万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

ドライアンプルと黒いオブジェクト

2019-01-22 23:21:07 | 万華鏡ブログ

いろいろな万華鏡が生まれてくる中、2ミラー、ドライセルの作品に基本を感じる人も多いのではないでしょうか。
ドライセル独特の、オブジェクトがシャカシャカ動く音の心地よさ。そして、セルの回転を止めたときの静止した画像は一瞬時の流れを止めて、覗く人の目を惹きます。どこで止めるかは覗く人次第。 完璧なシンメトリーはデジタルアートで生み出すことができるかもしれませんが、作家の創る作品との対話ができるのが、万華鏡を覗く楽しみですね。
万華鏡の古典的なスタイルにこだわるチャールズ・カラディモスさんは、シンメトリーを生み出すために、ミラーシステムに工夫をして,アイホールから覗いた真正面に、曼荼羅画像の中心が来るようにしています。バランスのとれた画像表現には、秩序やリズム感、ハーモニー、そして安心感などがあり、覗く人の心や感情に沿うのかなと思います。

彼の作品の特徴のひとつにオブジェクトがあります。 いろいろなタイプを自ら加工して、独自の表現をしてきました。今までにもご紹介してきましたが、黒いオブジェクトも、ほかの作家さんには少ないかなと感じます。ランダムに動くオブジェクトの見せ方は作家さんの個性の現れるところですね。
長い作家歴の中で黒いオブジェクトのあり方も変わってきましたが、最近の作品では味を引き締める調味料みたいに、見た目は控えめだけど映像の魅力を生み出すポイントを押さえていると感じます。

そして、彼の作品には欠かせないドライアンプルというオブジェクト。 透明なガラスアンプルの中にガラスの粒を入れています。小さな粒の並びとかすかな動きが、静止する2次元の映像にリズム感や奥行き感を出すと思います。

黒いオブジェクトとドライアンプルによるカラディモスさんらしさを感じていただければと思い、大きめの写真にしました。

2枚目から4枚目の画像は、Spirit of Murano という作品のものです。ボディーのガラスも黒とさまざまな色が混ざり合うユニークな表情です。(1枚目はConu Scopeです)

カラディモスさんの作品は、シリーズごとの限定版がほとんどです。 万華鏡展などで見る機会がありましたら、ぜひ手に取って見てください。彼の卓越した画像と、アーティスト魂を感じることができると思います。

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トワイライト Twilight

2019-01-10 11:15:03 | 万華鏡ブログ

2019年最初の投稿です。
今年も私の出会った素敵な万華鏡作品について、作家さんについて、ご紹介していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

冬の晴れた日、夜が明ける前の、あるいは日没後の空に目を奪われることがありませんか?
空を染め上げる美しい色合い、しかも変化しながらあっという間に過ぎ去ってしまう時間に心を遊ばせる方も多いのではないでしょうか。
そんな瞬間の美しさを小林綾花さんが「トワイライト」シリーズの万華鏡に表現しました。

ボディーはチタンを特殊な発色方法で色付けしています。チタンというのは軽量で丈夫、腐食に強く、金属アレルギーも起きにくい素材だそうです。小林綾花さんは、金属加工の技術を学んだ作家さんです。筒の色合いも見事ですが、万華鏡のトップの部分などもお洒落にデザイン、加工されていて、万華鏡の姿も美しいです。
一本ずつ色合いも微妙に異なる筒に、例えば上の作品「トワイライト」-サファイア‐ではブルー系の天然石やスワロフスキークリスタルを入れたオイルセルを合わせます。
天然石は自らインドやタイなど産地にまで探しに行き、選んでこられるそうです。どんな天然石を使っているのか、詳しく教えていただきました。

この作品では、サファイア、アイオライト、アパタイト、アクアマリン、ブルートパーズ、ペリドット、エメラルド、シトリン、ロードライトガーネット、ヒマラヤ産ダブルポイント水晶、キュービックジルコニアを使っているそうです。きれいですね。

そして3ミラーを通して生まれてくる映像のほんの一瞬です。



次は「トワイライト」-琥珀-です。

オブジェクトには、琥珀 シトリン、ヒマラヤ産ダブルポイント水晶、ガーネット、ペリドット、カーネリアン、金箔 が使われているそうです。   

琥珀色やゴールドの重なりときらめきが、豊かな美しさを感じさせる万華鏡です。

そしていろいろな貴石を使っているちょっと豪華な作品「トワイライト」-ジェムストーンーです。

使われている貴石は ルビー、ダイヤモンド、ピンクトルマリン、サファイア、アイオライト、オパール、ブルートパーズ、ロードライトガーネット、アメシスト、シトリン、ガーネット、ペリドット  だそうです。わくわくしますね。

 


美しい宝石を組み合わせて、鏡の魔法をかける万華鏡作家さんです。どの作品にも彼女の想いが込められ、覗く人の心に響く作品だと思います。 写真では限界を感じてしまいますが、実際はきらめきと多彩な色模様の流れるような展開です。

小林さんの言葉をご紹介します。
「悠久の時を経て地球に育まれた天然石は、それぞれに個性があり、美しい表情を見せてくれます。煌めく石たちのハーモニー、光と色の小宇宙をどうぞお楽しみください。」

 

 

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