万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

新緑の季節に

2015-04-30 18:16:03 | 万華鏡ブログ

萌え出ずる緑の美しさに目を奪われるこの頃。 
今日ご紹介するのは美しいグリーンの世界を展開する万華鏡で、兼古麻衣さんの工房GlassNiqueから生み出される「カレイドリリー」シリーズの1点です。

掌に載る小さな万華鏡ですが、見える世界は広い・・・ 従来のカレイドリリーとはちょっと違って、オブジェクトセルは背面が透明で、中のオブジェクトも良く見えています。 

一つ一ついろいろなグリーンやホワイトなどで丁寧に作られたこのオブジェクトたちが生み出す映像は、爽やかで清々しく、3ミラーシステムを通して見る映像は、どこまでも広がりがあって、緑の世界に包まれるようで、気持ちが安らぎます。

ガラスの中にメタルオブジェクトのきらめきをちょっと添えてお洒落な感じの映像ですね。

こちらは柔らかいクローバーでしょうか。 
新緑の季節が過ぎても、この万華鏡ならいつでも萌え出るグリーンの世界を、いろいろな模様で見せてくれることでしょう。

「カレイドリリー」はいくつかの色のバリエーションで提供されている万華鏡です。 手に取った時、1点ずつ丁寧に気持ちを込めて製作なさっているのがよくわかります。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

琳派四百年記念万華鏡展に先駆けて

2015-04-21 14:30:10 | 万華鏡ブログ

琳派四百年を記念する展覧会がいろいろな美術館で開催されています。 具体的には琳派の祖の一人,本阿弥光悦が京都鷹峯に芸術村を拓いて400年ということのようです。本阿弥光悦、俵谷宗達、尾形光琳など京都に生まれたこれらの素晴らしいデザイナー達の革新的な感覚は今でも私たちに感動を与えます。その琳派400年を記念して、京都万華鏡ミュージアムも万華鏡でアピールしています。
上の写真は俵屋宗達の有名な風神、雷神図をあしらった万華鏡です。 覗いて見るとこんな映像が見えています。

先日、東京駅近くの京都館での催しで、京都万華鏡ミュージアムの展示に先駆けて拝見しました。

杜若をあしらった電動の万華鏡です。上から覗くと細かいきらびやかな模様が展開しています。

ふたつのマンダラ模様を中心に、きらめきながら変化するとても美しい映像です。

本格的な京蒔絵の美しい筒に日本を代表する万華鏡作家、山見浩司さん(中央)と中里保子さん(両脇の2本)が命を吹き込みました きらびやかで美しい映像は、筒の外観からのイメージともみごとに響き合って、素晴らしいアート作品になりました。(作家名を間違って記載しましたので、訂正いたしました。4/22)

漆と金箔をあしらったお洒落な手持ち型の万華鏡は、しっかりした紙管を使って、豪華な印象ながら、親しみやすい作品になっています。

ミラーシステムやオブジェクトも一つずつ違っていて、どれも覗いていただきたいです。そのうちのひとつ。幻想的な輝きに満ちています。

 次は琳派ではありませんが、京都といえば北山杉が有名ですね。 磨かれた北山杉の筒に、中里保子さんが命を吹き込みました。
着物地の素敵な入れ物と小さな枕のようなクッションが付いていて、飾る時もしまう時も大切に万華鏡を守ります。

 

滑らかな手触りの筒を回しながら、映像の変化を楽しみます。繊細で美しい映像は日常を離れて別の世界へ連れて行ってくれるようです。

京都の美しい織物をあしらった万華鏡も並んでいます。 日本人ならずとも心惹かれる和のデザインは、万華鏡デザインとしても素敵ですね。 生地の雰囲気に合わせて、丁寧に考えられたオブジェクトが見せるのはどんな世界でしょうか? 一つ一つ覗いて楽しんでいただきたいです。

桜の図柄の作品を覗いてみました。 こちらは華やかな世界でした。


『琳派四百年記念万華鏡展』は、 5月1日から6月21日まで京都万華鏡ミュージアムでご覧になれます。  (入館料:大人300円、小中学生200円)

2年後、2017年にはこの京都市で、万華鏡の国際的組織、ブリュースター・カレイドスコープソサエティーのコンベンションが、初めてのアメリカ国外の大会として催されることが決まりました。
国際的な万華鏡大会! どうぞ楽しみにしていてください。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ガラスの表情を楽しむ ‐松宮真理子さん万華鏡展より‐

2015-04-11 20:51:31 | 万華鏡ブログ

昨日に続き、松宮真理子さんの万華鏡展から、いくつかご紹介したいと思います。
どんなガラスを選び、どんなふうに使うのか、ステンドガラスの作品の場合、そこに個性が出てくると思いますが、松宮さんのこだわりは、時に自らガラスを焼いたりフュージングしたりして、独自の表情を出しながら、万華鏡のデザインにしているところです。

「Forestシリーズ」新作にもそんなガラスが使われています。 直線とカーブで構成されたステンドガラスの作品です。嵌め込まれたガラスの表情を映像の周りに映し出すようになっていて、それぞれが違った雰囲気になっています。

そのうちのひとつ、輝く美しい緑が映像を囲んでいる作品です。繊細な模様がきれいですね。

「神楽シリーズ」は以前から作っているものですが、新しい形です。 カーブをつけたパネルは、サンドブラストで模様を浮かび上がらせ、ハンダ付けを最小限にとどめた造りになっています。 模様が刻みこまれた美しいガラスの外観に目を惹かれます。

横に大きく広がりのあるミラーシステムからは、視野いっぱいに大きな映像が見えています。

3点それぞれに少しずつ異なった色合いのエキゾチックな模様で、神楽の世界を表現します。

次の作品は「Mille feuille シリーズ」です。 オブジェクトセルが層になっているところから、付いた名前です。 赤い方は2ミラーシステムで、花咲くような映像です。 緑は4ミラーシステムで爽やかな印象です。

こちらは「Rondo」シリーズ。 六角柱の筒に組み込まれたミラーシステムは二等辺三角形で6ポイントがきれいに出た映像と、周囲には重なり合う映像が複雑に組み合わされています。

くっきりと描かれた万華鏡模様が個性的だなと思いました。

昨日ご紹介した作品も今日の作品もテーマごとに外観だけでなく、映像の表現にも多彩さ、多様性があって、それぞれに作家さんの込めた意味があることを覗きながら感じました。

 

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

宇宙を覗く  ‐松宮真理子さん万華鏡展より‐

2015-04-10 23:13:46 | 万華鏡ブログ

銀座のギャラリー「木の香」で開催中の松宮真理子さんの個展に伺いました。 
ガラス遣いに独特の個性がある作家さんで、毎回どんな作品があるのか楽しみにしています。
お洒落な外観と中に展開する世界の両方を楽しめるのが万華鏡の良いところだと思いますが、松宮さんの作品からも、多様な世界観を見せていただきました。 
今日は新作を中心にご紹介します。

上の2作品は「Jupiter」 です。 表情のあるガラスを使って、重厚なパーラー型の万華鏡です。スタンドの部分は、昨年コラボレーションの大作「Vega 」を製作なさった金属工芸の大家、手銭吾郎さんが製作してくださったそうです。 
宇宙を覗いているような映像展開は、松宮さんのテーマの一つです。 黒い中から生まれてくる光と線の流れる模様が美しく、それがまた黒い中に消えていく様子に心奪われる展開です。

「天体観測」 というシリーズは、宇宙の深淵に引き込まれ、その深い世界に没頭できるからでしょうか、とても人気があるそうです。 
今日はそのうち、「天体観測 Aurora」 という作品をご紹介します。

これらの作品は、一部に光を透過するガラスを使い、その色味がオーロラのように映像の周りを飾ります。 外観の色からは想像できない世界が展開するのです。

大作「Vega」 も また覗くことができました。 繊細な模様が表れては消える、その一瞬をとらえるのが難しいです。 また写真では上手く表現できていないのが申しわけないのですが、実際に視野全体に広がる世界を見て、感じていただきたい作品だと、つくづく思います。

 

明日は光に向って覗きたい明るい映像の写真をご紹介したいと思います。
「松宮真理子 万華鏡展」は4月12日まで開催しています。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

透匣 

2015-04-02 16:38:01 | 万華鏡ブログ

代永正樹さんの不思議な万華鏡「透匣(スカシバコ)」をご紹介します。ご覧の通り、細かい透明な色ガラスのパネルをつないだ外観で、外から見た筒の内側は透明な仕切りのある空洞のように見えています。
でもこの筒の中には2種類のミラーシステムが入っています。

背中合わせに組み込まれた2種類の2ミラーシステムなので、覗き口はひとつで、半分ずつ覗きます。

代永さんの四角い筒の作品は市松模様のようなスクエアなイメージで、映像もスクエアな4ポイントです。
オブジェクトセルの周囲に色ガラスを使うことで、横から入り込む光が色づいてオブジェクトに光の色を添えます。

また偏光素材も使っているので、太陽光の下で見ると鮮やかな虹色が見えます。
代永さんの説明によると、「万華鏡の先に鏡、または白い紙を置いて万華鏡を覗くと、セルの横からの直射光と下からの反射光の両方が面白く当たり、新鮮です」とのこと。 さっそく試したら、本当に色の変化が豊かで、まだ独特な雰囲気なので、飽きることなく見続けてしまいました。 代永さん自身も今回は少し華やかなイメージになったとおっしゃっていました。

 

もう一つのミラーシステムは2ミラーシステムで2ポイントの映像です。こちらもスクエアな映像です。 

この2種類の映像を意識的に覗く方向をずらして、それぞれ楽しむわけですが、ずらす際に両方が一度に見えるということもあるわけで、それはそれで面白いものです。
写真でもこんな風になりました。

偶然ですが、次の写真は花の周りに飛ぶ蝶みたいに映りました。

透明感のあるステンドガラスの筒の中に展開する思いがけない色模様に、万華鏡の面白さを改めて感じます。

 

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする