万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

きらめく細密画のような映像

2012-10-15 23:30:53 | 万華鏡ブログ

今日はアメリカから届いた木の万華鏡です。 マーク&キャロル・レイノルズさんの作品で定番の万華鏡として、ずっと作り続けているシリーズです。 外に使われている木材の種類は明るい色から濃い色まで8種類ほどあり、またはめ込まれている象嵌模様が、すっきりと美しいアクセントになっています。 筒の長さは約31cmで、やや大きめな感じ。 全体に艶があり、木目の美しさを見せています。

注文に応じて製作する1点ものの作品は別として、定番として製作する彼らの万華鏡にはタイトルがありません。 この写真の作品のような手持ち型の1本でも、スタンドのあるパーラータイプでも、複数のオブジェクトセルが交換可能なボックスセットでも、基本の形は同じだからでしょうか。

横から光を入れ、先端部を回転させて映像の変化を楽しみます。 そして見えるのは細かくてきらきら光る映像です。

連続して上がる花火のようでもありますね。 細い角度に組んだ二等辺三角形のミラーシステムは、多くの作家さんが取り入れているミラーシステムですが、レイノルズ夫妻の作品の映像は、他の誰とも違う個性があります。
オイルセルを横からのぞいて見ると細かいガラスオブジェクトやビーズが見えています。 それらはガラスの破片のようなものだったり、ガラス棒を折ったものだったりと、特別なものではなさそうですが、何が印象の違いを生むのでしょうか?

色と煌めき、そして流れのスピード感がある映像の変化です。 夜空に開いて消えていく大輪の花火のように、一瞬の美しさを残像として印象付けながら、変化していきます。 でも花火と違って、消えていくことはありません。 オイルの中での動きのスピードを考え、オブジェクトがなるべく均一に存在するような密度を考えてのオイルセルの作りかたなんですね。

マーク・レイノルズさんは、もう30年以上万華鏡を作っていらっしゃるそうです。 同じスタイルにこだわりつつ、一つとして同じものはない、鏡の生み出す細密画にずっと向き合ってきた作家さんです。 

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スクエアのデザイン  

2012-10-11 14:32:43 | 万華鏡ブログ

ステンドガラスの万華鏡作家 代永正樹さんの「「透匣・格子樹氷絞り」が届きました。 「すかしばこ」というように、透明なガラスの立方体を重ねたようなデザインです。全体に透明で、光が透過してくるのに、ミラーシステムは見えません。
初めて拝見したのは数年前の万華鏡展でしたが、ずっと印象に残っていた作品です。

上の四角いアイホールからは2種類のミラーシステムの映像が見えています。
一つは2ミラー4ポイントで、正方形に4つの模様が繰り返す映像です。

オブジェクトはバーナーワークによる丸みを帯びたガラス細工で、乳白色をすりガラス加工したものを多用しています。 それらが淡い発光するような色をまとうのは、色ガラスを通して入ってくる光の仕業です。
筒の底にオブジェクトセルが組み込まれており、背景は黒いガラス、側面は色の異なる8枚のガラスになっているため、ブルー、グリーン、パープルなどの色が乳白色のオブジェクトに映るのです。

もう一つのミラーシステムは 2ミラー2ポイントで、正方形の中に同じ模様が2つ見えます。 ミラーを組む角度が90度でこのような映像になります。

いずれもスクエアな映像でお洒落な雰囲気ですね。幻想的な雰囲気を生み出す、雪のような白い細かい粒は、とても細かいガラスビーズです。 大きめのガラスオブジェクトの背景でざぁーっと流れ、光を受けて独特の表情を見せます。

二つのミラーシステムは一部が接して組み合わされています。 視線をずらすと両方の映像が重なり合って目に入ります。

細かい正方形を連ねた市松模様の筒、四角いアイホール、四角い2種類の映像、"スクエア"をたくさん取り入れた、徹底してお洒落なデザインですね。

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秋の季節に  Felted kaleidoscopes by Sumiko Akatsu

2012-10-10 23:02:37 | 万華鏡ブログ

朝晩はだいぶ気温も下がり、ショーウィンドウを飾る洋服もすっかり秋色になりました。 そんな季節にピッタリ・・・万華鏡もほっこり温かみのある赤津純子さんのフェルト万華鏡「ボビン」をご紹介します。

美しいグラデーションですが、フェルトの加工の手作業には大変時間がかかるそうです。 さらにオブジェクトを選ぶのにも時間をかけて納得のいく作品が生み出されます。

大変薄く加工したガラスオブジェクト、細く引いたガラスオブジェクトなどが組み合わさり、透明感のある繊細な色模様を展開します。

女性らしさ、やさしさの感じられる映像ですね。 そしてなんとすっきりとした清々しさでしょう。

秋の空、秋の花々を思い浮かべるような映像に心を遊ばせる万華鏡です。

一つ一つ手作りの袋でくるまれ、作家さんの万華鏡に込めた温かい気持ちが伝わります。 

 

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どんぐりころころ・・・ Acorn by Phil Coghill

2012-10-09 19:41:00 | 万華鏡ブログ

今日は可愛らしいどんぐりの万華鏡です。 フィル・コグヒルさんの作品で、木目のきれいな作品です。 同じく、木で創られた紅葉の上にどんぐりを載せて飾ります。
丸みを帯びたどんぐりは、高さ8cmほどで、本体全体を回して映像の変化を楽しみます。

倒して見ると光を取り入れるセルの背景が見えています。 底の部分も木目の美しさがわかりますね。

ミラーシステムは正三角形に組んだ、3ミラーです。 
色とりどりのオブジェクトが光を通して、躍動します。

可愛らしい形に、どんぐりを集めた日々を思い起こして、郷愁を覚える万華鏡です。

 

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