万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

霜の降りる朝、凍り付くほどの寒さをイメージして

2016-11-15 23:06:39 | 万華鏡ブログ

サリー&ルーク・デュレット夫妻の ”Frosty”(フロスティ)です。コスモという定番のスタイルに季節感を取り入れた万華鏡で、冬を迎えるころ限定的に制作しているスタイルです。タイトルの「フロスティ」は、「霜の降りる」とか、「凍り付く寒さ」という意味です。

この万華鏡の特徴はオブジェクトセルの背景の色模様です。外側が、青と紫の色合いで氷のような質感を感じさせるだけでなく、内側にも映り込んで、映像にも影響しています。

オイルの中できらめくきれいなビーズやガラスのオブジェクトは、ブルー、パープル、グリーン、ターコイズなど寒色系にまとめられ、さらに銀色のメタルオブジェクトが華やかさを演出しています。

これらのオブジェクトは、今までデュレット夫妻が制作してきた多くの作品、雪の結晶やクリスマスをテーマにした万華鏡、「ラプソディー・イン・ブルー」という作品でも使われたもので、独特のきれいさがあります。

二等辺三角形に組まれた3ミラーで、大きな中心映像の周りを小さな映像が取り囲んでいます。長さ17.5㎝の小ぶりな作品ながら、とても大きく映像が展開します。重くなく、持ちやすいので、心地よく、デュレット夫妻の生み出す映像世界を堪能できます。

外観の木材も数種類の組み合わせがあり、定番の形ですが、美しい木目が生かされています。そして中央を飾るのが、雪の結晶模様をプリントした薄板です。

角を面取りした美しい仕上げの、薄い箱型の万華鏡は、先端の丸いオブジェクトセルとも相性が良く、きれいにまとめられた姿です。オブジェクトセルは、手で回転させることができます。

冷たくてピンと張りつめた空気を感じさせ、キラキラとした輝きを見せる迫力のある映像が展開します。 ブルーや紫、グリーンなどの色合いが好きな人には特にお薦めです。

 

 

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透明な花 静謐な世界

2016-11-12 22:55:36 | 万華鏡ブログ

細井厚子さんの万華鏡展に伺いました。細井さんが作り続けてきた「透明な花」シリーズは、ステンドガラスのオーソドックスな筒の形。よく知っているつもりなのに、目にすると、とても新鮮で印象的です。均整の取れた美しさでしょうか。ガラスの色と万華鏡のタイトルに惹きつけられて、中を覗けば静謐でありながら、そのストーリーのある世界に目を奪われます。

上の作品「星の隠れ家」の映像です。たくさんのオブジェクトが映り込んでいますが、これは流れの途中の一つの絵。 暗い深い空間の中から最初はほんの少しの青い輝きが生まれ、ゆっくりと少しずつ増えて広がり、また消えていく情景を思い浮かべてくださいね。オイルの中で動くガラスたちの舞は優雅で神秘的です。

やわらかいピンク色の筒は「花散る頃」です。

淡くて繊細な花びらのようなガラスオブジェクトは、ガラスの板を切り出し、熱を加えて細く、薄く加工したものだそうです。外から見るオブジェクトセルの中では、ガラスの繊細な表情が、オイルの中でさらにその輝きと透明な美しさを際立たせます。このオブジェクトセルが細井さんの作品の特徴です。

「ノクターン」は落ち着いたブルー。 

そして4ポイントの映像がすっきりと美しい作品です。黒や白のラインを描くオブジェクトが効果的なアクセントになっていました。 お洒落な4ポイントでデザイン的にも素敵な映像が次々に生まれていました。私の心の中にノクターンのメロディーが聞こえます。

「夜のカナリヤ」は「透明な花」シリーズの新作です。何とも言えない暖かさと味わいのあるガラス色ですね。

ストーリーがあると書きましたが、たぶん物語を紡ぐのは覗く人です。自分の心の中にある物語や記憶が細井さんの映像に沿ったとき、深く感動するのだと思います。

今回新しく登場したのは、陶器の作品。 これらも手に取りたくなる味わいのある表情です。

 この万華鏡展は19日(土)まで銀座のギャラリー田中さんで開催中です。
中央区銀座7-2-22 同和ビル1F 
12時~7時 最終日4時まで。日曜休廊。

細井厚子さんは来年京都で開催されるBKS万華鏡世界大会の出品作家のおひとりです。
http://bks2017kyoto.com

 

 

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que sera,sera がいいね!

2016-11-07 17:57:45 | 万華鏡ブログ

この万華鏡は依田満さん・百合子さんの工房の作品です。 最初に目を惹いたのは珍しいガラスの組み合わせと「ケ・セラ・セラ」の文字。 装飾はんだで花と鳥が飾られているところもユニークです。万華鏡にちょっと一味、遊び心があるのが良いですね。 文字も気分にマッチしたということでしょうか。

次に目を惹いたのは、ガラスのワンドに詰め込まれたたくさんの小さなガラスオブジェクトの色合い。ちょっと秋らしいというか、シックな感じがどんな映像になるのかなと思いました。

ひし形に組んだ4ミラーシステムからは、2つのマンダラ映像が並んで見えます。 狭い角度で組まれたミラーの両端で、それぞれの映像が作られます。

そしてもう一つ面白い見方があります。ガラスのワンド(棒状のオブジェクトケース)を左右に動かすと、それぞれのマンダラ映像が違う向きに動くのです。一方は内側から広がるように、そしてもう一方は内側に吸い込まれるように。一斉に変化するので、これはダイナミックな動きを見せます。

覗きながら、変化する色模様の世界に身を任せて楽しんでねというメッセージのある万華鏡です。
♪ ケ・セラ・セラ ♪

 

 

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