万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

桜への想いを込めて

2012-03-30 23:35:42 | 万華鏡ブログ

今年は寒さが長引いたせいか、花の便りも遅めでしたが、やっと咲いてきましたね。 梅、桃、桜・・・心がうきうきしてきます。
今日は桜をテーマに万華鏡の映像を選んでみました。
上の映像は中村和正さんの作品です。 菱形に組んだミラーシステムにより、ふたつの映像が並び、呼応しながら変化する万華鏡です。 ふたつの映像が視野に無理なく映り込み、周りの色の流れまできれいに見えているのは、ミラーの角度や大きさが決め手です。 オブジェクトは角を削ったガラスピースで、少しオイルを入れたオブジェクトセルです。

次は清野一郎さんの桜です。 陶器の筒に桜の絵が描いてあるもので、映像も和の万華鏡らしい色合いの穏やかな桜模様ですね。 和の万華鏡展で見せていただいたものです。 清野さんは桜をテーマにたくさんの作品を創られていると思いますが、それぞれに違ったミラーシステムで、いろいろな映像があります。

静かな映像と言えば、細井厚子さん。 吸い込まれるような世界で花びらの舞う様子を見せてくれます。 言葉も音もなくはらはらと舞う桜に包まれて、しばし静寂の中にいる自分に気づくことでしょう。
何年か前の個展で拝見した作品です。

春色のガラスの筒の万華鏡は堀越順子さん。 映像もピンクに包まれています。 金色のオブジェクトがアクセントになって、可愛らしい印象です。

2ミラーの映像は、井野文絵さんから。 白い磁器の筒に桜の模様、こぶりで清楚な雰囲気が日本人女性らしい作品です。 井野さんの作品は外観もそうだけれど、中に展開する映像の色合いが和風なんですね。 繊細で落ち着いた色の組み合わせが独自の世界を見せています。

柔らかくてはかなくて、美しい映像は依田さんご夫妻の万華鏡です。 桜をテーマに何種類かありますが、どれも桜のイメージを優しく表現しています。 筒の色を取り込んで白い世界の中に桜の花が姿を変えながら咲き続けます。 依田さんの大切になさっている「一期一会」の楽しみを味わっていただけると思います。

6ポイントなのがちょっと気になるのは、マイケル・コリアさんの「チェリーブロッサム」です。
淡いピンクの筒にも桜の模様が「アメリカ的」にデザインされた作品です。 いつものように大きくてはっきりした映像ですが、大きめのセルと多様なオブジェクトの組み合わせによって、魅力的で楽しい映像を生み出します。

最後はスティーブ&ペギー・キテルソンご夫妻の「チェリーブロッサム」です。 ガラスの筒に桜の枝を焼き付けたフラワーシリーズのひとつです。 オブジェクトを創るのはペギーさん。 その美しさは個性的でありながら、多くの人を引き付ける魅力的な映像です。 日本の着物や文化に興味があるとおっしゃるだけあって、日本人の心にも響く色遣い、流れの中で楽しむ美しさを見せています。

まだまだご紹介しきれない気もしますが、いろいろな桜への想いを感じていただけたでしょうか?
万華鏡の嬉しいところは、これらにとどまらずに、姿を変えて素敵な映像を生み出してくれることです。
名古屋にある万華鏡ギャラリー「プリズム」さんでは、「花の万華鏡展」を開催中です。お近くの方はぜひ見に行ってください。

 

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

手の中で回す喜び

2012-03-15 22:35:24 | 万華鏡ブログ

引き続き依田さんの万華鏡フェアからご紹介します。
会場にはワイン樽の万華鏡を始め、ザ・ブリュースターカレイドスコープソサエティでの受賞作品など大きな電動式の作品もたくさん展示されています。 電動式というのは、内部の照明やオブジェクトセルの回転、バックグラウンドミュージックなど、スイッチ一つで動かし、映像の変化を楽しめる仕組みです。 投影式も、電動で楽しむ万華鏡も、依田さんの考案された作品は、素晴らしい精度で万華鏡を機能させ、一期一会の映像を生み出します。

その一方で、手の中で大事に回しながら覗く小さな万華鏡たちには、覗く人の気持ちに沿う温かさのようなものがあります。
上の写真はさまざまなガラスの筒から生み出された万華鏡です。それぞれの筒のデザインテーマに沿って、色合いを考えたオブジェクトが用意されています。

蓮の花をモチーフとした作品です。

透き通ったガラスの筒が新しくて目を惹きました。下町のガラスシリーズの新しい感覚の作品になることでしょう。

透明な青が映り込んで、青い光がゆらゆらと見えていますね。 とてもきれいです。

そのほか、思わず手に取りたくなるおしゃれな小瓶シリーズや、陶器のお人形シリーズも並んでいて、誰かに飾ってもらうのを待っている表情でした。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

龍が見る夢

2012-03-14 16:04:53 | 万華鏡ブログ

本日から伊勢丹新宿店 本館で始まりました依田満さん・百合子さんの万華鏡フェアに伺いました。
上の写真は、DMの写真にあった「龍が見る夢」という作品です。 想像したより大きく、丸い形、エキゾチックなタイルの模様が斬新な作品でした。
2枚の円盤状のタイルはイタリアに特注なさったものだそうで、それぞれ異なった模様が描かれています。 間には表情のある白っぽいガラスを使い、装飾はんだでとてもきれいに仕上げてあります。
いろいろな素材を使いこなす依田さんですが、この作品もまた陶器のタイルとガラスを組み合わせ、ガラスの台に載せてある、ユニークで、とても素敵な作品です。

上の覗き口から見える映像は視野いっぱいに広がる2つのマンダラ模様。

電動でオブジェクトセルが回転し、目の前で鮮やかに変化する色模様に引き込まれます。
投影式の万華鏡の映像は光を通過しながら静かに像を結びますが、こちらの万華鏡のオブジェクトは光を受けて輝き、圧倒的な迫力で迫ってきます。 どちらも素晴らしい!

反対側の模様は太陽のような模様ですね。

そして手前の万華鏡もまた不思議な覗き箱のようです。 こちらも手描きのタイルを両サイドに使い、間には泡の入ったような表情のガラスを使っています。

覗いて、手前のスイッチを引くと、中にライトアップされた万華鏡模様が見えています。

この作品の面白いのはオープンになったミラーの第3面から映り込むタイルの模様です。電動で回転するのにしたがって、映り込む模様も変化します。 中心映像プラス周囲の映像が変化し続けるので、見ごたえがあります。

そして依田さんご夫妻がずっと開発に情熱を傾けてきた 投影式万華鏡「映華鏡ボックス」も展示されています。
透明なアクリルのボックスに、映華鏡、替えのオブジェクトセル、替えのミラーシステム、替えのレンズが組み込まれ、 箱に収まるようにスマートに作られています。 展示会の会場はかなり明るいのですが、それでもきれいに色模様が映し出されています。 
長野、富良野、浜田などでの投影式万華鏡展で見せていただいた素晴らしい映像空間は、この小さな万華鏡の組み合わせでした。 

一つ一つの問題点をクリアーしながら、ここまで到達なさったことを伺い、このボックスに込められた技術の素晴らしさ、依田さんの想いをお伝えしたいと思いました。 

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

♪咲いた咲いた♪麻衣花 

2012-03-13 21:16:16 | 万華鏡ブログ

先日(1月30日)、ご紹介した沼尻のんさんの「麻衣花」です。 たくさんの色で咲きそろいました。

今日は、それらのすてきな映像をいくつかご紹介したいと思います。

沼尻さんの作品を見ていると、思い切りの良さと大胆さを感じることが多いのですが、それらの作品の映像表現となると、繊細な気配りと優しい色遣いに驚きを感じることがしばしばあります。
「和」を無理に演出するのではなく、さりげなく、しかし確かに日本的な美意識で生み出された「万の華」の映像は、日本人の人たちにもきっと喜ばれるに違いありません。 

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

佐藤元洋さんの世界を仙台で

2012-03-09 21:09:58 | 万華鏡ブログ

佐藤元洋さんから個展のご案内をいただきました。
地元仙台での初個展だそうです。 吹きガラスの作品と、万華鏡で佐藤さんの世界を見せてくれることでしょう。

「ガラス工房 元 作品展」
  ―ガラス・万華鏡の世界―

ゆらゆらと重なりあうガラスの色たち
優しく揺らぐ万華鏡は見る者の心を華やかにすることでしょう。

晩翠画廊
仙台市青葉区国分町2-3-13 

3月20日から3月25日まで、期間中佐藤さんは在廊だそうです。

仙台でも大きな被害のあった大震災から1年。 ガラス工房を始めて軌道に乗りつつあった時期に大変な思いをされ、その中で作品を創り、被災地での万華鏡手作り教室を主催し、万華鏡の楽しさや美しさを伝えてきた佐藤さんです。 生み出された作品にも、きっといろいろな思いがこもっていることでしょうね。

多くの方に見ていただき、佐藤さんのガラスの魅力を味わっていただきたいと思います。

 

Comments (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春の訪れとともに依田さんの万華鏡フェア

2012-03-05 15:05:21 | 万華鏡ブログ

柔らかいピンクとグリーンが春らしい映像は依田満さん・百合子さんご夫妻による「華ふぶき」です。
万華鏡映像を囲むように淡い色や花びら模様が映り込むスタイルは、依田さん独特のミラーシステムによるもので、さまざまなテーマでの作品を展開していらっしゃいますが、その中でも桜シリーズは、日本人の心に深く染みいる作品で、多くの人に愛されています。

サンドブラストという技法で花びらを浮き上がらせた白いガラスの筒は、内側に淡いピンクとグリーンが混ざっていて、全体の姿に優しい色を添えています。
ミラーシステムは三角形の一面が開いていて、そこに外のガラスが映り込むために、周囲の柔らかい模様が生まれます。

オブジェクトセルが全く見えない構造で、しかも大変小さいわけですが、限りなく美しく変化する5ポイントの映像の、何と多様で美しく、はかないことでしょう。

春の訪れを感じるこの万華鏡のご紹介とともに、うれしいお知らせです。

3月14日から19日まで、依田さんご夫妻の万華鏡フェア「心の中に居る 龍が見る夢」が開催されます。場所は 伊勢丹新宿店本館6階 ステーショナリー です。 

「幸せの国では、心の中に龍が居て「経験」を食べて大きくなるというお話があるそうです。
あなたの心に居る龍は、どんな夢を見ているのでしょう 」というDMのメッセージ・・・・期待してしまいますね。

新作と今までの受賞作品など、依田さんの万華鏡をたっぷりと見ることができ、購入もできる素敵な機会です。 ぜひ、多くの方に見に来ていただきたいと思います。 お薦めです。

 

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする