2月2日から8日まで松屋銀座で開催中の赤津純子さんの作品展「光の贈り物 万華鏡の世界」展に伺いました。
久しぶりに赤津さんの作品をゆっくりと拝見する機会となり、その独特の映像美を堪能してまいりました。
上の写真は、今回の新作「kai」です。 3ミラーですが、2種類の組み方があります。ここでご紹介するのは、4ポイントの映像が縦横に繰り返される組み方です。ミラーの先に置かれたオブジェクトケースはドライタイプ、カットされたガラス片が筒を回すたびに心地よい音とともにランダムに動きます。
背景のガラス(オブジェクトケースの奥)が青いタイプでは、
背景のガラスがグリーンのタイプでは、
リズムを感じる映像表現で、それらが一瞬で次の模様に変わるところが心地よい万華鏡です。映像が視野いっぱいに広がる3ミラータイプなので、解き開くというイメージから、開―「kai」と名付けたそうです。
赤津さんの作家デビューした作品展の時、その完成度の高さとユニークな映像表現に驚かされた「華鼓」を赤津さんは今でも大切に制作し続けています。
高さ約8㎝の小さな鼓型の万華鏡には、ご自身も習っていらっしゃるという鼓への愛着と万華鏡への愛情がこもっているに違いありません。
本当に小さなオブジェクトケースの中にこめられたオブジェクトは十分に吟味され、和紙を背景にして繊細でリズミカルな6ポイントの映像を生み出します。 和紙の柔らかさと繊細なガラス細工が、前方からの光を受けて織りなす模様のなんと清々しいことでしょう。
次にご紹介する「相響む」は黒い背景の万華鏡です。
次は「空華」です。オイルの流れに乗って動き、黒い空間の中に華を生み出すさまを楽しみます。
最後に、正面に展示されていたパーラー型(卓上型)の作品「羽衣」です。
特徴的なオブジェクトをご覧ください。細い糸の流れを樹脂で薄く固めた数片と真珠の粒が良い働きを見せて、きれいな映像の変化を見せています。
音楽にも造詣が深く、また日本の伝統芸術にも敬意を持ちつつ、自分の感じる美しいものを万華鏡に映し出そうとする、そんな赤津さんの作家魂を感じた作品展でした。