万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

見ても楽しいオブジェクトセル

2007-04-26 16:18:01 | 万華鏡ブログ
作家さんによってオブジェクトセルのデザインの仕方はさまざまです。一体どんなものが入っているのだろうと不思議に思っても中が全く見えないものもありますし、黒い背景で横から光を取り入れるタイプだとセルの横から覗き込んで一部分だけ垣間見えることもあります。作家さんだけが知っている秘密の楽しみということもあるかもしれません。
ジュディス・ポールさんのパーラー型の万華鏡はオブジェクトセルを取り替えて楽しむものがほとんどなので、ひとつひとつのセルが取り外せて、セルの中をじっくり見れる面白さがあります。オブジェクトのひとつひとつを手作りするタイプの作家さんではありませんが、その豊かな色彩センスとバランス感覚で、美しい映像を生み出すのです。
彼女はテーマにあわせてさまざまな種類の色や形を持つオブジェクトを選び出し、ガラス片と組み合わせます。この写真からも、そのバラエティーに富んだ、楽しさあふれる感じが伝わってくると思います。イメージス工房の一角で、たくさんのケースが並び、細かく区分けされたそれぞれのケースにたくさんのオブジェクト候補の細かいピースたちがきちんと整理されているのを拝見したことがあります。きっとわくわくしながら、いろいろ組み合わせて、セルを作りだされるのだと思います。
この写真のセルの大きな特徴にお気づきになられたでしょうか?右側と左側でオブジェクトの色合いが違っていますね。真ん中に透明な仕切りがあるのです。空気の泡だけが行き来できるだけの狭い空間しか開いていないので、双方のオブジェクトが混ざり合うことがありません。半分ずつの映像がミラーシステムを通してどのような映像にまとまるのか想像してみてください。
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胸元を飾る万華鏡

2007-04-25 19:46:20 | 万華鏡ブログ
ケビン&デボラ・ヒーリー夫妻はジュエリー万華鏡の作家として、第一人者です。この作品は、長さ3.2cmほどの万華鏡ペンダントです。
銀細工にガーネットが飾られたシンプルなデザインは、気楽に身に着けて楽しむジュエリーとして作られました。
小さくても本格的な造りが素晴らしく、映像も多彩で変化に富んでいます。
チェーンで首にかけたまま覗ける長さ。筒を回転してもチェーンが巻きつかない仕組みで筒の回転もスムーズにできます。直径8ミリの筒に表面反射鏡のミラーシステムを組み入れるのはさぞ大変なことでしょう。先端の小さなオブジェクトセルには、ガラスの極小オブジェクトが入っていて、光を受けて虹色に輝くガラスなど魅力的な色合いを展開し、映像の幅を広げています。
最近ますますその精度も高まり、高品質な作品を作り続け、美しい映像を生み出す彼らの技術には、恐るべきコピー商品も追随できない凄さを感じます。


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小さな万華鏡の中の驚くべき映像世界

2007-04-23 18:59:10 | 万華鏡ブログ
昨日ご紹介した「オフセットミニ」の内部映像です。
直径約2.8cmの小さなオブジェクトセルの中に閉じ込められたオブジェクトは、すりガラスの背景を通して外から見ることが出来ます。でも雑多な集まりに見える、その細かいガラス片からこれほど秩序だった映像が見えることにいつも驚かされます。
しかも同じ映像にはまずお目にかかれない多彩さ!
細かく複雑な映像、シンメトリーにこだわるカラディモスさんの万華鏡は、こんなに小さな作品でも、妥協はありません。2ミラーシステムですが、カラディモス作品の多くは、鏡のカットに角度をつけ、広がりのある組み方をすることで、映像が大きくシンメトリーがきっちりと映りこむようになっています。映像にこだわる作家さんならではの高い技術と工夫です。
1979年から一人で創り続けたガラス万華鏡は15000点を超え、そのデザインも100種類を超えるそうです。その経験に支えられた技術があればこその、素晴らしい作品なのですね。
工房の仕事台には「どうやったらもっと良い万華鏡を創れるだろう?」という言葉が書かれているそうで、まだまだ先を目指しているとおっしゃる作家さんです。目が離せませんね。
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チャールズ・カラディモスの「オフセットミニ」

2007-04-22 23:11:00 | 万華鏡ブログ
チャールズ・カラディモスさんの小さなタイプの万華鏡「オフセットミニ」です。ボディーはスランピングの技法により、ガラス面にずらすように段をつけているところから「オフセット」と言う名前がついています。手のひらに載るほどの小さな作品ですが、コーン型、2ミラー、ドライセルという基本的スタイルに、ガラスのデザインで個性を持たせた万華鏡です。
コーン型の筒は、先が広がった2ミラーシステムを包んでおり、このミラーシステムこそ、彼の映像表現のレベルの高さを物語るものです。
この作品は白いガラスにグリーン、オレンジ、イエローの色合いが混ざった爽やかな印象のガラスで出来ています。カラディモスさんの大型作品は、単色で、黒、赤、白などを使うことがほとんどですが、小さな作品は個性的な色模様のステンドガラスを使用してバラエティー豊かなシリーズ作品として制作しています。 外のガラスは同じ種類でも、その模様、内部映像はそれぞれ異なる一点ものといえるでしょう。小さくても、カラディモスさんの世界を満喫できる素晴らしい作品ばかりです。
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コージー・ベーカーさんのミニチュアコレクション

2007-04-20 21:43:02 | 万華鏡ブログ
この写真の部屋は、コージー・ベーカーさんのお宅の部屋のミニチュア・レプリカです。万華鏡コレクターであり、多くの素晴らしい万華鏡が家中に飾られているベーカーさんのお宅はハウスミュージアムとして、長い間、ブリュースターソサエティーの会員が訪問できる場所となっていました。
このステンドガラスのレプリカが作られたのは、1996年のこと。世界初の万華鏡展を成功させ、世界初の万華鏡本を出版し、万華鏡愛好家の世界的組織を立ち上げて運営してきたベーカーさんの功績に敬意を表しての会員からの贈り物だったようです。
この写真はそのほんの一部ですが、当時のベーカーさん宅の様子を忠実に再現したもので、万華鏡作家の方たちもそれぞれの作品のミニチュアモデルを制作し、プレゼントしたそうです。素晴らしいですね。
コージー・ベーカーさんは第一線を退きましたが、現在もお元気なご様子で、ザ・ブリュースター・カレイドスコープソサエティの名誉会長として、その活動を暖かく見守り、万華鏡を通して、人生や心のあり方を説いていらっしゃいます。
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辻美里さんの華

2007-04-17 19:36:59 | 万華鏡ブログ
辻輝子さんの彩陶による万華鏡は、自然の気配や息吹、草花の生命をその筒に表現します。陶芸家としての表現のエネルギーを凝縮した万華鏡の筒の内部に万華鏡映像を生み出すのは、万華鏡作家の方にとっても大変なことでないかといつも思います。この映像は「ばいもとひよどりじょうご」という2種類の植物を筒の裏表に描いた小ぶりな作品の内部映像で、辻美里さんによるものです。(酉福ギャラリーの写真にリンクします。)
美里さんの映像は、筒のデザインや色合いを意識しながら、独特のやわらかさで万華鏡の中に華を表現します。次々に生まれる華は、強く色を主張することなく、しかしその存在を主張していると感じました。納得のいく映像を生み出すまで、ひとつひとつ時間をかけて、オブジェクトを創り、組み合わせる作業をこなして完成した万華鏡は、もうひとつの命を与えられた作品です。
このような映像を楽しみながら、辻輝子さんの彩陶による万華鏡の世界に浸れるのは、個展ならではの醍醐味です。このような機会を与えてくださって感謝です。
この展覧会の情報はhttp://www.yufuku.net/index.htmlでご覧下さい。
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黒いオブジェクトが特徴の万華鏡

2007-04-16 18:27:48 | 万華鏡ブログ
今日ご紹介するのは、チャールズ・カラディモスさんの「アンビアンス」の内部映像です。 完璧なシンメトリーも美しいですが、今日取り上げたい特徴は、黒い直線や曲線となって見えるガラスオブジェクトです。細く引き伸ばした黒いガラスをカーブさせたり、ねじったりしてカットし、他の色ガラスのオブジェクトに混ぜることで、画面を分断したり、色を際立たせる効果があります。結構大胆な試みだと思いませんか。
万華鏡の映像は作家さんによって、個性的な表現があり、しかもそれが千変万化の面白さを見せてくれるのが、本当に興味深く、奥が深いのですが、カラディモス万華鏡の素晴らしさも、そんなところにあります。
基本的なスタイル、万華鏡製作のコンセプトは変わらず、美しい映像を求めて常に進化するために努力をなさる作家さんで、その作品には多くの人が惹き付けられます。小さな作品から大きなパーラータイプの作品まで、どの作品にも、細かく複雑な映像模様を生み出すために、この黒いオブジェクトが大きな効果を発揮しているのです。
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辻美里さんの映像

2007-04-14 13:33:36 | 万華鏡ブログ
辻輝子さんの「がまずみ」の万華鏡の内部映像は、辻美里さんが時間をかけて創り上げたガラスの世界です。どちらかというと2ミラーシステムが多いかなと思った中で、この作品は狭いアングルの3ミラーシステムで、8ポイントの曼荼羅映像を中心に、視野いっぱいに展開します。微妙な色の移り変わりが大変美しく、実際はこの写真よりももっと透明感を感じます。
まず万華鏡の外観を良く拝見し、そっと手にとって、中の世界を覗くまでのわくわく感。 そしてこの万華鏡にはこの映像が素敵!といつも思わせるコンビネーションの良さにまた感激しました。

繊細なオブジェクトの造形、色の組み合わせの妙、丁寧にきれいに組まれたミラーシステム、陶器の雰囲気を壊さない構造と装飾はんだなど理由はいくつも枚挙されますが、要は、姿と映像のいずれもが日本人の感性に強く訴えるものがあるということです。カレイドスコープルネッサンスとしてアメリカで花開いた万華鏡というアートが、日本でこのような形で発展しつつあることをもっともっと世界に伝えたいという思いがいたします。
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辻輝子さん万華鏡展:陶の花

2007-04-12 22:34:50 | 万華鏡ブログ
東京、青山の酉福(ゆうふく)ギャラリーで開催中の辻輝子さんの個展に伺いました。今日は辻さんご自身がお見えになるということで、たくさんのお客様が訪れ、その素晴らしい作品を堪能していました。
この作品は「がまずみ(黄)」という万華鏡です。 黄色の葉と赤い実が陶の筒いっぱいに描かれた、小さいけれど存在感のある作品です。
自然の一瞬を見事に切り取って陶の上に表現なさるの辻さんの作品は、草木や花、虫や魚まで、その生き様を愛情を持って写しとっていると感じます。手に収まる丸みを帯びた作品は、そのせいか、持ったときに暖かさを感じるのです。絵付けの作品は、ひとつの筒を創るのに、4回も窯で焼くことがあるそうで、その結果、満足できるものだけが作品になります。今回の個展では、新たに制作なさった作品を含め、今までに製作なさってきた30点ほどの「陶の華」が並んでいます。いずれも心惹かれる素晴らしい作品です。お孫さんの辻美里さんがミラーを組み、オブジェクトを作られて表現なさる映像世界は繊細で、優しく、彩陶のテーマをガラスと鏡でさらに深めます。山見浩司さん、依田満・百合子さんご夫妻、溝口好晴さんが映像を担当した作品も、それぞれその個性を発揮なさって見ごたえがありました。
酉福ギャラリーさんのウェブサイト に作品が紹介されていますので、ぜひご覧下さい。この万華鏡展は、4月12日から21日まで開催中です。(日・月は休廊。11時から18時まで。最終日のみ16時までです。)
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お洒落な黒猫の万華鏡

2007-04-10 20:37:12 | 万華鏡ブログ
キテルソン夫妻から送ってもらった2007年の新作の写真に、猫をデザインした万華鏡がありました。珍しいのでご紹介しようと思います。
25個の限定版で「Kattitude」という作品名です。Kat(Cat)(猫)とattitude(姿勢、構えという意味)をつなげた造語でしょうか。
白いガラスに黒い猫、赤い目が印象的ですね。猫をデザインしたガラスを、フュージングで白いガラスに焼付け、スランピングという技法で筒状にしています。 そして同じように黒いガラスをスランピングで加工した台が付いています。よく見るとその台にねずみが隠れるように付いています。そのねずみを探している猫なのでしょうか。何となくユーモラスなストーリーを感じる作品です。2ミラー10ポイントの映像だそうです。
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