万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

ディンプル Dimple 

2019-03-07 09:43:30 | 万華鏡ブログ

今日ご紹介するのは、松本よしこ&たけお さんご夫妻の「Dimple」という作品です。
ステンドガラスの作品を作ってきた作家さんですが、パイレックスガラスとボロシリケイトガラスという素材を使って新しいシリーズに取り組んでいらっしゃいます。
上の写真で見ると、まるで金属のように見えますが、パイレックスガラスにえくぼのような窪みを付け、内面に吹き付け塗装で金属のような光沢をグラデーションで表現しています。 試行錯誤を経て塗装の技法を学ばれたそうです。よく見ると表面にきらきらと光るものがあり、光の当たり方で色の変化に光沢や陰影ができて、魅力的な外観となっています。
パイレックスガラスは軽量で丈夫なので、万華鏡の素材として最近使われるようになってきましたが、工業製品とは異なる表現をするために作家さんたちはそれぞれに工夫をなさっています。

このシリーズには「琥珀」「青の洞窟」「アイスパープル」の3種類があり、オブジェクトに使用するボロシリケイトガラスの特性を生かして映像を表現しています。

「琥珀」は琥珀色とブルーが透明感と揺らぎのある映像を生み出します。

「青の洞窟」ではブルーの陰影のある世界を表現し、深く吸い込まれそうな映像表現です。

「アイス・パープル」は淡いパープルの繊細なオブジェクトが輝きながら、氷のような表情を見せています。

 

ボロシリケイトガラスは微妙で繊細な色の変化をするので、それをできるだけ鮮明に表現するためにシリコーンオイルを使っているそうです。 
このシリーズはほかにもオブジェクトセルが透明な球体のタイプがあり、それぞれにミニタイプもあります。 
これまでいろいろな作品を見せていただきましたが、確実に創作の世界を広げている作家さんだなあと感服しています。

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「雛」万華鏡

2019-03-01 15:44:53 | 万華鏡ブログ

3月を迎え、梅や桃の花の便り、中には早咲きの桜の便りも聞かれるこの頃です。 
今日はそんな季節にぴったりの万華鏡をご紹介します。 中里保子さんの「雛」です。

人形は、中里さんが以前よりコラボレーション作品を手がけている九谷焼の陶芸家、辻優子さんの制作になるものです。素朴で暖かい雰囲気のお雛様ですね。 冠の部分がオブジェクトセルになっています。

中の映像もご紹介しますね。

そして

きれいなガラスの色模様が展開します。 九谷焼の色合いにマッチするオブジェクトを選んでいます。
この万華鏡は、4月から開かれるストラスモア(アメリカ、メリーランド州)での万華鏡展に出品する予定ですが、その応募写真をお借りしました。日本らしい万華鏡を海外の方にも楽しんでいただけるといいなと思います。

ブリュースターソサエティのニュースレターの最新号(2019年1月発行)で、日本の万華鏡についてアメリカのコレクターさんが書いた記事が載りました。
1970年代からのカレイドスコープ・ルネッサンスの時代、アメリカでは万華鏡が見直され、様々な素材や形、そして新しいミラーシステムへの取り組みなどいろいろな挑戦があり、作家さんの数も増えました。 その時代のような盛り上がりを最近の日本に見ると彼は言っています。
そして日本の万華鏡の特徴のひとつとして、伝統行事や伝統工芸、歴史、文化を好んで万華鏡のテーマに取り込むことをあげています。誇るべき伝統や独自の歴史があることは確かに日本人の強みですね。  

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