今日はアメリカから届いた木の万華鏡です。 マーク&キャロル・レイノルズさんの作品で定番の万華鏡として、ずっと作り続けているシリーズです。 外に使われている木材の種類は明るい色から濃い色まで8種類ほどあり、またはめ込まれている象嵌模様が、すっきりと美しいアクセントになっています。 筒の長さは約31cmで、やや大きめな感じ。 全体に艶があり、木目の美しさを見せています。
注文に応じて製作する1点ものの作品は別として、定番として製作する彼らの万華鏡にはタイトルがありません。 この写真の作品のような手持ち型の1本でも、スタンドのあるパーラータイプでも、複数のオブジェクトセルが交換可能なボックスセットでも、基本の形は同じだからでしょうか。
横から光を入れ、先端部を回転させて映像の変化を楽しみます。 そして見えるのは細かくてきらきら光る映像です。
連続して上がる花火のようでもありますね。 細い角度に組んだ二等辺三角形のミラーシステムは、多くの作家さんが取り入れているミラーシステムですが、レイノルズ夫妻の作品の映像は、他の誰とも違う個性があります。
オイルセルを横からのぞいて見ると細かいガラスオブジェクトやビーズが見えています。 それらはガラスの破片のようなものだったり、ガラス棒を折ったものだったりと、特別なものではなさそうですが、何が印象の違いを生むのでしょうか?
色と煌めき、そして流れのスピード感がある映像の変化です。 夜空に開いて消えていく大輪の花火のように、一瞬の美しさを残像として印象付けながら、変化していきます。 でも花火と違って、消えていくことはありません。 オイルの中での動きのスピードを考え、オブジェクトがなるべく均一に存在するような密度を考えてのオイルセルの作りかたなんですね。
マーク・レイノルズさんは、もう30年以上万華鏡を作っていらっしゃるそうです。 同じスタイルにこだわりつつ、一つとして同じものはない、鏡の生み出す細密画にずっと向き合ってきた作家さんです。