スティーブン・グレイさんは、2013年のブリュースター・カレイドスコープソサエティー(BKS)のコンベンションで、山見さん、中里さん、北村さんとともにPeople's Choice Awardを受賞しました。
スティーブン・グレイさんは20年ぐらい前にすでにブリュースターソサエティーから、その優れた万華鏡の作品と万華鏡界への貢献が認められ、創造的作品賞などを受賞していた方です。 美しく加工された木工のデザインと実験的なミラーシステムで、皆を驚かせました。 長い間、BKSへの積極的な参加はなかったのですが、昨年戻ってきて、昨年と今年の2年連続で受賞を果たしました。
その今年の受賞作品のご紹介です。 10月1日から京都駅地下街、ポルタ ギャラリー華で展示予定です。日本では初めての公開となると思われます。
マホガニー、ウォルナット、バーズアイメープルの3種類の木材を使っており、ターンテーブルにオブジェクトを載せて回転させ、その動きを3本の異なるミラーシステムを通して見ます。
ターンテーブルは3本の真鍮製ワイヤーでつりさげられています。 そこを回転させる仕組みはとてもシンプルです。ターンテーブルを手で回すと、真鍮の柱にワイヤーが巻き付きます。手を離すと、自然に戻る方向で回転します。そして戻り過ぎた分、また逆方向に戻るという動きをしばらく繰り返すのです。 当たり前の動きですが、ちょうど良い速度でバランスよく回転するまでにはいろいろな試行錯誤があったことと思います。
ターンテーブルに載せるオブジェクトは何でもよいのですが、スティーブン・グレイさんが用意なさったのは、光沢があり、質感のある布や、組みひも、ブレードなどです。
これらを自由に置いて、ターンテーブルの動きで映像の変化を楽しみます。 一度だけテーブルを回転させれば、あとはそのまま、動きに応じて変化する映像が見られます。
二等辺三角形に組んだミラーシステムからは、繊細な模様が広がって見えます。 先端には水晶の球がついています。
四角に組んだミラーシステムのうち、3面がミラー、もう1面が布地という筒を通して見ると、コーラスラインと呼ばれる横に長く繋がる映像が見えます。
そして3本目のとても変わったシステムは、通常のテレイドスコープのように球や半球が使われているのではなく、オイルセルの中に、焦点距離の異なったいくつかのレンズをオブジェクトのように入れていることです。ミラーシステムは2ミラー5ポイントですが、場所によって異なるレンズを通して見える映像が反復されるため、ちょっと不思議な見え方になります。 時々、泡の中の映像のようにも見えます。
この大きな作品は、3人の人が一度に楽しむことができます。 取り付けたテレイドスコープは、場所を変えたり、覗く向きを変えたり、回転させたりできるようになっています。
京都万華鏡ミュージアムがプロデュースする「2013秋の新作展 きらめく万華鏡の世界展」では、アメリカと日本の作家さんの新作を中心に展示されます。
スティーブン・グレイ / チャールズ・カラディモス /ジュディス・ポール&トム・ダーデン
ペギー&スティーブ・キテルソン / ルーク&サリーデュレット/ トム&キャロル・パレッティー
ランディー&シェリー・ナップ
赤津 純子 /佐藤 元洋
鈴木 明子 /高瀬 義夫
中里 保子 /中村明功・あや子
沼尻 のん /松宮 真理子
山見 浩司 /依田満・百合子
10月1日(火)より13日(日)まで開催。 午前11時~午後19時
京都駅地下街 ポルタ ギャラリー華
関西の方、京都旅行を計画なさっている方、ぜひこの機会に素晴らしい万華鏡の世界を楽しんでください。