万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

まるーい万華鏡

2014-05-22 21:37:19 | 万華鏡ブログ

今日は丸くて可愛い万華鏡をご紹介します。 兼古麻衣さんの「Palette Scope (パレットスコープ)」です。
兼古さんは、さまざまなガラスの技法を学び、オリジナルの万華鏡を製作なさっています。 万華鏡作家さんとして活動なさる前から、ご縁があり存じ上げていましたので、2年前、自らのブランド Glass Nique を立ち上げたと伺ってから、ずっと作品を見たいなあと思っていました。 

このパレットスコープは形がユニークで可愛らしい姿に興味を持ちました。 直径7cmほどで、ちょうどボールを持つような感じです。 パレットのように、いろいろな色のオブジェクトが用意され、そこから生み出される色模様を楽しむ作品です。 これはグリーン系を中心に、いろいろな色彩を組み合わせています。

コロンと転がるくらい、本当にまん丸な万華鏡です。 上の部分が大きなオイルセルになっています。中のオブジェクトの組み合わせもいろいろあって、見ているだけで楽しくなりますね。
覗き口は底の部分にありました。

オブジェクトはバーナーワークで作られたガラスオブジェクトです。  透明なもの、不透明なもの、きらめきのあるもの、長くてくねくねしたものなど、オイルの中で混じり合い、絡み合って、いろいろな模様になります。
外から見ても、とてもきれいです。
 
ミラーシステムの長さがかなり短いので、レンズで焦点を合わせますが、奥行きがあるセルなので、見え方も一様でなく、立体的に見えています。 

ミラーの筒の大きさに比べてとても大きなオブジェクトセルで、たっぷりとオブジェクトが入っているのは、ちょっと贅沢な気分です。

それだけたくさんの模様が生まれるということですからね。  飾ってきれい、覗いてきれいな万華鏡です。

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HOSONO MAGIC

2014-05-13 21:03:07 | 万華鏡ブログ

この映像は細野朝士さんの最新作"Fシリーズ"のものです。 ステンレスのシンプルな筒で、偏光万華鏡というスタイルは変わりませんが、また"細野マジック"で、新しい映像表現です。

上の2枚の写真、どこか今までの映像と違う気がしませんか? 背景が白っぽく、透き通るような淡い色合いの模様になっています。

筒を回しているうちにいつもの偏光万華鏡のような鮮やかな映像が黒い背景に浮かび上がってきます。

また筒を回すと灰色っぽい背景に柔らかいピンクやグリーンが見えてきます。

このように背景の色が変わり、映像の雰囲気もどんどん変わっていくのが、この作品の特徴です。
オイルセルなので、オブジェクトの一つ一つがゆっくり流れるように動き、重なりあい、光を通して思いがけない色が生まれて来ます。

偏光万華鏡の世界にまた広がりを生み出した細野さんのマジックに驚き、映像の変化に目を奪われて、いつまでも覗いていたいと思わせる作品です。
今回は5ポイントですが、ミラーシステムにも広がりを持たせ、これからいろいろな楽しみを用意してくださると思います。
まさに、コージー・ベーカーさんが万華鏡について著わしていた"Wonder” に満ちた万華鏡だと思います。

 

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ピンクのバラの万華鏡 

2014-05-08 16:02:50 | 万華鏡ブログ

バラの花が美しい季節になりました。 3年前にもご紹介したローラ・ワイルドさんの「メンドシーノ・ローズ」という作品です。 外観は大きなピンク色のバラの写真をアクリルの筒に組み込んでいます。 透明な筒に大きなオブジェクトセルを貫通させていて、光も十分に取り込めるようになっています。 シンプルな造りですが、覗きやすく、楽しめる万華鏡です。

ローラさんの作品は、大きなオブジェクトセルにたっぷりと表情豊かなビーズなどのオブジェクトを選んでいて、映像がとてもきれいです。 オブジェクトセルを回したり、左右に動かしたりして映像の変化を楽しみます。

美しいバラの花のような映像表現をお楽しみください。 光沢のあるビーズが柔らかい光を感じさせます。

グリーンとピンクの映像が次々に形を変え、生まれます。 

バラのリースのような映像も素敵ですね。 

大きなビーズと細かい粒ビーズを組み合わせるなど、映像は立体的に映り込みます。

オブジェクトの選び方にも個性を感じる作家さんです。 久しぶりに今年のコンベンションでお目にかかれそうで、楽しみです。

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光と色の不思議

2014-05-04 17:53:44 | 万華鏡ブログ

明るい光に満ちた一日でした。 そんな日は、空も花も木々の葉も美しい色になって私たちの目を、心を、喜ばせてくれますね。
光には色がないのに、光は色を生み出すことに、改めて感動を覚えます。

今日は、私が日頃から文章も素晴らしいと思っている染職家、志村ふくみさんの著書から少し引用させていただきながら細野朝士さんの万華鏡映像をご覧ください。

色彩

色はどこから生まれてきたのだろうか。

宇宙から射す光は、空や海を染める。
その青藍(あお)は、無色であり、透明である。
太陽や、夕焼け、火の真紅(あか)も人間の手に触れることはできない。

その色は神々から与えられた宇宙の色なのであろう。
しかし、光がこの大気圏に入ってくると、さまざまな事象(こと)や物質(もの)に出会い、光は戸惑い、傷つき、ちりぢりに分かれる。

その分散された光は地上のすべての色となって現れ、生類に与えられた色は、命ある限り輝き、死と共に消滅する。

志村さんは 色彩を生み出す光の神秘を分かりやすく、そして謙虚に、心に響く言葉で伝えていると感じます。  染色という色を生み出す仕事の過程で、光の恩恵を思い、自然から色を取り出すことを考えてきた人間の技、工夫の素晴らしさを教えてもらいました。 その糸を織り上げる技と生み出される模様にも圧倒されます。 今日、細野さんの作品を拝見しながら、この文章をお伝えしたくなりました。

この万華鏡はオーロラシリーズ の1点で、2ミラー7ポイントの映像を見せる作品「O7W」 です。 筒はシンプルなスタイルで、オイルセルの背景は透明な黒です。
正面からの光を受けて、光の明るい日には特に、鮮やかで、繊細な映像を展開します。 すべて同じ万華鏡で見ることのできる色模様です。


細野さんの万華鏡映像は、まさに光が筒の中に創りだす色です。 どうしていつもこんなにきれいなのか・・・ 偏光のなせる技とはいえ、色のないオブジェクトからこれほど多彩な色彩を生み出すことにいつも驚き、その変化に目を奪われてしまうのです。

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5月って素敵  Mqy Celebration by David Sugich

2014-05-01 22:16:08 | 万華鏡ブログ

デビッド・スーギッチさんの「May Celebration」です。 5月を祝うという意味でしょうか? この季節を迎えて喜ぶ気持ちを表現する万華鏡です。
大きな三角錐の先端には3本のワンドがついています。 オブジェクトはこのワンドの中を流れる細かいビーズです。

筒の3面のガラスのうち2面はグリーンですが、もう1面は白いイリデッセントガラスです。 この白いガラスから光を取り込んで明るい映像が浮かび上がります。

覗き口は大きな三角形で、中には花の咲き乱れる景色が見えています。

先端に見える球体にオブジェクトが映り込みます。 テイパードミラーシステムと呼ばれる先の細くなった鏡の筒は、立体的な映像を創りだすのです。
周りに見えるたくさんのアイリスやひなげしの花は、鏡の反射が生み出すものですが、目の前に迫ってくる力強さが感じられます。

奥行きのある映像で手前は少しボケていますが、実際は花も蝶もすべてくっきりと見えています。 
手前の蝶に焦点を合わせるとこんな感じになってしまいますが・・・

初めてこのタイプの万華鏡を見たのは20年ほど前のことで、まだミラーの仕組みも現代の万華鏡のこともあまり知らない時でした。 とてもびっくりして、いったい中はどうなっているんだろうと悩んだことを思い出します。 スーギッチさんのワンドスコープは、その頃から日本人を驚かせ、ワンドを変えて楽しめる作品がたくさん販売されました。  
最近も立体的な3D映像で、驚きをもたらすような作品を創り続けています。 ご本人がとても体格の良い方なので、作品ももっとずっしりと大きくなっても気にならないようです。 覗き続けるのがちょっと大変ですが、その分迫力と面白さもあり、鏡の生み出す不思議を見せてくれます。 今度のコンベンションで新作を拝見するのがとても楽しみです。

 

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