万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

コージー・ベーカーさん コレクションの思い出

2016-02-29 10:43:42 | 万華鏡ブログ

万華鏡のファーストレディと呼ばれるコージー・ベーカーさん。 万華鏡に出会ってすっかり魅せられて、それから先の行動はとてもエネルギッシュで、アメリカで生まれた現代万華鏡の萌芽を自分の足で見出してまわり、その流れを大きなうねり「カレイドスコープ・ルネッサンス」に変えた方です。 
万華鏡のコレクターとして、数多くの作品を集め、作家を育て、作品を紹介する万華鏡展を主催したり、本を出版したりして、現代のアート万華鏡の素晴らしさを知らしめました。

彼女の自宅はメリーランド州ベセスダにあり、そこは生前、多くの作品を飾り、希望する人に見せてくれるホーム・ミュージアムでした。
別荘風なたたずまいのお宅は、緑に囲まれた斜面に建てられていて、温かい雰囲気の素敵なところでした。

家じゅうのどの部屋にも万華鏡が飾られていて、万華鏡ファンにはたまらない素敵な場所でした。 今はもう無いことが残念でたまりません。
もう一度行ってみたかったなあと今更ながらに思う場所です。

この写真は2005年にストラスモアでの20周年記念の万華鏡展に合わせて、ベーカーさんの自宅に集まったときのものです。 あちこちに素晴らしい万華鏡が置いてあるのがわかるでしょうか?

こちらの写真は、その時にお庭で撮影されたもの。 ベーカーさん(右から3人目)と9人のアーティストたちです。 ブリュースターソサエティに最初から参加していたアーティストの方たちだと思います。 今も活躍なさっている方たちも多いですね。 (左から、デヴィッド・カリッシュさん、チャールズ・カラディモスさん、コーキー・ウィークスさん、エリック・ヴァンコートさん、シェリル・コックさん、ジャニス・チェスニックさん、ニーチャプレマさん、コージー・ベーカーさん、キャロリン・ベネットさん、スー・ロスさん)

こんな素敵な場所のあったことをお知らせしたくて、いくつかの写真を載せてみました。
光がたっぷり注ぐ広々した居間にはあちこちに座ってくつろげる場所がありました。

こちらの棚にはとても貴重なアンティークが並んでいます。 ブリュースター卿のデザインしたものや、ブッシュ・スコープ、19世紀に作られた万華鏡の数々。

こんな風に飾るのも楽しくて、きれいですね。

壁面やその前のスペースにもたくさん飾られています。 それぞれの作品が存在感を主張しながら並んでいますね。

窓辺のテーブルにも、戸棚の上にも、窓際にも・・・・

この場所で見ると、一つ一つの作品の大きさが実感できませんが、結構大きなものが並んでいますから、相当広い場所だったんだなと思います。

本当にたくさんの作品をもっとちゃんと鑑賞してくればくればよかったとつくづく思っています。 撮影していない素晴らしい作品もまだまだあったはずです。 それらはベーカーさんが残してくれた本で見ることができますから、そのことをベーカーさんに感謝したいです。
実際の作品はベーカーさんのご遺族のもとに、またコレクターのもとに分散されたと聞いていますが、日本では仙台万華鏡ミュージアムで見ることができます。

こちらにお邪魔した時はいつも興奮状態で、写真もなかなかちゃんと撮れていないのですが、それでもこの場所を記憶と記録にとどめたくて撮影した写真をムービーにまとめました。 よかったら見てください。 8分弱です。

https://youtu.be/XrWstJW_kKk

 

 

 

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蝶の舞う万華鏡に花を咲かせましょう

2016-02-24 15:04:50 | 万華鏡ブログ

色鮮やかな蝶が舞う万華鏡をご紹介します。 ジュディス・ポールさん・トム・ダーデンさんご夫妻の「ダイクロ・バタフライ」です。 ダイクロイックガラスとクリアなガラスを重ねて蝶の姿にカットしたものを筒に飾ります。 定番シリーズ「ストーリー・スコープ」の一つです。

黒いパウダーコーティングを施した筒に立体的に浮かび上がる蝶がアクセントになっています。 オブジェクトセルはいつもの通り、オイル入りでテーマに合わせたオブジェクトがたくさん選ばれています。いろいろな蝶が見えていますね。

そして、彼らの作品はすべてインターチェンジャブル(交換可能)なオブジェクトセルなので、このように外して中を見ることができるのも特徴です。
ジュディスさんが選んできた組み合わせは、いつもユニークで素敵な映像に生まれ変わります。

蝶の間に流れるように動く小さな粒ビーズは、見え隠れするだけでなく、大きなオブジェクトに覆いかぶさるように動くこともあり、変化の楽しさを見せています。

オブジェクトの大きさや質感のバランスをいつも考えているジュディスさんのセルは、少しセルを回しただけで大胆な変化があり、万華鏡映像の面白さを教えてくれると思います。

この筒に花をテーマにしたオブジェクトセルを組み合わせてみるとどうでしょう? パステルカラーのきれいな薔薇がテーマのセルです。

同じミラーシステムから、全く違った雰囲気の映像が生まれます。 


こんな風に、インターチェンジャブルな万華鏡を200パーセント楽しむのはいかがでしょうか。

これらの作品は 流山市の万華鏡ギャラリー 寺田園茶舗 見世蔵 で開催される「万華鏡 スプリングコレクション」でご覧になれます。
3月2日から27日まで(祝日を除く月、火休館) 10:00~17:00   電話 04-7103-2817

ぜひ、この万華鏡を覗いて春を感じてくださいね。

 

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辻美里さんの万華鏡 「オリエンタル」 そして10年の想い

2016-02-01 20:01:43 | 万華鏡ブログ

今日ご紹介する作品は、辻美里さんの「オリエンタル」という作品です。 おばあさまの辻輝子さんの窯で焼いた作品と伺っています。 
辻輝子さんの万華鏡の筒に美里さんが映像を担当なさった魅力的な作品も何度か見たことがありますが、そのようなチャンスは最近あまりなく、残念に思います。

この作品はすべてをご自分で制作なさったもので、丸みのある陶の筒にマンダラ模様が描かれていて、エキゾチックな雰囲気です。裏側にも別のマンダラ模様が描かれ、美里さんのサインも入っています。 やわらかい陶器の色、丸みのある形、滑らかな質感から、やさしい印象を与える外観です。

映像の作り込みも丁寧で、ソフトで淡い色が重なり合う様子は、日本人らしい感性を表現していると感じました。

淡くて、やさしい色の8ポイントの映像が2ミラーシステムから生み出されています。 オブジェクトはバーナーワークによるガラス細工が中心になっています。 透明感のあるもの、半透明なものが混ざり合って、魅力的な映像表現だと思います。 重なりながらも繊細さを映し出すところに、とても惹かれます。

この万華鏡ブログは、2006年2月8日にスタートしました。 もうすぐ10年! 始めたころは万華鏡の情報も少なく、作家さんがいることもあまり知られていませんでした。 個性あふれる魅力的な万華鏡の存在を知っていただきたくて始めたことでしたが、作家さんも増えてきて、ご紹介したい作品もたくさん生まれてきて、毎日のように更新していた時期もありました。
今では皆さんが情報発信なさるようになり、たくさんの情報が苦労なく集められるようになりました。

素晴らしいことだと思います。 万華鏡は目で見る音楽のようですから、美しい映像はその魅力の存在を伝えるのに良い手段です。 
一方で、ブログを書きながら、伝えられずに残念に思うことも多々あります。 オイルセルの流れには早いもの、遅いものがあるし、ドライオブジェクトの音は作品によって違います。どこまでも深く続く映像の奥行き、キラキラした輝き、素敵な金色や銀色などなど人間の目で見て初めてその良さが分かることも多いです。 本当はもっと素敵なのに・・・と思いながら記事を書くこともありました。

そのあたりのことは万華鏡好きの方なら、もう十分わかっていらっしゃると思います。 
もし私のこのブログで興味を覚えて下さったら、ぜひ次に万華鏡を見かけた時手にとって覗いて見てください。 
もし、あなたがお気に入りの万華鏡をお持ちでしたら、ぜひお友達やご家族に見せてあげてください。
それでも見きれないくらいの模様がまだまだ未来に存在するのです。 
光や気持ちで変わる印象に驚かれることもあるでしょう。 作品の中にアートと科学が融合していることを感じたり、最新技術や素材から生まれるユニークな作品に驚いたり・・・ 万華鏡って奥が深いなあとつくづく思います。
作家さんが想いをこめて創った作品が、見る人に幸せな気持ちをプレゼントしてくれることを、これからも皆さんとシェアできたら幸いです。

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