万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

今年の記念の万華鏡は? Souvenir Kaleidoscopes

2013-06-29 17:46:26 | 万華鏡ブログ

この卵型の万華鏡は、今年のコンベンションのサイレントオークションに出品されていました。 よく見ると、やっぱり「J ・ミンドラップ」と名前が入っています。 Egg scopes や Little People  という愛らしい木製の作品をたくさん作った作家さんで、昨年残念ながら亡くなりました。 木材を削り、手描きで絵を描いた卵のような、あるいは、こけしのような万華鏡をどこかで見たことありませんか。

Uncle Brewster (アンクル・ブリュースター)の姿と、Brewster Society という文字を書き込んだこの作品がいつ、どうして作られたのか分かりませんが、あまり見かけることのなくなった万華鏡であることと、手ごろな価格で出品されていたので、私もオークションに挑戦してみたのです。 競った方が譲ってくださって、嬉しいことに私のところに来てくれました。

このコンベンションの思い出の品として、大切にします。

今回はコンベンション後に、ケネバンクポートとボストンを訪れました。 ケネバンクポートのお土産物屋さんで見つけたのがこの万華鏡キットです。 まだ開けていないけれど、箱も可愛いでしょう?
旅先で万華鏡がないかな?と探すのは、一緒に行った皆さんも同じで、このお店の4点ほどの在庫はすべて日本へのお土産になりました。

ボストン美術館のミュージアムショップで何やら面白そうな本と万華鏡を見つけてきた人もいました。 

本は仕掛け絵本のような感じでした。 万華鏡も覗かせてもらいました。 (名古屋の万華鏡屋さんに行くと見せてもらえるかもしれません。)

知らない町の片隅で万華鏡に出会うと、なんだか嬉しくなります。 今回はその思いを共有する人たちもいて、良い記念となりました。

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不思議な世界 "Wonderful World" by Terue Matsuda

2013-06-27 18:34:37 | 万華鏡ブログ

この見るからに不思議な作品は、松田晃江さんの「不思議な世界 Wonderful World」という作品です。松田さんは今回、初のコンベンション参加で、新作発表をなさったのが、この作品です。
今まで、松田さんのステンドガラスの作品は、いろいろな万華鏡展で拝見していましたので、これは、私自身も拝見してびっくりするような、好奇心をそそる、珍しい万華鏡でした。

本体を創られたのがオートマタ作家の伊東幸司さん。 からくりオルゴール作家、からくり自動人形作家などと紹介されている方ですが、松田さんは、その作品に強く惹かれ、いつかコラボレーション作品をコンベンションに出展するという夢を抱き続けてきたそうです。

万華鏡は松田さんが製作し、その万華鏡を組み込むデザインは、伊東さんの自由な発想でお願いしました。電気仕掛けでたくさんの細いポールが静かに不思議な動きをします。 そしてオルゴールを改良した癒しの音色がやさしく響きます。 万華鏡は、ペアリングでオブジェクトセルが自動で動くようになっています。

手を触れずにその世界に引き込まれる万華鏡です。
ガラスの透明感と重なりが美しく、すっきりとメリハリの利いた映像展開です。

コンベンションでは、この大作のほかに「花一輪」と題した、手のひらサイズの作品もたくさん並びました。 素材は革、和紙、ガラスなど多彩でどれも、手作りの和布の袋がついています。 中には、バーナーワークで丁寧に作られたガラスオブジェクトがいろいろな花となって咲く素敵な万華鏡でした。

アメリカのブリュースター・カレイドスコープソサエティのコンベンションで、新作発表をなさった作家さんたちの里帰り作品展が、6月26日から7月15日まで、流山市の万華鏡ギャラリー 寺田園茶舗 見世蔵で開催されます。
松田さんのこの作品も実際に見て、聞いて、感じていただけたらいいなと思います。 3人の受賞者を出してグッと存在感をアピールした日本人作家さんたちの渾身の作品をどうぞご覧ください。

万華鏡ギャラリー 寺田園茶舗 見世蔵
流山市流山2-101-1
6月26日~7月15日 10:00~17:00 入場無料 
月曜、火曜は休館。(祝日は開館します。)

 

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わくわくする工房訪問  Sue Rioux Desings studio visit

2013-06-26 18:52:51 | 万華鏡ブログ

前回に続いて、スー・リオさんの自宅兼工房訪問です。 居心地の良い生活空間の奥には、彼女のステンドガラスの万華鏡を生み出す場所がありました。
シーパロット工房から独立して以来、この工房から数々のオリジナル作品を生み出しています。 
写真の方は、独立する前から仕事を手伝っているスー・リオさんの右腕ともいえるスタッフです。 今ハンダを使っての作業中です。

箱型の作品に組み上げる前、ガラスパネルに丁寧にコパーテープを巻いてあります。特徴のひとつガラスロッドも準備されています。 箱型に組み終わったボディも並んでいます。

作業台。窓がたくさんあって明るい工房です。 

鏡をカットするコーナー。

カットしたガラスの破片もオブジェクトやジュエリーの大切な材料。 ダイクロイックガラスは結構高価です。

ガラスを焼き付ける窯。 この時は稼働していなかったので、作品が置いてありました。

 出来上がった作品でしょうか。 新作もあります。

製作の現場を見せていただくと、ますますこれらの作品への愛着もわき、理解が深まります。 
作家さんの工房訪問は、万華鏡を紹介させていただく私にも、また訪れた作家さんたちにもとても興味深いものになりました。

来年のコンベンションはカリフォルニア州サクラメントで開催されます。 近くの作家さんの工房を訪れることができたら楽しいだろうなあと期待しています。

 

 

 

 

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スー・リオさん ご自宅兼工房訪問

2013-06-25 22:42:52 | 万華鏡ブログ

コンベンションが開かれたメイン州フリーポートから、海岸沿いに車で1時間ほど下ったケネバンクポートに在住のスー・リオさんの自宅兼工房を訪ねました。 ケネバンクポートはとても美しい街で、散策するのも楽しかったですが、スー・リオさんのご自宅も居心地が良くて、たくさんのBKSの会員が訪れて楽しい時を過ごしました。

この大きくて美しい万華鏡「Egret 」は彼女のトレードマークのような作品で良く知られています。  中の映像も大きくてダイクロイックガラスの輝きが美しい作品です。

これがスー・リオさんのご自宅兼工房です。 

そしてスーさんと息子のアレックス君。 アレックス君はまだ子供の頃、ご両親とともに来日し、ご案内したことがあるので、11年ぶりの再会でした。

生活なさっている空間に何気なく置かれた万華鏡のコレクションに、こちらも豊かな気持ちにさせられます。 美しい花と万華鏡が飾るテーブル。 ブッシュ万華鏡もあります。

ご自身の作品も飾られています。さすがに美しいガラス遣いです。

壁面には、いろいろな作品が並んだ、とっても魅力的な飾り棚があります。 それぞれに思い出やエピソードがあるのでしょうね。

その前に置いてある万華鏡デザインの椅子。 楽しい!

コンベンションの緊張も解けて、ゆったりと、そしてわいわいと万華鏡仲間と過ごす時間はとても贅沢なものでした。   

自宅の奥には、スー・リオデザインズ工房があります。 こちらは次回のご紹介で。

 

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貴重な作品との出会い Rare opportunity to see a great work of Amy Hnatko

2013-06-24 14:13:52 | 万華鏡ブログ

今日は、今回の万華鏡コンベンションで展示されていた1990年の作品をご紹介します。 エイミー・ナトコ(Amy Hnatko)さんの「Melrose Abbey メルローズアビー」です。 
1980年代半ばからステンドガラスの込み入った大作を創っていた作家さんです。 もう万華鏡は創っていない伝説の作家さんのひとりで、コージー・ベーカーさんの本でも 紹介されています。 

スコットランドの古い修道院遺跡の名前をタイトルにしたこの作品の魅力は、オブジェクトになっているガラス造形の美しさです。 繊細な美しさを持つこのオブジェクトは、修道院の建物をイメージしたものでしょう。

万華鏡本体とは別になった、このオブジェクトを回転させて、ガラスの織りなす万華鏡映像を楽しみます。

教会のステンドガラスのような雰囲気ですね。

彼女の代表作のひとつ、「Northern Lights」 は以前このブログでもご紹介しました。

ベーカーさんのコレクションにあり、ガラスでありながら、オーロラの流れを表現する、軽やかで踊るような美しさに感動した作品です。

コージー・ベーカーさんのコレクションを彼女の著書で見ていると、万華鏡ルネッサンスと呼ばれた時代、どれほど素晴らしい作品が生み出されたかということが良くわかります。 そしてその時代に創られた作品に出会う機会が少なくなっただけに、出会った時の喜びもひとしおです。

 

 

 

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鏡の国を創りだすマーク・ティクルさんの万華鏡  Mirror Fantasy by Marc Tickle

2013-06-20 20:47:08 | 万華鏡ブログ

美しい球体の映像は、マーク・ティクルさんの「ペーパームーン」という作品です。 びっくりするほど大きくて、きれいな曲線を見せています。 覗き口は大きな三角形のところです。 マーク・ティクルさんと言えば、鏡のマジックで3Dの世界を演出する作家として有名で、今年のコンベンションでも独自の世界を展開して見せています。


オブジェクトセルにはダイクロイックガラスがきらびやかな輝きを見せていますね。 

次の作品ではオブジェクトセルの位置が本体の真ん中あたりにあります。

大きな覗き口から見ると・・・不思議な映像ですね。

ガラスのシリンダーと紙を使った新しいタイプの作品。 写真がないのが残念ですが、これは筒の上側にも3Dの世界が広がります。 スタンドの部分にも鏡の国への入り口が見えています。

Peek-a-box はトンボが飛んでいるように見えるミラーマジック。 ミラーシステムが見えない万華鏡です。

Ella Roseもミラーシステムの見えない万華鏡です。

個性的な演出であるだけでなく、万華鏡としての品質や技術も大変優れた作家さんだと思います。 もうすぐ男の子のお父さんとなるマークさんは、コンベンション参加者の皆さんから祝福を受けていらっしゃいました。

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古色蒼然  Looks antique, but a very modern kaleidoscope by Yasuko Nakazato

2013-06-19 19:36:34 | 万華鏡ブログ

本の形の作品は、中里保子さんが今回のコンベンションのサイレントオークションに出品したものです。 2010年に受賞したKaleidoscope History Book を少し小型にしたものですが、外観はほぼ同じで、細部まで手作りの素晴らしい作品です。サイレントオークションというのは、作家さんがそのために製作した特別な作品を、買いたい人が買いたい価格を紙に書いて競うもので、バンケットの途中で締め切られ、最高の価格をつけた人のもとに届きます。

今回のテーマも万華鏡の歴史に関わるものだったので、このBookを製作することになさいました。
覗き口は上にあります。 本体はどの面もガラス製です。 金属を打ち出して創ったプレートは、コンベンションのロゴデザインにも選ばれているブリュースター卿の考案した万華鏡をデザインしました。 重厚な本の装丁を思わせる装飾の部分も手が込んでいて、渋い色は昔の本のようです。

オブジェクトセルは本体の下の方にあります。 丸い突起の部分を回して、セルを回転させます。

その映像はテイパード4ミラーから生み出される立体的な曼荼羅模様です。 大きめの覗き口から覗くと視野いっぱいに広がる大きな映像です。

中心映像の周りに広がる連続模様も味わいがあります。 中里さんのイメージする連続模様の演出は、毎回新しくて、毎回素敵です。 「秋草」のときも、前の「Book」のときも、今回の「Katagami Style」でも、それぞれに合わせた「空間デザイン」で、見る人の心をつかむのです。 

その中里さんが出演する番組があります。 コンベンションでも取材を受けていました。

6月28日(金) 午後11時30分 日本テレビ系 「未来シアター」という番組です。 ぜひ見てください。

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スクィーズミー・ポリアンギュラー シリーズ Squeeze me Polyangular Series 

2013-06-18 18:55:14 | 万華鏡ブログ

今日は木工の万華鏡作家、スティーブン・グレイさんの作品をご紹介します。 
昨年のコンベンションでブリュースター・カレイドスコープソサエティに復帰した伝説の作家さんは、万華鏡に新たな好奇心を燃やし、作品を創り続けています。 
「スクイーズミー」という作品は、昨年から製作しているものですが、今回はさらに映像表現に新しさを加え、シリーズが増えました。

基本的には2ミラーシステムで、ポリアンギュラーの万華鏡です。 筒の横のボタンを押すと、ミラーの角度は狭まり、映像のポイント数が増えていきます。 木製の台に差し込むように置けば、パーラータイプのように楽しむこともできます。
今回新しいのは映像表現です。 「Squeeze me Star Chamber」 では星が輝き、周りを光が流れるような映像です。

中心の星のポイント数はボタンの抑え具合で決まってきます。

「Squeeze Me Crinkle」は中心映像の周りのうねりやくねりが特徴です。 基本的なミラーシステムは変わらず、第三面に表情のある反射素材を使っています。冬のイメージは氷や雪のような表現です。


同じ作品で、夏のイメージでは緑や赤の明るい表現です。


 

昨年の受賞作品 「Reflections of a Parasol」 はやはりすごい作品です。木工デザイン、映像を見せる仕組み、映像の面白さでも、彼らしい斬新さがあります。

パラソルが縦方向にどこまでも続く映像表現です。

「昔は私の人生に万華鏡と出会ったのは、ちょっとした幸運で、タイミングがちょうど良かっただけだと思っていた。でも今は万華鏡は、いろいろな意味で私の人生を象徴するものだと思う。 家族に代々引き継がれてきた木工製作やいろいろな仕組みを考える興味などが積み重なって、万華鏡製作への興味と情熱に繋がっている。 そして向こう側にあるものへの興味、反射する世界に何があるか見たいという思いは万華鏡によってかなえられている。」 そんな風にグレイさんは言っています。

 

 

 

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想いが広がる万華鏡  Motohiro Sato's scopes evoke something in our mind.

2013-06-17 23:15:02 | 万華鏡ブログ

今年も美しい映像表現で、コンベンションの参加者をうならせたのは佐藤元洋さんです。 繊細で、心にやさしく響く映像にますます磨きがかかったかなと思いました。 今年の新作発表の作品が、「Boundary」です。 現実と夢の世界の狭間を表現した作品だそうですが、別世界にも思えました。

美しい映像を生み出す作品は、大きめの筒としっかりと支える台座からなっています。 筒のガラスは白にピンクやパープルが流れるような表情が華やかです。台座部分はより透明感のあるガラスになっています。

滑らかに回転するオブジェクトセルも心地好く、機能的にもその品質の高さがよくわかります。 
このオブジェクトセルには特徴があります。 外からは見えませんが、二つのセルが重なっているそうです。

繊細でくっきりした模様と後ろ側にある霞がかかったような模様が重なり合い、独特の映像となっているのです。

それにしても何と美しい映像でしょう。 もっと大きな画像でご覧いただきたいくらい、細かく、完璧なシンメトリーが視野いっぱいに広がって、見事です。

白い万華鏡も並びました。 ボディーは白ですが、オブジェクトセルはオイルの中にそれぞれ、ピンクやグリーン、ブルーと色合いを変えてガラス細工を入れました。 白の清々しさとオブジェクトセルのきれいな色、それに加えて、それぞれに銀細工の飾りがついています。 

オブジェクトセルも全体が透明なのではなく、白くかすんだところもあって、一味違う雰囲気です。



妖精がピンク色の滴をそっと水たまりに落とそうとしている姿。 

木の葉からブルーの露が落ちようとするところ。

雪の滴のようなスノードロップの花を飾ったもの。春を告げる花の咲く場所には雪がなく、透明になっています。
それぞれの物語を語る万華鏡。 素敵ですね。 手の込んだ銀線細工はパートナーの園田知暁さんによるものです。

物語を先に進めると、きっと滴が、粒が、水たまりに落ちて水面をゆらすことでしょう。 これらの万華鏡を覗いたらそんな場面が見える気がします。
いろんなことを想像させる万華鏡って魅力的だなあと佐藤さんの万華鏡は感じさせてくれます。 

 

 

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光で遊ぶ万華鏡   Play with laser beams/Chikako Ishida 

2013-06-14 21:07:40 | 万華鏡ブログ

一見して屏風のようなこの作品は、石田千香子さんが今回のコンベンションで新作発表なさったものです。 2枚の鏡を角度を変えて広げられるようにつないであります。 大きな2ミラーシステムですね。
正面から見るとこのような感じです。
別世界へ続く「どこでもドア」みたい…ですが、違います。

ミラーの間にシャンデリアのように下がった透明な飾りが見えています。 
でも、これだけでは何のことかわかりません。 何が面白いのでしょう? 
上の写真、左下に置いてあるのが、遊ぶ道具です。

 レーザーポインターです。それを持って鏡の内側に向かって照射します。

その光線がミラーに映って反射を繰り返し、きれいな模様になります。 複数のレーザーポインターを当てて、皆で模様を生み出すのは、とても楽しいです。

ぶら下がっているガラス細工にレーザーポインターを照射すると、こんなきれいな模様に見えます。 やってみればシンプルな仕組みですが、今までに考えた人は誰もいないのではないでしょうか? とても素敵なアイディアときれいな映像効果に興奮してしまいました。 

 

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