アトランタのKaleidoscope Shopで大変貴重なアンティーク万華鏡を見せていただきました。 チャールズ・ブッシュさん(1825-1900)の万華鏡です。 創られたのは1873年から1900年の間と考えられています。
ブリュースター卿が万華鏡を発明したのが、1816年スコットランドでのことでした。 その後アメリカに移民としてやってきたブッシュ氏は、家業を継いで成功させたのち、万華鏡の製作を始めたのは1870年代前半のことでした。
黒い厚紙の筒、真鍮製の部品、木製の台、舵輪のような取っ手を回してオブジェクトセルを回転させる仕組みなどが外見の特徴です。
彼の万華鏡のもう一つの特徴は、中に入れられたガラスオブジェクトです。 その1/3はガラスアンプルの中に色のついた液体をいれたものです。 ドライタイプなので映像がとまっても、液体の動きがあるように、考案されたものです。
液体の入ったガラスアンプルと通常のガラスオブジェクトを組み合わせたその映像は、今見ても素晴らしいバランスで、100年以上も前に作られたことが信じられないくらいです。
今のようなさまざまな素材が無かった時代に考案された映像表現ですが、万華鏡の魅力というのは十分に認められていたのでしょうね。 万華鏡アートの原点のように思います。 いくつかの部分に特許を取り、数多く生産されたということです。 ご本人はどのような思いで作られたのでしょうか。 興味を覚えます。
この作品はたぶんコージー・ベーカーさんのコレクションにあったものだと思いますが、保存状態もよく、ゆっくり覗かせていただけてラッキーでした。