万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

冬の華(1)

2007-11-28 13:53:27 | 万華鏡ブログ
ローラ・ワイルドさんのウィンターコレクションから、「コラージュシリーズ/冬」の映像です。ローラさんの万華鏡映像の特徴は大きなオイルシリンダーにたっぷりとオブジェクトを入れていること、レンズの使用でくっきりと大きな映像を展開することです。いつもそうなのですが、大きすぎて全部を写しきれないほどです。
この写真でも上下少し欠けていますが、実際には丸い映像がきれいに浮かび上がります。
テーマに沿って万華鏡の外観と内部映像を創り上げるタイプの作家さんですので、この作品はタイトルどおり、「冬」の冷たいイメージをきれいな華として表現しています。ブルーや銀色を中心に、寒色系の映像が展開しますが、六角形の雪の結晶でしょうか、中心の映像の周りを囲む細かい模様が華やかさを添えています。ミラーシステムにちょっと工夫を加えた演出です。
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万華鏡 山見浩司展

2007-11-23 21:50:46 | 万華鏡ブログ
11月20日から12月2日まで国立駅近くの「アートの庭」で開催中の「山見浩司展」に伺いました。このギャラリーのオーナーの近江さんは、今までに万華鏡の個展を何度も開催なさっており、日本の万華鏡作家さんの作品の紹介に大変貢献してくださっています。
限られた空間全体を作家さんの作品で埋め尽くし、それらにじっくりと向かい合え、その作家さんの世界を堪能できる点が、このような場所での個展の嬉しいところです。
この日も山見さんの作品を拝見して、改めてそのガラス造形の美しさや映像の美しさを堪能しました。いくつかの大型作品は圧倒的な存在感と、大きくてシャープな映像に目を奪われました。この写真の作品「ミリアム」は、ゴージャスな雰囲気のガラス使いと、手の込んだホイール、ゴールドのパティーナがとても美しい作品で、2種類のミラーシステムが内蔵されています。
今回手持ち型の万華鏡で、大変美しい4点の「ジュエル」と言う作品が目を惹きました。
9月13日のブログでご紹介した作品のシリーズですが、内部映像がどれも大変美しく、心惹かれて何度も何度も見比べてしまいました。山見さんの技術が為せる技としか言いようのない、美しい映像で、今回の個展の案内状にも使われています。私の写真ではこの美しい映像をご紹介できず、とても残念です。
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森の中へ・・・・美しい映像展開

2007-11-22 23:18:02 | 万華鏡ブログ
ルーク&サリー・デュレット夫妻の「Into the Forest(森の中へ)」の内部画像です。二人の子供が森の中で出会うさまざまなものが表現されている映像が次から次へと展開します。丁寧に選ばれた本物の松ぼっくりやイトスギや木の葉を金めっきのように金色を被せ、さらに、ルークさんが色を塗ったりしたオブジェクトは、木々や葉を表現します。こんなに小さな松ぼっくりがあるんですね。チェコスロバキアのパールビーズは木の実など森の実りを表現しています。冷たい凍った輝きを生み出すのは、光沢をつけたセラミックのオブジェクト。それらが大きなオイルセルの中で動き回ると、物語が展開するように映像が展開します。
クリスマスらしい色の饗宴になるかと思えば、ゴールドの繊細な模様の広がりを見せ、深い森の緑も、冬の夜に輝く月の光も、星の明かりも見せる、そんな豊かで美しい表情とその変化に驚きと感動を覚え、深々と冴え渡る冬の夜の空気まで感じてしまう万華鏡映像です。
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森の中へ

2007-11-19 22:50:09 | 万華鏡ブログ
ルーク&サリー・デュレット夫妻の「森の中へ」は、本体が木目の美しい、ウェスタン・メープル材で組み立てられています。正面には二人の子供たちが森の中へ入っていく様子がレーザーカッティングで木版に表現され、ガラス窓の向こうに見えるようなデザインになっています。温かみのある図案と木のぬくもりが、心を明るくする、しかもとてもユニークなデザインの万華鏡ですね。
地元の木材を環境に優しい方法で処理し、万華鏡に活かそうとする姿勢は、子供達の世代に美しい地球を残したいという気持ちを実践したもの。 デュレット夫妻はきれいで楽しい万華鏡を提供することだけでなく、万華鏡に自分達の考えや希望を反映させ、少しでも多くの人の共感を得たいと思っているのです。
「私達はこのクリスマスの万華鏡に自分達の愛する大切なものをデザインし、クリスマスの意味を自分達なりに表現しようと思いました」とサリーさんは言っています。
もしこの万華鏡をご覧になる機会がありましたら、是非、そのような作家さんの想いを感じてほしいと思います。
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作家さんからのメッセージ

2007-11-16 22:56:04 | 万華鏡ブログ
デュレット夫妻のクリスマススコープ2007が発表されました。キリスト教以外の人も多い多民族国家アメリカでは、ホリデイスコープと呼ばれています。今回の万華鏡には、この写真の冊子が付いており、デュレット夫妻の万華鏡を通しての想いや希望が述べられていますので、万華鏡の好きな方々にお伝えしたいと思います。
この図案は切り絵作家マリー・へリーン・グラブマンさんが、サリー・デュレットさんの書いた物語の一場面を切り絵で創ったアートです。この図案が万華鏡の本体を飾ります。
この万華鏡はサリーさんの書いた物語「冬の夜の夢」の3つの場面に合わせてデザインされる3部作となるそうです。「森の中へ」と題された今年の作品は、その第1作めです。
この冊子の始めには、「息子のノア・アレキサンダーと世界中の子供達に捧げる万華鏡」と書かれています。
そして、子供達や続く世代に私達が残していく世界が平和に満ち、生きとし生けるものが全て慈しまれ、信仰や文化が違ってもお互いが尊重される世の中であるように願ってこの物語を考え、万華鏡を創ったと書いてあるのです。戦争に突き進む現政府のやり方を万華鏡を通して批判し、大切なものは何か訴えようとしているのです。こんな強いメッセージを秘めた万華鏡は初めてだったし、驚きでもあったのでサリーさんにそのことを伝えたところ、「私達おとなが行動を起こし、ノーモア!と言わないうちにどれほど多くの子供達が殺されているのかを問いかけている」というコメントが返ってきました。
万華鏡を覗いたら気持ちが安らかになったり、ハッピーになったりすることと、みんなが平和を享受することには、きっと通じるところがありますね。
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和の布との共演

2007-11-15 22:54:31 | 万華鏡ブログ
みずあめやさんの万華鏡展でずらりと並んだ小ぶりの万華鏡たちです。花々や動物、魚などをテーマに、手のひらに載るほどのサイズで、どれも可愛らしい作品です。筒の幅いっぱいにミラーを組み、レンズを使用しているので、外観のイメージ以上に大きな映像が展開します。
こうやって並べてみてなるほどと思うのは、それぞれの万華鏡に添えられた袋たちです。同じものはないですね。骨董市などで捜し求めてきた古い着物地や帯地を丁寧に解いて洗い、袋に仕立て直すという作業を、みずあめやさんは万華鏡製作と並行してなさっているのです。中綿入りで丁寧な縫製がなされているので、安心して万華鏡を入れておける袋です。
万華鏡の色や模様にあった生地を選ぶのは大変そうですが、ぴったりと合う袋に出来上がったときは、とても安心なさるのではないでしょうか。袋と合わせてのゆったりとした展示でしたので、興味深く拝見しました。よく眺めると、和服の布地のデザインの多様性や趣の深さに驚きます。たまには個性の強い布地デザインに引っ張られるように、万華鏡を作ることもあると伺いました。良く似合う袋を身につけさせてもらって、それぞれの万華鏡がとても居心地良さそうに見えませんか?
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パート・ド・ヴェールの万華鏡

2007-11-14 19:17:29 | 万華鏡ブログ
今日から始まった万華鏡工房みずあめやさんの「ガラスの万華鏡」展に伺いました。初めての個展ということで、いろいろな模様のガラス胎七宝の作品が並び、その上、パート・ド・ヴェールの作品やドライタイプの作品もあって、落ち着いた雰囲気の中、みずあめやさんの世界を堪能できる作品展です。
ご存知の方も多いかと思いますが、みずあめやさんは姉妹で万華鏡を作っていらっしゃいます。和の万華鏡をテーマに、女性らしいきめ細かな、丁寧なつくりの作品は、多くの人の共感を呼び、楽しまれています。
この作品はパート・ド・ヴェールの技法による「ノウゼンカズラ」をデザインした万華鏡。みずあめやさんの説明によると、石膏型にレリーフを彫刻し、色ガラスの粉を詰め、電気炉で焼成・融解して成型。焼成後、石膏型を叩き割って(!)ガラス作品を取り出し、表面を研磨して仕上げるそうです。研磨されたガラスはしっとりとした落ち着きのある表情で、やさしげな花が浮かび上がるとても素敵な作品です。この技法で作られた万華鏡はほかにも菊、波兎、雲竜などがあり、それぞれに合わせた着物地や帯地の手作りの古裂袋が組み合わされています。万華鏡を大切に保存できるのも嬉しいですが、この生地選びやきれいな縫製にも作家さんのこだわりがあり、ぜひ万華鏡と一緒に鑑賞していただきたいと思います。
この万華鏡展は、清澄白河駅から徒歩2分のTea Room Gallery「楽庵」で12月3日まで開催中。(火曜定休) 土、日、祝日の午後は作家さんも在廊です。いろいろな中国茶を楽しむこともできるゆったりとしたギャラリーです。
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不思議な映像

2007-11-13 23:44:31 | 万華鏡ブログ
昨日ご紹介の角敏郎さんの作品の内部画像です。鏡の反射だけでこんな風に見えるのは、ずいぶん万華鏡を覗いてきた今でも不思議でたまりません。
とてもユニークな映像はどうやって生み出されるのでしょうか。教えていただいたのは4ミラーのテイパードミラーシステムということでしたが、このような映像になるためのひとつひとつの鏡を組む角度の決め方や、ミラーシステム先端部のカットの仕方など、微妙な調整を重ねて、生み出されるものだそうです。
角さんは万華鏡の普及活動にも熱心で、日本万華鏡倶楽部や子供達のためのワークショップなどで、万華鏡製作の楽しさ、面白さを伝えています。子供の作品にはユニークな発想もあり、それを楽しんでいらっしゃる様子。見せていただいたそんな作品の意外な面白さに、私もびっくりしました。
デザイナーとして作品制作へ取り組み、子供のころから興味のあったという鏡の不思議さ、面白さを表現する、そして遊び心を失わない、子供の純粋さをも持ち合わせた作家さんだとお見受けしました。
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角敏郎さんのメタリックな万華鏡世界

2007-11-12 22:37:27 | 万華鏡ブログ
機械や器具のようなメタルワークの作品といえば、角敏郎さんの万華鏡です。これは、「Kaleidoscope #4 M01」という作品。オブジェクトセルの回転を伝えるギア、角度を調節する部品、セルに光を取り込むための鏡など機能的な仕掛けと、全体のデザイン性に角さんの個性があふれていますね。
金属の直線的な構成の中で、オブジェクトセルの透明な色と丸い形がバランスをとっている感じ。 角さんの作品は、ひとくちにメタリックと言っても、デザインは本当に多様で、それらを並べてみると、そのデザインの面白さがさらによく分かります。この作品はオブジェクトセルが表に出ていて光を取り込みやすいので、光源はセットされていませんが、ミラーシステムの先端部分に光が集まるように、反射用の小さな鏡が付いています。この四角い筒の中に組み込まれたミラーシステムから生まれるユニークな映像はまた次回ご紹介します。
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サンタクロースのプレゼント

2007-11-10 22:41:51 | 万華鏡ブログ
昨日ご紹介したジュディス・ポール&トム・ダーデン夫妻の「サンタ」の内部画像です。ひと言で言うととても楽しいオブジェクトセルです。サンタさんの袋の中を覗いたみたいな、玩具箱をひっくり返したような、夢のある映像です。
赤と緑を中心に、カラフルなオブジェクトが雰囲気を盛り上げ、次から次へと「楽しいクリスマス」を思わせる映像を展開します。
外に飾られたサンタさんも、もうひとりオブジェクトセルの中にいて、時々顔を覗かせます。
ジュディスさんたちの万華鏡には、とてもユーモアがあったり、笑顔を生み出す遊び心を表現したものがあります。世話好きで人をもてなすのが好きなジュディスさんと、優しくてまじめなトムさんの絶妙のコンビネーションで作られた万華鏡は私達にストレートに届くメッセージを伝えているように思います。「ほら楽しいでしょう?」って。
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