皆さんが万華鏡の覗き口からどんな映像が見えるのかなと筒の中の世界を覗くときの気分は、きっと期待に満ちた、わくわくする気分ではないでしょうか? その覗き口が鍵穴になっている万華鏡です。 万華鏡と知らなくても覗きたくなるのではないでしょうか?
スー・リオさんの定番スタイルの箱型の筒の万華鏡で、先端部にガラスをちりばめたシリンダーを回転させて映像を楽しみます。ボディの側面のガラスはラインのある黒いガラス。先端部のきらびやかさを浮き立たせています。
ダイクロイックガラスや様々な表情のガラスピースを配したシリンダ―状のオブジェクトは、外から飾っているのを見るだけでも美しいです。当たる光によって色合いや輝きが変わっていきます。
鍵穴ののぞき口はこんな風になっています。
覗き口が鍵穴というだけで、鍵のかかった部屋をそっと覗くみたいな感じです。そしてその向こうに見える思い掛けない色の競演に目を見張る・・・作家さんの企みでしょうか。
オブジェクトになっているダイクロイックガラスは、光を通したり、反射したりするたびに色や輝きを変化させます。 黒い中に浮かび上がる映像は、薔薇窓のようですね。
このシリンダースタイルのオブジェクトは、スー・リオさんが長い間作り続けてきたものです。 ガラスが生み出す深みのある色と輝きが魅力的ですが、それは閉じられたオブジェクトセルでもなく、また風車のようにまわるホイールでもない、このスタイルだからこその映像表現です。