万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

写真を取り入れた万華鏡シリーズ

2008-06-29 23:24:25 | 万華鏡ブログ
ジュディス・ポール&トム・ダーデン夫妻の工房から、新作のご紹介です。
「Wrap it up Series」(ラップ・イット・アップシリーズ)は、ストーリースコープシリーズに次ぐ、プロダクションタイプの万華鏡で、サイズも価格もほぼ同じです。ジュディスさんは写真家としての腕前も相当なもので、自分自身で撮影した写真を筒に巻き、テーマに合わせてオブジェクトを組み合わせています。写真といっても表面の質感が独特のビニールに印刷されているので、飾っておいても色が変わったりしないし、汚れもつきにくい素材となっています。テーマ性があり、その表現がわかりやすく、しかも美しい映像を見せる万華鏡が、彼らの特徴です。
金属部分はパウダーコーティングという処理を施して、この色と耐久性を求めています。先端部のセルを回転させて映像の変化を楽しみます。
ここにあるのは、白百合、ハナミズキ、イエローローズの写真を使ったもの。
ジュディスさんがどんな花々を映像に表現するか、次回またご紹介します。
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ロマンチックな万華鏡

2008-06-27 21:20:43 | 万華鏡ブログ
ルーク&サリー・デュレット夫妻の「ギネヴィアズ・ハート」という万華鏡は、とてもクラシックな雰囲気で、ストーリーを感じる作品です。それもそのはず、ギネヴィアというのは、アーサー王物語に登場する王妃様の名前で、円卓の騎士ランスロットとの恋が語られている女性です。
シークレットガーデン工房の万華鏡は、タイトルからイメージの膨らむ作品が多いですが、この作品はその中でもとても特徴的です。 王妃様の壮麗な衣装、宝石や冠などを思わせる映像に目を奪われる人も多いのではと思います。
一番ユニークなのは使われているオブジェクトの種類でしょうか。作家さん自ら「変わった寄せ集め」というその内容は、磁器、竹、真鍮細工、きらめきを生み出すガラス、骨細工などの数々。
そして生み出される映像は、ダズルとは違った意味での華やかさがあり、その豊かな雰囲気の映像展開には、覗くたびに驚かされる万華鏡なのです。
2006年8月27日にもご紹介しています。
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3ミラーシステムで見たマーブル

2008-06-26 15:06:34 | 万華鏡ブログ
同じマーブルを3ミラーシステム(この場合は正三角形に組んだオーソドックスな3枚の鏡の組み方です。)で見ました。
ミラーシステムの向こうにあるのが球面であることから、少し丸みを帯びた3ポイントの映像が繰り返しています。
ガラスの中の気泡が映りこむのも面白い効果です。前回の映像と同じものを見ているとは思えないぐらい、雰囲気が変わっていると思いませんか。
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2ミラーシステムで見たマーブル

2008-06-26 14:41:53 | 万華鏡ブログ
前回のマーブルを2ミラーシステム(三角形に組んだミラーの筒の1面を非反射素材にして、中心のある1つのまとまった映像を生み出す鏡の筒です。)で覗いた内部映像です。球体なので、全方位に動かすことができ、映像の模様や色合いの変化も大きくなります。ガラスマーブルの流れるようなランダムな模様が、きれいなシンメトリーの模様となって見えています。
万華鏡の筒の先にマーブルを置くために支えとなる金属は、マーブルの大きさに沿って曲がり、交換するときに簡単に外れるよう多少柔軟性があり、かつガラスの玉をしっかりと支える強さ、曲げたり延ばしたりの繰り返しに耐える強さも必要です。マーブルという球体を固定することなく、落ちないようにすること、全体的なデザインの中でのマーブルを自然に、美しく組み合わせることが、マーブルスコープで必要なことなのですが、案外難しいことなのかもしれません。マーブルを作る作家さんも、マーブルスコープに取り組んでいる作家さんも少ないのが、残念です。
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マーブル

2008-06-25 17:31:08 | 万華鏡ブログ
今日は万華鏡のオブジェクト(ミラーの筒の先に置いてその反復映像を楽しむもの)として楽しまれているマーブルについて、書いてみようと思います。Marbleとはもともと大理石や、大理石模様という意味ですが、おそらくすべすべした質感から、昔からビー玉遊びの素材となっていたのだと思います。ガラスで作られたビー玉もマーブルと呼ばれ、ゲームの材料として作られる一方、ガラス作家によって、さまざまな意匠をこらした芸術作品として生み出されるようになり、マーブルそのものをコレクションする人達もいます。丸い球体のガラスの中に、地球や自然や宇宙を表現した素晴らしい具象作品すらあり、とても楽しいと同時に、どうやったらこんな風に作れるのかとその技に驚くこともしばしばです。
そのマーブルを万華鏡のオブジェクトとして楽しむのが、マーブルスコープと呼ばれる万華鏡のタイプです。もっとも万華鏡のオブジェクトとしてのマーブルでは、どちらかというとこの写真のように、ランダムな模様で色の組み合わせが面白いものが、映像の変化も多彩で、一番良いと思われます。一部透き通っていると、奥行きや奥の色も映し出されるので、さらに変化が大きくなります。
気に入った模様が見えたら、その場所で止めて、じっくりと楽しめるのも嬉しい点です。球体という大変オーソドックスな形なので、ミラーシステムを変えたり、ほかのマーブルと交換したりして、楽しみの幅も広げられます。細かいオブジェクトの織り成す動きの変化を楽しむオイルチェンバーやドライチェンバーとはまた違った万華鏡のタイプもぜひ見ていただきたいと思います。
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私の万華鏡の原点

2008-06-23 23:15:53 | 万華鏡ブログ
作家さんの作る独創的な万華鏡に出会ったときの驚き、万華鏡への認識が全く覆された想いは、きっと多くの皆さんと共有している経験だと思います。子供の頃から、正三角形の筒上に組まれた3枚の鏡を通して繰り返しの映像を見たことは何度もあったはずだし、だからこそ万華鏡という言葉にノスタルジーを感じる人も多いのですが、現代の万華鏡には、いきなり現れた不思議なもの、ショックを与えるほどの新しさがあるように思えました。 ですから、200年ほど前に発明されたブリュースター博士の万華鏡や19世紀の後半にアメリカでたくさん作られたブッシュの万華鏡は、2ミラーシステムが多かったことも、私にとってはむしろ驚きでした。
この2ミラー、白い背景、ドライチェンバー(セル)という“古典的”なスタイルを今でも実践し、さらに進化させているのが、チャールズ・カラディモスさんです。
私が十数年前「一生の宝物」にしたいと思い、思い切って購入したのが彼の作品でした。大切に飾ってありますが、やはりこの十数年でカラディモスさんの万華鏡も進化しているなあと感じざるを得ません。今では「一生の宝物」がいくつか存在するようになってしまいましたが、私の万華鏡との関りの原点です。
この写真は2007年に製作されたカラディモスさんの「マンダラ/ホワイト」の映像です。何気ない小さなかけらが組み合わさって、一瞬生み出される完ぺきな模様、整ったシンメトリー、偶然性と背中合わせの調和の美・・・万華鏡の面白さは一瞬の美とその永遠なる変化だと、あらためて再認識する作品であり、作家さんです。
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フラミンゴ/リキッドサスペンションシリーズから

2008-06-21 20:55:01 | 万華鏡ブログ
キャロリン・ベネットさんのリキッドサスペンションシリーズは、40数種類のテーマで作られています。今年、新しく登場した作品から「フラミンゴ」をご紹介します。黒地にピンク色のきれいなフラミンゴが描かれたわかり易い万華鏡ですが、このピンクがポイント!です。
オブジェクトセルの中に見えるピンク色のビーズがとてもきれいで可愛らしい映像を生み出します。このシリーズでは、同じようなコンセプトでデザインされ、同じようなビーズやガラスオブジェクトなどを使っているように見えて、覗くと新鮮な映像を見せてくれるので、嬉しくなってしまいます。
ベネットさんのコメントです。「この万華鏡はベネット工房でデザインされ、手作りで生産されています。変化し続ける色と形の無限の組み合わせをお楽しみください。」 シンプルなスタイルで、おとなにも子供にも万華鏡の楽しさを直球で届ける作品だと思います。
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ミラーシステムが生み出す立体空間の演出

2008-06-19 14:56:30 | 万華鏡ブログ
昨日に続き、【IKA】国際万華鏡協会展、招待部門からご紹介させていただきます。この万華鏡展では著名な作家さんの新作を拝見できる貴重な機会を提供してくださっています。
この素晴らしいインパクトのある映像は、マーク・ティクルさんの「スイングアウト」という作品です。マーク・ティクルさんの万華鏡は一目で認識できる独自のガラスのスタイルと、立体的な内部映像が特徴です。
特にさまざまなミラーシステムを試み、幾何学的に美しいバランスを考えて生み出された立体映像のユニークさは、作品を拝見するたびに再確認します。
この作品では映像の大きさ、飛び出してくる柱の色合いが特に目を惹きました。
「造形の中の造形」を意識した万華鏡製作をするティクルさんの作品は、本当に面白いです。空間性や広がりを見事に演出し、バーナーワークの技術を尽くしたガラスオブジェクトで色彩世界を見せる素晴らしい万華鏡の1つだと思います。
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青い夢

2008-06-19 00:40:59 | 万華鏡ブログ
【IKA】国際万華鏡協会展の招待部門の展示会に伺いました。国内外で活躍中の万華鏡作家さんの新作がいろいろ並ぶ、見ごたえのある展示です。
ひときわ華やかさで目をひいたのが、マッシモ・ストリーノさんの「A Blue Dream」という作品です。青いガラスの本体にひとつひとつ、びっしりと飾り付けたスワロフスキーのクリスタルがきらきらと輝いています。
この万華鏡は2つのブルーのガラス製オイルランプを組み合わせ、装飾を施したもの。幼い頃、祖母の部屋で見るのが好きだった青いガラスのジュエリーボックスや香水ビンを思い出しながらデザインしたそうです。そんなノスタルジックなエピソードを聞くと、作家さんがこめた想いを感じることができますね。
2ミラー8ポイントの映像は、彼にしては珍しく、ブルー系にまとめられています。
小さなオイルセルにはスワロフスキーのクリスタル、準貴石、ランプワークによるムラノガラスなどが入っています。パーラータイプとしては小型で、持ち上げて手持ち型のように覗くこともできます。そこにあるだけで周りの空気やその場の雰囲気が変わりそうな万華鏡だと思いました。
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万華鏡のプレゼント

2008-06-17 09:19:00 | 万華鏡ブログ
インドネシアで大きな津波の被害のあったバンダ・アチェという場所で復興支援活動を行っている組織の中に、アメリカのザ・ブリュースター・カレイドスコープソサエティーの会員さんがいました。ご存知のとおり、万華鏡の発明者ブリュースター博士の名前を冠するこの組織は、万華鏡を愛する人たち、作家さんやコレクター、ギャラリーの人たちからなる国際的なグループであり、カレイドスコープルネッサンスの原動力となってきた組織です。現地の彼女からのメッセージを受け、ソサエティーのみんなで精神的、物質的な被害を受けた子供達に万華鏡を届けようというプロジェクトが発案され、実行されました。そして昨年末、日本からもたくさんの万華鏡やキット、そして何よりも暖かい応援の気持ちを込めて、1つの大きなパッケージが送られました。
各国の援助の下、学校や住居も建て直され、普通の生活が戻りつつある彼らのもとに日本の万華鏡が届けられたときの写真です。
万華鏡はみんなに笑顔をもたらしてくれたとの報告を受け、何よりも嬉しく思いました。昨今、世界中で大規模な自然災害のニュースを聞くたびに、そして日本での地震の被害を思うたびに、私達のできることを考えさせられます。援助物資を送るのは簡単。でも、現地で管理・運用する人がいて初めて成り立つこと。小さな力でも万華鏡のプレゼントというひとつの方法を実行できたことで、万華鏡の仲間のつながりを感じられたことが、私達にとっての喜びだと思いました。
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