにお見せするのが難しいです。
次に並んでいるのは「オーロラ」の特別バージョンです。 黒いガラスに金属の部品などを飾った外のデザインもユニークです。
映像はびっくりするほど鮮やかで、きれいです。 静かな黒い天体に浮かび上がる模様をゆっくりと眺めて楽しむ「天体観測」シリーズは多くの万華鏡ファンを虜にしていますが、これらのオーロラを見る万華鏡は手に取った瞬間にその色合いにまず目を奪われ、揺らめく色の変化に心惹かれる、松宮さんの万華鏡のもう一つのスタイルとして、定着してきたように思います。